書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

2017年7月7日 「七七事変」80周年で日本の右傾化を批判――今日の『人民日報』で中国新政治が読める

2017年07月21日 | 地域研究
 http://blog.livedoor.jp/zzmzhchina/archives/1066965308.html

 (10面)鐘声「歴史の中から未来に向かう精神力量を汲み取る」と題する「七七事変」、いわゆる盧溝橋事件80周年に関する論説が掲載されている。
 ー「回避してはならないことは、今日人々が『七七事変』を祈念することであり、現実の側面に憂慮がないわけではないことである。」
 ー「しばらくのあいだ、日本の政治生態の右傾化が次第に強まり、戦争の歴史を粉飾する勢力がたえず台頭している」
 ー「歴史の否定を急ぐのは、目下の日本が未来に対する焦燥感を表している。安倍政権が平和憲法の改正を急ぐことはその心態の明白な表現である」
 ¶「七七事変」から80年なのだが、その表現が「爆発80周年」となっているのが気になる。「勃発80周年」の意味だが、今まで公式の言及で中国語で「爆発」と言っていたのだろうか。私は見た記憶がないので目についた。ことさらに大げさにしようとしているように感じられる。
 しかしその内容は歴史問題よりも安倍政権批判になっている。安倍政権の右傾化批判がこのように展開されていることからは、日中の政治関係の好転は期待できないように思われる。


 漢語の、こういう主観的で固定したとらえ方に基づく表現は、たとえば私の感覚では「紋切り型」という認識をもたらす。しかしながら同時に、漢語では、たとえば“成語”が、言語また発話におけるpunch lineになるという現象がしばしば見られる。このことから、「紋切り型」という評価――とくにその価値的なニュアンスを伴う判断――は、この場合漢語話者においては共有されない状況を考えることができる。