この間9年ぶりに出会う魚をおくっていただいた。スズキ目・イサキ科・ミゾイサキ属のスジミゾイサキという魚である。
スジミゾイサキは一見、イサキに似ているのだが体側に4本前後の細い橙色の縦帯が入ることにより見分けられる。ミゾイサキ属の仲間はイサキとは色彩だけでなく下顎に縦長の溝があることでも見分けられるのである。ミゾイサキ属の魚はみな南方系の魚で日本産は本当に分布するのか怪しいものを含めて4種。多くの種は九州以南に生息しているが、本種は神奈川県二宮や浜名湖でも確認されている。
スジミゾイサキの塩焼き
スジミゾイサキの唐揚げ
今回のスジミゾイサキはなんと10匹も届いた!塩焼きや唐揚げにして美味しくいただいた。成魚でも10数cmの小型種のようで、骨が硬くて食べにくかったが、味はかなり美味であった。
伊東正英さんよりいただいたスジミゾイサキ(2009年)
前回この魚に出会ったのは9年前の2009年の秋。その時は鹿児島県笠沙の伊東正英さんから送っていただいたもので、その時もイサキ科とは思えぬ。シマイサキか、あるいは大西洋産のイサキ科魚類であるタイセイヨウイサキ属のような色彩・模様に驚いたものである。ただし生きているときは体が黄色っぽく輝いて見えるようなので、間違えることはないかもしれない。写真は9年前のものなので展鰭がえらい酷いのは見逃してほしい。
今回のスジミゾイサキは鹿児島県の「田中水産」さんより。いつもありがとうございます。