TGー6の癖 C57112

2020-06-25 | 鉄道模型
オリンパス「タフ」シリーズは模型の撮影をするためににあるカメラと思っています。

(もちろん本当は虫を撮ったり、水中で使うためのカメラです)

TGー5からTGー6に進化して性能は上がりました。 屋外のスナップや模型でも「順目」にピントが送られるシチュエーションでは断然です。

ところが、時に「めちゃくちゃ」「デタラメ」に羽目を外します。

それがどう言うものなのか説明いたします。


この状態でシャッターを押しました。 このカットが合成開始の一枚前となるものです。

セオリーはあくまで手前にピントを合わせて遠方に向かってカメラが働く様に仕向けます。


10枚のカットを合成して出来上がってきたのがこの画像です。

手前の吊り輪から奥の吊り輪、その向こうに見える加減弁の梃子までは順調にピントが来ています。

天窓の後端近くにもピントは来ているのですがスリット部分はオリジナル一枚目よりもっとひどくボケています。


僅かな角度の違い、余白の違いでこんな風にピタと撮れることもあります。

厄介な機械TGー6を使ってもこうやって撮れることもあると言う見本です。 TGー5の方が確率は5~10倍高いです。

こんなカットを撮るためにイモンは30回もシャッターを切り、画像を59枚消すのです。 写真を撮ると言う事はそれくらいの根性は必要なものだと思います。


C57112を持ち出したのはこのヘッドライト向かって右側のランプ掛けを撮るためです。


面倒くさいのでパーツがたくさん写り込むように撮っておきます。 オイルポンプ箱がこのカマにしか使っていないロストワックスパーツと見えますが。


助士席側も同じく。


C57112のデフは小倉工場デフKー7タイプです。

しかし他のカマのKー7とは極端に違うKー7で、Kー9に近いKー7です。 門鉄デフ調査レポートに載っていたかどうか知りませんが、Kー7の装備は昭和28年から30年ごろまでが多いはずで(すみませんうろ覚えです)標準デフを所定の大きさに切って改造し、オリジナルよりも高い位置に装着し、ボイラーから伸びるステーは屈曲しなければなりません。

↓C57175です。 典型的なKー7装備機、Kー7にはこの形しかないと言って良い「ボイラーステー屈曲」です。


大型(上下寸法230mm)のプレートなのでそこに目が行きそうですね。

C57112はKー7装備が終了した後、Kー9が取り付けられている最中に切取デフ改造を受けています。

Kー9はKー7同様標準デフを切り抜いて改造し装着するわけですが、Kー7とは違って「ボイラーステー屈曲」はありません。

Kー9は標準デフの前上端が斜めに切り取られた形式の蒸機に「切取改造」を施すものです。
 →それはC59であり、D51でありC58とC57四次形だったりします。

C57112の切り取り改造は、オリジナルデフが四角いものなのでKー7分類になりますがKー9が装着されている時期にKー9の手法で改造されている変わり種なのです。


デフの取付位置が低いことに加えてナンバープレートの位置も極端に低い事からとっても個性的な機関車になっています。


ボイラーが細くてランボード位置が高いC57であるからこそ、ボイラーからのデフステーは屈曲していないものの僅かに上向きに付いています。


必ず撮るランボード高さ。 勿論非公式側もきちっと撮ってあります。


線路目線写真を撮らなくなったのでこの様なやや横がちも撮っておくことにします。


宮崎のカマ(鹿児島のカマも)のモーションプレートの縁が白く塗られているのはおそらく整備中に頭をぶつける危険を知らせる縁取りだと思います。 エアタンクと違って角があるから危険でもあります。

鹿児島や若松は九州スタイルでランボードに白線を入れますが、宮崎は入れない(正確には入れなくなって行った)理由は、前部暖房管を全機装備しているためだんだん入れなくなって行ったのだろうと想像します。
お召牽引時白線が入っていたC57117の白線がみるみる消えて行った(黒く塗りつぶしたのではないと思います)のを見てその様に考えます。

なにせ、下から仰ぎ見る角度が格好良いC57112でした。