書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

上里隆史 『島人もびっくりオモシロ琉球・沖縄史』

2014年07月09日 | 地域研究
 明が滅びた後の清代においても、琉球王は服制を明時代の儘で維持するが、明制では郡王待遇だった規格を止めて皇帝のそれにした事実(冠の玉列を7から12へ増加させる)を、改めて指摘されて、その意味するかもしれないところの重大さに気づく(「中国皇帝を超えた琉球王」)。

(角川学芸出版 2011年6月)

井上源吾 『廣瀬淡窓評傳』

2014年07月09日 | 伝記
 淡窓は孟子には孟子の立場を認め、荀子には荀子としての理があることを認める。このやうな態度は、淡窓を一貫している顕著な傾向の一である。 (「第四章 廣瀬淡窓の思想」本書308頁) 

 広瀬の学風を、通説どおりに折衷的とする。ただしそれは儒教においてだけでなく、仏・老・神に渉ってであると。

(葦書房 1993年11月)