本日から「仕事はじめ」の方々が多いと思われます。当方は昨日から文書作成など、いろいろやっています。耳石関係のリスト作成は、以前採集した魚を再び回想することができ、懐かしい思いにもふけることができます。
今年2回目のブログ登場魚は、ミドリフサアンコウChaunax abei Le Danoisです。
フサアンコウの仲間は、深い海に生息し、日本からは3種が報告されています。本種はその中でもとくに数が多い種で、底曳網では時にまとまった漁獲があります。
両眼の間にあるのは俗に言う「釣り竿」です。アンコウ科やカエルアンコウ科のそれと比べても小さいのが、よくわかります。肉食性で小魚もたべますが、甲殻類や貝類が胃の中から出てくることもよくあります。
皮膚はアンコウと違い、小さな突起におおわれ、手触りはまさしくビロードのようです。以前はこの仲間は投棄されていたのですが、近年(といっても30-40年くらい前)は干物や鍋もの用などとして販売もされています。味はアンコウとあまり変わらず、唐揚げは絶品とのことです。鍋にすると、肝臓がアンコウに比べてやや小さいのですが、肉質は確かにアンコウと似ています。
学名の種小名は、故・阿部宗明博士(理学博士、日本魚類学会の元会長)に献名されたものです。阿部博士は1979年に本種を新しい食用魚として報告されています。ちなみに今年、阿部博士が生誕されてから、ちょうど100年です。
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