久しぶりのチョウチョウウオ科魚類、今回はトノサマダイChaetodon speculum Cuvierです。名前から想像するのとは異なり、黄色い色で体側に黒色斑があるというかわいいチョウチョウウオです。
トノサマダイはフィリピンのほか、東はインドネシア、西はニューギニア、そして北は相模湾にまで見られる種類です。西部太平洋が分布の中心ですが、東アフリカでも見つかっているらしいです。本種はサンゴのポリプや、付着生物などを捕食しています。
斑紋は先ほどご紹介しましたように、黒色斑がひとつあるのみというもの。
その周辺が白くなく、背鰭や臀鰭の後方に黒色帯がないことなどによりイッテンチョウチョウウオと区別できます。以前ご紹介しました、「ウミヅキチョウチョウウオ」では、縁取りのほか、白い縁取りがなく腹部に白色線があるので、本種とは容易に区別できます。
本種は南日本の太平洋側でもよくみられます。幼魚だけでなく、成魚サイズの個体が採集されることがあります。サンゴ礁の枝状サンゴの多いポイントでは採集も難しいですが、漁港や磯などで容易に採集できるといいます。ポリプ食性の種類で飼育は難しいと思われがちですが、丈夫で長期飼育もできるのだそうです。ただ、それでもポリプ食性ということで、サンゴ水槽には向かないと思われます。
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