魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ナガサキフエダイ

2022年07月10日 19時52分19秒 | 魚紹介

前回のハナアマダイにつづき、また新しい魚のご紹介。フエダイ科・ヒメダイ属のナガサキフエダイである。ナガサキフエダイは、フエダイ科ヒメダイ属の魚なのだが、ヒメダイとは大きくイメージが異なった魚である。

まず頭部には青っぽい点の列が見られる。また頭部から体側には細かい金色の線が入り、とてもゴージャスな印象を受ける。ヒメダイにはこの模様がない。また撮影し忘れたのだが、頭部の背面にも複雑な模様が入っているので見分けられる。

側線有孔鱗数は48~52で、これはこの仲間としては少ない。キンメヒメダイでは59~62,オオヒメでは60~65、ヒメダイやキマダラヒメダイでは70~74もあるので、これらの種類よりも明らかに少ないといえるだろう。一方バラヒメダイでは48~52で、ナガサキフエダイと数値的に近い。なお、バラヒメダイにはナガサキフエダイのような頭部の斑紋はないため見分けることができる。ナガサキフエダイの場合、幼魚も特徴は成魚と変わっていないのだが、小さいころはやや寸つまりな印象を受ける。

ナガサキフエダイはやや深海を好むフエダイで、水深100m以深の海から釣りや延縄で漁獲される。食用魚であり、日本だけでなく分布域のほとんどの地域で食用になっている。分布域はインド—西太平洋とサモア諸島である。日本では長崎で初めて見つかったので、ナガサキフエダイの名がついているが九州西岸ではあまり見られないようで、主に奄美諸島以南の琉球列島に多く分布している。山陰でも獲れているような記述を見たが、真偽は不明だ。なお、英語ではGoldbanded jobfishといい、やはり体側の黄色縦帯にちなむようである。

今回のナガサキフエダイはお刺身にしていただいた。これはかなり美味しい。ほかに焼いても美味しそうであったが、ハナアマダイと一緒にやってきたので、塩焼きはせず、煮つけでいただいた。

こののナガサキフエダイも、鹿児島県の丸万 田中水産社長 田中 積さんから送っていただいたもの。いつもありがとうございます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

キンメヒメダイ

2021年09月11日 19時54分45秒 | 魚紹介

つい最近に鹿児島のタキベラを購入したのだが、このほかにも別の珍しい魚を購入していた。それがこのキンメヒメダイである。キンメヒメダイを食するのはこれが初めてではない。2014年にも1回食べているが、今回7年ぶりである。前回は長崎産であったが、今回は鹿児島県産。

キンメヒメダイはオオヒメに似ているが、尾鰭の色や頭部背面の模様などで見分けられる。これについては上記のリンクにアップしている。眼が明らかに黄色いが、もともと黄色であり、鮮度が落ちているものではない。ただこの個体は深海から釣りあげられ、胃が反転してしまっている。以前胃内容物からウミヘビの仲間が出てきたということもあったようだが、これだと確認することはできないのが残念。

お刺身。今回はキンメヒメダイを2匹注文したが、これは1匹と半分くらい。相変わらずフエダイ科の魚は美味しい。脂も程よく乗っている。このほか写真には撮っていないが、中骨も煮て食べそこそこ美味しい。また1個体は卵を持っており、この卵も煮て食べた。

今回は鹿児島 田中水産の田中積さんより。いつもありがとうございます。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

キンメヒメダイ

2014年03月28日 22時35分32秒 | 魚紹介

 
長崎のお友達 石田拓治さんからすごい美しい魚が届きました。フエダイ科・ヒメダイ属のキンメヒメダイPristipomoides flavipinnis Shinohara, 1963です。

キンメヒメダイはヒメダイ属(日本産は8種)の中でも、舌上には歯がなく、側線有孔鱗数は60前後、体側には目立つ斑紋がないという特徴により、オオヒメと非常によく似ております。

 
オオヒメPristipomoides filamentosus (Valenciennes, 1830)。長崎県産 
 
オオヒメは琉球列島のほか、伊豆・小笠原諸島、南日本の太平洋側 (神奈川県三崎以南) に広く分布する種類で、この間は高知県のすくも湾中央市場でもその姿を見ることが出来ました。一方、キンメヒメダイは沖縄県、小笠原諸島、吐噶喇列島などにみられる種類です。この2種は幼魚が非常によく似ており、もしかしたら神奈川や三重などでも採集されているかもしれません。ただしヒメダイ属魚類の幼魚の分類についてはまだまだ研究が必要でしょう。今回アップする見分け方は基本成魚の見分け方になります。
 
 
 
以後、上はキンメヒメダイ 下がオオヒメ、で統一します。キンメヒメダイの眼(虹彩)は鮮やかな黄金色であるのに対し、オオヒメはベージュというか、薄い黄色っぽい色になっています。ある程度差はありますが、同定のキーとして使用することができる形質とされています。
また、これらの写真にはもう一つ、同定のキーがうつっています。キンメヒメダイの後鼻孔は眼に近寄るのに対しオオヒメではやや離れております。これも魚類検索では別の言い方をしていますが、眼と後鼻孔の位置の関係は、同定キーの一つとなっています。
 
 
 
頭部背面。諸事情により、若干写真サイズが異なりますが、これも同定に使う形質のひとつ。これが一番わかりやすい形質でしょうか。キンメヒメダイの頭部背面には目立つ黄色い虫食い模様があるのに対し、オオヒメでは小さな斑点が多数あるのが特徴です。
 
最後に尾鰭。キンメヒメダイは尾鰭の後方が黄色っぽくなるのに対し、オオヒメでは赤みをおびております。ただしオオヒメでも幼魚の場合は黄色っぽいようです。
 
●食べよう~
 
 
お刺身。写真はやや薄目に切ったもの。これと厚めに切ったものの二つがありましたが、後者の方が美味でした。噛むと味が染み出るでしょうか。
 
 
白身の魚で色々な料理に使うことができます。洋風の刺身、カルパッチョ、などでもいけます。このほかカマの部分を焼いたのですが、これも美味でした。
 
石田さん、ありがとうございました!!
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする