書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

『史記』「秦始皇本紀」から

2014年12月25日 | 抜き書き
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  侯生盧生相與謀曰:「始皇為人,天性剛戾自用,起諸侯,并天下,意得欲從,以為自古莫及己。專任獄吏,獄吏得親幸。博士雖七十人,特備員弗用。丞相諸大臣皆受成事,倚辨於上。〔略〕天下之事無小大皆決於上,上至以衡石量書,日夜有呈,不中呈不得休息。貪於權勢至如此〔略〕。」 (41) 

 政務への精励、最終決定権の自身への集中は「貪於權勢」という個人的性格の為せるわざで、常態ではなく、さらにいえば望ましくない状況として、ここに描写されている。つまり皇帝の独裁は、この時点では制度として確立されていないし、あるべき姿としても認められていないということ。