魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

ヘビギンポ

2016年07月24日 15時50分32秒 | 魚紹介

5月に喜界島で採集してきた魚。この魚はスズキ目・ヘビギンポ科・ヘビギンポ属のヘビギンポという魚である。

魚の背鰭は1基、または2基のものが多い。しかし世の中にはミズウオダマシのように背鰭のない魚もいれば、逆にタラの仲間のように背鰭が3基ある魚もいる。

マダラ

ヘビギンポの仲間もタラ科と同じく、3基の背鰭を持っている。一方タラ科の魚は臀鰭もふたつに分かれているのに対し、ヘビギンポの仲間は基底が長い1つの臀鰭を有する。さらに大きさも全く異なり、タラ科の魚は50cmくらいなのにたいしてヘビギンポの仲間は大きいものでも20cm弱、日本では10cmを超えるものもいないのだ。ヘビギンポ科魚類の生息地はごく浅いタイドプールから深海にまで達するが、サンゴ礁の浅い場所に種類が多い。

潮だまりに生息するのはヘビギンポなど一部の種である。今回のヘビギンポは喜界島で採集したものであるが、青森県深浦以南の日本海岸、千葉県~九州までの太平洋岸、東シナ海、琉球列島と広域に分布しているのだ。しかしヘビギンポと呼ばれていても、地域によっては若干模様などが異なっており、将来は複数種に分かれる可能性がある。

2009年に高知県で採集したヘビギンポ

茶色っぽい体に複数の横帯と派手な色彩ではないが、雄の婚姻色は体が真っ黒になり、白い帯が目立って出てくるので面白い種ではある。写真は2009年に高知県で採集したものなのだが、フラッシュがかなり強くたけてしまい、背景が飛んでしまっている。古い写真で、あまりよい写真とはいえない。

ヘビギンポは磯採集でみつかることもあるが、あまり派手ではなく、目立たないので多くは無視される。しかしミヤケヘビギンポのように婚姻色の出た雄は派手なオレンジ色が出てくるのもあって面白い。水槽で飼育するのに持ち帰られることもある。しかし、ここで大きな問題が起こることがある。どうもヘビギンポというのは弱ったりすると、毒なのか、寄生虫か、病原菌か、もしくは水を悪くするような物質を出すことがあるらしいのだ。あくまでも「らしい」としているのは、まだ科学的に解明されていないからである。「ヘビギンポ 毒」で検索をかけてみても、それらしきものは出てこない。しかし、いくつかの可能性が考えられている。

1.今年の5月にバケツにこの種を入れていたら、翌日何種かの魚が死亡しているということに気が付いた。ヘビギンポの仲間が死亡し、ほかの魚も相次いで亡くなった。死亡した魚の鰓などは赤く鰓付近に寄生虫の確認もできなかった。唯一シマギンポの体に薄い膜がはっていたが、それ以外の魚には特に何もなかった。

2.2013年にこの仲間を飼育したら、何匹かほかの魚が死亡するということがあった。イトマンクロユリハゼや、イソギンポなどが死んでしまった。カクレクマノミに白点が少しついていたが、それ以外には何も病気は見当たらなかった。なおこの水槽では当時殺菌灯はつけていなかったが、以前はつけていなくても何も出てこなかったか、白点病が出た魚はそのうち白点が消えてしまっていた。

さて、いったいなぜ?

コメント
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