日曜日、我が家に2か所から2種の魚が届きました。いずれも初めて見る魚です。
今日ご紹介するのはスズキ目アイナメ科・ホッケ属のキタノホッケという魚です。
キタノホッケの冷凍切り身
キタノホッケとはあまり聞きなれない名前です。別名の「しまほっけ」のほうがよく通じるかもしれません。こんな感じのものを見ることが多いでしょう。冷凍乾物、あるいは開いて切って加工用。それらの商品には主にロシアやアメリカの西岸のものが使用されています。しかし今回のキタノホッケは北海道厚岸の産。私はこのキタノホッケは日本では珍しいものと思っていましたが、Facebookのフォロワーさんによれば北海道では普通種とのこと。魚類検索第三版によれば分布域は北海道全沿岸、東北地方太平洋岸となっている。「東北フィールド魚類図鑑」にも東北地方で採集された個体が掲載されている。
ホッケ属 キタノホッケの尾鰭
アイナメ属 ウサギアイナメの尾鰭
本種とホッケとの大きな違いは体に太い横帯があり、これが腹側まで太いこと。ホッケでは横帯は不明瞭か、あるいはない。ある場合でも腹側では太くないことにより区別できます。日本には7種のアイナメ属魚類がいますが、属はホッケ属、アイナメ属の2属だけです。北海道室蘭から知られていたヤセアイナメはホッケのシノニムであり、ヤセアイナメ属もホッケ属のシノニム。アイナメ属の尾鰭は丸みを帯びているか、少し湾入するだけですが、ホッケ属の尾鰭は強く2叉することが異なります。なおホッケ属は世界でもこのキタノホッケと、ホッケの2種のみが知られています。
ホッケはアイナメ科の魚ですから、アイナメ同様に煮つけにしたら美味しいはず。今回は子持ちの個体でしたので卵も煮つけに。
煮つけ最高でした!癖もなくて美味でした。ただ煮つけだと無難なものになってしまいます。個性があまり生きてこないかもしれません。でも美味しかった。なお最初に紹介した冷凍の切り身は塩焼きで食べました。
今回の個体は「築地魚河岸 丸集」の出川公平さんに送っていただきました。ありがとうございました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます