書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

藤沢令夫 『ギリシア哲学と現代 世界観のありかた』

2012年03月30日 | 人文科学
 「『主語・術語=実体・属性』の把握様式によって裏付けられつつ成立した」原子論は「世界の見方」ないし「思考方法」(注)って、まさかこの人原子の存在を認めていないのか? 私の理解の至らなさであることを祈る。

 注。「Ⅳ 歴史的・原理的遡源」本書88-92頁)

(岩波書店 年月)

雁屋哲作 花咲アキラ画 『美味しんぼ』 99 「究極の料理人“秋編”“冬編”」

2012年03月30日 | コミック
 西親子はすさまじい料理人である。京料理は、けっして豊かではなくまた新鮮な海の幸にも恵まれぬ京都という場所で暮らす人々が、土地の産物や手に入る限りの材料をすこしでもおいしくいただこうという工夫の産物だったと聞くが、その道を極限まで追求したのが父の音松氏、そしてその衣鉢を継いだ健一郎氏であると思える。もっともこれだけ手間暇をかければ、結構な値段がつくのであろうけれど、それは手間暇代および技術料として当たり前かと思える。高いと思うなら食わなければいいのであるし、金がないなら食えないと我慢するほかはない。それにしても京料理とはおそろしい。
 ところで岡星さん鬱病だったんだ。いまは好転しているのかな。

(小学館 2007年7月)