山形便では、先ほどのゲンゲのほかにも珍しい魚がたくさん来ました。このエイもそうです。ガンギエイ科のエイなのですが、体盤にも小さな棘があるのが変わっていました。
ガンギエイの仲間も、種類が多く、小さな形質から同定するものもおり、一筋縄ではいきません。
この個体は棘の様子からドブカスベBathyraja smirnovi (Soldatov and Pavlenko,1915)と同定できました。ドブカスベは肩帯部に小さな棘があり、体盤の縁辺に小棘がある、尾部の棘列は項部の棘と連続しないなどの特徴により、ほかのガンギエイ科のエイと区別することができます。深海性で、日本では日本海の水深950mよりも浅い海底に生息しています。ちなみにエイの仲間のうち最も深くまで分布するのはチヒロカスベで2906mの海底で採集されています。この種もドブカスベも同じソコガンギエイ属の種類です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます