魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

ホシセミホウボウ

2016年07月20日 10時01分52秒 | 魚紹介

最近は魚の飼育ネタや昆虫ネタが多くなってきていた。だから魚を紹介するのは久しぶりになる。

この魚はホシセミホウボウという魚。スズキ目セミホウボウ科の魚種。「セミホウボウ」という名前から考えるとホウボウに近いのではないかと思われがち。

非常に大きな胸鰭を持っているところはホウボウに似ているが、ホウボウの仲間とは全く違うグループのよう。

セミホウボウとホシセミホウボウの違いは背鰭の様子。後頭部にある遊離棘と背鰭棘条部の間に小さな遊離棘があるのがセミホウボウとオキセミホウボウ。ないのがホシセミホウボウというが写真だけでは見分けがつかないことが多い。ホシセミホウボウの吻は短くややとがらないことで、本種に似ているトンガリセミホウボウと区別することができる。

また臀鰭には黒色斑も見られない。これも特徴であろうか。セミホウボウは臀鰭に目立つ黒色斑があるのが特徴。ただしこの黒色斑は薄くて消えやすいようだ。なおこの写真では臀鰭が薄らと黒くなっているがこれは背景のせいであろう。

臀鰭に黒色斑がないものにはもう1種、オキセミホウボウというのもいるが、吻は本種よりもさらに短いよう。ただしキチンと見分けたいというときは背鰭の様子も見るべきであろう。オキセミホウボウは先ほど述べたように後頭部にある遊離棘と臀鰭軟条部の間に小さな遊離棘がある。

魚類検索ではホシセミホウボウはホシセミホウボウ属となっているが、最近はセミホウボウ属にまとめられることが多い。確かに別属にするほどの違いもないように見える。セミホウボウ科はホシセミホウボウ属とセミホウボウ属のほかに、ニシセミホウボウ属という大西洋にのみ生息するものがあるが、現状この属はニシセミホウボウのみが有効とされている。この標本は確か神奈川県立生命の星・地球博物館の瀬能 宏博士のもとに送っている。この個体は2013年9月に鹿児島県沖で採集されたもの。(有)昭和水産のみなさまより。ありがとうございました。

なおセミホウボウの仲間は底曳網漁業だけでなく、釣りや定置網でも漁獲されている。定置網ではかわいい、小さな幼魚が採集される。観賞魚として人気があるが、あまり流通は多いとは言えない。

★おまけ

講談社さまから献本がありました(左の本)。

株式会社童夢の細居さま、橋谷さま、ありがとうございました。

このぶろぐの中のオオヒシマトウダイ、シキシマハナダイ、そしてアカドンコの写真を使っていただいております。魚を送っていただいた二階堂由美さま、潮崎友泰さま、シーフーズ大谷さま、ありがとうございます。私の「推し」ページはこじはr...ではなく146頁の共生ハゼのところ。子供向けですが、大人も楽しめる内容になっております。

コメント
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