魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

タスキモンガラ

2024年01月04日 10時26分37秒 | 魚紹介

さて、新年4日目となりますが、ようやく「魚のぶろぐ」らしいぶろぐ更新となります。地震の被害にあわれました方にお見舞い申し上げます、また昨日は平野綾さんが結婚してしまい、強い悲しみとショックを受けています。今日は昨年の南方遠征で採集しましたモンガラカワハギ科のタスキモンガラのご紹介。そういえば昨日は箱根駅伝でしたね・・・。

タスキモンガラはフグ目・モンガラカワハギ科・ムラサメモンガラ属の魚で、モンガラカワハギ科らしい派手な色彩が特徴的。日本に生息するムラサメモンガラ属は4種であるが、一般的に磯採集で出会うことができるのは3種に限られる。ほかの2種はクラカケモンガラ、ムラサメモンガラであるが、本種は眼付近からお腹にかけて大きな黒色域があるのが特徴。同じように黒色域があるモンガラカワハギ科にはクラカケモンガラがいるが、クラカケモンガラの黒色域は腹部のみに限られる。またムラサメモンガラやクラカケモンガラは吻から後方に伸びる赤色域があるのに対し、このタスキモンガラでは赤色線を見ることができない。そして、背中のオレンジ色が美しい。

このタスキモンガラはサンゴ礁のフカセ釣りで釣れたもの。主にサヨリ針にキビナゴやオキアミをつけて投げ込むだけで様々な魚が釣れてくる。トゲチョウチョウウオやナガニザなど釣ったことがあるポイントであるが、今回ここで釣れたのはこのタスキモンガラとシチセンスズメダイのみ。いずれも初めて釣った魚である。タスキモンガラは色彩が派手で観賞魚としても人気があるように思われるが、実際はサンゴ水槽に入れにくく、ほかの魚とも争うので単独飼育となることが多い。そのため今回は私もこの個体は持ち帰らず、サンゴ礁の青い海へとお帰りしていただいた。

なおこの属はごくごく浅いサンゴ礁域にすむものと、やや深い場所を好むものの2タイプがあるようだ。特に日本やインドネシアに生息するソコモンガラは水深70~150mの深海から報告されている。この属のほかの種ではRhinecanthus lunulaR.cinereusも同様にこの属としてはやや深場のものだが、これらは水深10~30mほどらしい。ただどちらも観賞魚としてはなかなか輸入されず(特に後者はモーリシャスやレユニオンの方の魚である)、入荷してもとても高価である。そのため飼育知見は乏しい。なお海外産のモンガラカワハギではほかにR.assasiというのもいるが、この種は紅海からアラビア海の特産種で浅いサンゴ礁を好む。今年は遠征にも行きたいがしばらくは行けそうにない。残念。


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