書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

"Fiat justitia ruat caelum."

2011年01月22日 | 思考の断片
 ラテン語。「天が崩れ落ちても正義あれ」、結果がどうなろうと正義は貫かれねばならないという意味
 英語では "May justice be done though the heavens fall." あるいは "Let justice be done, though the heavens fall." 。オリヴァー・ストーン監督『JFK』(1991年)で、ケヴィン・コスナー演じる主人公ジム・ギャリソン検事が、押し寄せるメディア――彼を売名の徒だと思っている――を前に、この台詞を叫ぶ。
 同映画の日本語吹き替え版(テレビ朝日「日曜洋画劇場」版、DVD版ともに)で、津嘉山正種氏がケヴィン・コスナーの声を演じている。コスナー本人は、"Let justice be done, though the heavens fall!" と言ったし、またそれがコスナーという、雰囲気も声もどちらかといえば地味な俳優さんにはふさわしいのだが、私の好きな津嘉山氏のケヴィン・コスナー=ジム・ギャリソンなら、まさに実際そうであったように、「正義が滅びてしまったら、天罰が下るぞ!」と、あの美声で声を限りに怒鳴らなければならないのである。
 ――深更、クリント・イーストウッド主演・監督『パーフェクト・ワールド』(1993年)を、日本語吹き替え版(ケヴィン・コスナー=津嘉山正種、クリント・イーストウッド=山田康雄、DVD)で観ながらの白想。