魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

フトツノザメ

2013年07月04日 23時37分53秒 | 魚介類採集(海水)

前回のヤッコエイに次いで再び、「人のふんどし」記事です。やはりお友達の方が釣っておりましたツノザメ、おそらく、フトツノザメです。

ツノザメの仲間は日本にも8種ほどが分布しますが、多くの種類が水深100~900m前後の深海に生息するのに対し、フトツノザメはたまに水深20m前後の浅い水域にも出現します。水温が低い時期に出現するものと思われますが、今回釣りをした場所では冷水塊が入ってきており、それの影響もあるかもしれません。

2基ある背鰭には棘がそなえてあり、それには毒があるという話もありますが、その毒性など詳しいことはあまりよくわからないのです。フトツノザメの特徴は第1背鰭前縁は白くなく、尾鰭は縁辺が白く、その下縁にはやや広い白色域があります。

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ヤッコエイ

2013年07月02日 04時24分28秒 | 魚介類採集(海水)

ちょうどあの磯採集からちょうどひと月がたちましたがいまだに昨日のように思えてしまいます。また行きたいものです。

同行したお友達はこんな良い魚を釣っていました。ヤッコエイNeotrygon kuhlii (Müller and Henle, 1841)です。

ヤッコエイはアカエイ科・ヤッコエイ属に含まれる種類です。ヤッコエイ属の仲間はインド・太平洋に5種類くらいいるようですが、日本にいるのはヤッコエイのみのようです。

ヤッコエイは、体盤の形状やら、腹面の溝の有無などみなくても、非常に同定が容易なエイです。まず体盤の表面には黒く縁どられた青白い斑点が散在しています。日本にはこのような斑点をもつアカエイの仲間はほとんどおらず、同定を容易にします。

もう一つの特徴は尾の先端の模様。写真ではわかりにくいかもしれませんが、数本の暗色帯があります。この個体は雄なのでしょう、交接器を持っています。そして注意するべきなのは毒棘。ヤッコエイは体盤幅50cmほどとエイの仲間ではやや小型ですが、それでも大きくて強い毒棘を有し、刺されると痛むといわれるのです。

ヤッコエイの分布は北海道以南の日本海・太平洋沿岸から伊豆・小笠原諸島、琉球列島と広く、世界的にも紅海からトンガまでの広域に分布するとされていますが、オーストラリアやニューギニアの何種類かが別種として記載されているようにもしかしたらさらに複数種を含むかもしれません。エイの仲間を含む板鰓類は、やはり鰭条数などでの同定ができない分、歯の形状や、腹部の溝の有無、さらに鱗の突起の有無など、細かい形質が条鰭類以上に重要視されるのでしょう。

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