魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

トラカマス

2021年08月01日 17時01分12秒 | 魚紹介

こんにちは。今日から8月です。今日は以前Wadaさんから頂いた魚のご紹介。

このカマスはトラカマスという種類。

最近日本産カマスは新しい種が3種類記録されているがそのうちの1種である。学名はSphyraena jello Cuvier, 1829である。比較的昔から知られていた種で分布域も南アフリカからバヌアツまでと広域に及ぶが、日本ではつい数年前に新しく見つかったものである。場所は門川の定置網で、どうやらWadaさんもこの種の日本からの初記録の文献を書かれているようだ。

本種の特徴は黄色の尾鰭である。これによりほかの大型のカマスと見分けることができるだろう。成魚では全長1mを超えるが、日本ではあまり大きいのは漁獲されないかもしれない。今回の個体も標準体長224mmと小型の個体である。やはりまだ再生産、定着はしていないのかもしれない。

最近日本から見つかった大型カマスはこのトラカマスのほか、ヤシャカマスとタツカマスがいる。これほど大きいのに日本ではなぜ出ていなかったのかは不明であるが、おそらくこれまでも、「大きなカマスで横帯があるのは大体オニカマスにしておけ問題」があるからだ。オニカマスは1949年に東京で多数の中毒者を出したあと、市場には出してはいけないことになった。それに似たカマスは水揚げされないだろう。鹿児島の内之浦ではオニカマスも市場に上がるが、セリにかけられてはいないようである。よく似たヤシャカマスもそうなのだろう。なおこの個体が採集された宮崎県の近海では縞模様のある大型カマスは食べないらしい。オニカマスの大型のものはルアーで釣れ人気だが、歯が非常に鋭く、熱帯域ではまれにヒトを襲うこともあるという。

今回のトラカマスは宮崎県門川のWadaさんより。いつもありがとうございます。

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