魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

ハナゲンゲ

2015年11月16日 13時33分07秒 | 魚紹介

羅臼シリーズ最終回はゲンゲ科のハナゲンゲ。

前回はモザイクをかけた写真を紹介してみたら結局小さいサイズの画像ではモザイクがあってもなくてもあまり見た目は変わらず。茶色でずんぐりとした体が特徴の種類。前にぶろぐで紹介したことがあるアゴゲンゲと同じ仲間。あの時はアゴゲンゲ属と書いていたが、現在この属のものはマユガジ属に含められているようだ。

マユガジ属は本種のように以前は別属に含められていたものを含むと24種もいて、模様などで区別できる種類もいるが、各部を実際に見て、あるいは自分で触れてみないと同定できない種も多い。それも本で知識を得るだけではだめで、実際に魚を見てみないと、同定をすることは難しいのだ。書を見ながら、本物を触って、はじめてその魚を知ることができる。

魚類検索を見た限りでは、ハナゲンゲは口蓋骨に歯がないことがほかのマユガジ属のゲンゲと違うようだ。実際に手で触れてみると確かに歯のようなものがない。解頭してみてもやはり歯のようなものは顎にしかない。

同じ仲間のアゴゲンゲとの違いは、やはり背鰭の白っぽい模様であろうか。4つ前後の大きな白色斑があるところがアゴゲンゲとは異なっている。

並べてみるとこんな感じ。上がアゴゲンゲ、下がハナゲンゲ。分布域はアゴゲンゲが北海道オホーツク海および日本海岸から島根県まで(国外では釜山まで)分布するのに対しハナゲンゲは北海道を含むオホーツク海からのみ得られる種であるという。生息域はどちらも深海である。

大きさは魚類検索によるとどちらも全長500mmほどということであった。今回の個体は470mmの雌で卵を持っていた。卵は大きく、以前食したものの中ではハタハタの卵に似た感じであった。ゲンゲの仲間は最近はカジカの仲間と近い関係にあるとされている。最近はハタハタもカジカ亜目の中に含められるなどしているが、この食感が似た感じはそういうことによるものなのかはわからない。

身はぶつ切りにして汁物。黒い地色に白色斑が散らばる様子は熱帯域に住むウツボの仲間を思わせる。とても北海道の先っぽのオホーツク海沿岸にいる種類とは思えない。

これが本当に美味である。

最後になりましたがこの個体を送ってくれた坂口太一氏には本当に感謝です。


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