林逋 「梅花」 2015年03月06日 | 文学 吟懐長恨負芳時, 為見梅花輒入詩。 雪後園林纔半樹, 水辺籬落忽横枝。 人憐紅艶多応俗, 天与清香似有私。 堪笑胡雛亦風味, 解将声調角中吹。 第五句、この「私」は「不公平」と解し「えこ(ひいき)」と訓ずべきか。
王安石 「吾心」 2015年03月06日 | 文学 吾心童稚時, 不見一物好。 意言有妙理, 獨恨知不早。 初聞守善死, 頗復吝肝腦。 中稍歷艱危, 悟身非所保。 猶然謂俗學, 有指當窮討。 晚知童稚心, 自足可忘老。 第十句、有指の「指」は「旨」と同じの由(『宋代詩詞』角川書店 1985年2月、大野修作氏注釈)。 大野注に何故かの説明はない。それ措くとして、「道理」の意味だとするのはどうだろう。「(人生の)意義、(畢生の)大目的」といった方向性の意味ではなかろうか。それ以前に氏の言う道理とはこの場合何を意味しているのかがよく分からない。
王育徳 「中国五大方言の分裂年代の言語年代学的試探」 2015年03月06日 | 人文科学 『言語研究』38号、1960年掲載。同誌33-105頁。 2011年04月06日「周振鶴/游汝傑『方言与中国文化』」および 2014年06月08日「伯慧著/樋口靖訳『現代漢語方言』」 より続き。 残存語率の高低はとりもなおさず親族関係の親疎である。上の数字から 蘇北>広蘇>広北>客広>客北>客蘇>厦客>厦広>厦蘇>厦北 の順に親近から疎遠になっていることがわかる。 同じく西ゲルマン語派に属する英語とドイツ語との間の残存語率が58.5%というから,厦門方言と北京方言はそれ以上に疎遠な関係にあり,ちょうど厦門方言と客家方言の間がそれに当る。英語とドイツ語は普通それぞれ独立した国語と意識されるが,もって中国現代方言間の方言差の大きいことがわかろうというものである。 (92頁) 中国方言の時系列分岐発展についてはもちろん、共時的な差異、とくに相互理解可能性にまで踏み込んだ研究。