魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

オジロバラハタ

2022年04月23日 22時22分02秒 | 魚紹介

以前記事を書いたのですが、消されてしまったので再度書き直し。以前に入手した魚をご紹介。スズキ目・ハタ科・バラハタ属のオジロバラハタ。

バラハタ属には2種が知られている。バラハタとこのオジロバラハタである。オジロバラハタはバラハタよりもサイズがやや小さい。しかし尾鰭の形状や成魚の胴体の色彩などはバラハタと似ているところがある。

しかし尾鰭の色彩はバラハタとは大きく異なる。バラハタは尾鰭縁辺が幅広く黄色く縁どられるが、本種では尾鰭の後縁が白いのだ。しかしこの尾鰭後縁が白い魚というのはほかにも何種かいるのだが、いずれも白バックで撮影する私にとっては苦手な魚である。

バラハタ(上)とオジロバラハタ(下)の尾鰭の比較。先ほど述べたように尾鰭が黄色く幅広く縁どられるのがバラハタ。幅が狭く白く縁どられているのがオジロバラハタ。この仲間は英語でLyretailと呼ばれているが、Lyreとは琴の一種で尾鰭の形にちなむ。なお英語でオジロバラハタはWhite-edged lyretailという。バラハタはYellow-edged lyretailで、それぞれの特徴がわかりやすい英語名となっている。ながらく1種とされていたバラハタ属だが、1953年に本種が新種記載された。タイプ標本はモーリシャスで採集されたもので、東アフリカからサモアまでのインドー太平洋域の広い範囲に分布している。国内では九州以北からも採集例があるが、琉球列島や小笠原諸島に多い。トップ画像は長崎産だが、尾鰭の写真は小笠原諸島の産である。

オジロバラハタもバラハタ同様に食用魚として流通している。バラハタより小型であり安価と思いきや、色鮮やかなことや小型でシガテラ毒をもつことがほとんどないとされ、バラハタよりもわずかに市場価値が高いという。観賞魚として販売されていることもあり、その場合も幼魚が白っぽいバラハタより価値が高いかもしれない。ただし、大きくなり小型水槽で飼育できないので注意しなければならない。バラハタの別名は「ながーじゅーみーばい」であるが、本種もそう呼ばれていたように思う。

小笠原諸島産のオジロバラハタ。長野 淳さんから購入。いつもありがとうございます。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« オリーブヒメスミクイウオ | トップ | コイが酷魚になる日 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

魚紹介」カテゴリの最新記事