年明けすぐのぶろぐにも書いたと思いますが、今年はまだ紹介できなかった魚についてもぶろぐで書いていこうかと思っています。
写真の魚はコトヒキといい、スズキ目シマイサキ科の魚です。シマイサキ科の魚は日本を含むインドー太平洋域と地中海に生息し、多くは河川の淡水域・汽水域から沿岸に生息しています。コトヒキは河川の汽水域から沿岸に見られ、南日本の太平洋岸ではごくふつうに見られます。この個体は沖縄県八重山諸島で採集された個体をいただいたもの。
コトヒキ属は世界で3種が知られ、日本にはコトヒキとヒメコトヒキが分布しています。もう1種のSmall-scaled teraponという種もインドー西太平洋に生息しているのですが、日本からこの種の記録はありません。
コトヒキは沖縄や奄美諸島などではよく釣れる魚ではありますが、鰓蓋の棘が鋭く触るとけがをするおそれがあり、注意が必要です。
フィリピンで採集されたコトヒキ。コトヒキは河口域に近い磯でもよく見られますので磯で採集されることがあります。体は灰色っぽいのですが、体側に細い縞模様があり、面白い魚です。しかし観賞魚としては向いていません。私はこの種を飼育したことはないのですが、かなり気が強くほかの魚の鰭や鱗などをつついたり食べたりすることがあるようなので、飼育するのは避けたほうがよい種といえます。
これまでの3枚は自分で撮影した画像でありますが、私が採集した個体ではありませんでした。私が採集したコトヒキはこんなのしかありませんでした。これは2009年7月に高知県で採集した稚魚。真っ黒になったり、水槽の中では特徴的な模様があらわれたりします。しかしあまり飼育には向きません。単独で飼育するのであれば別でしょうけれど。しかしコトヒキ、自分で採集した個体の写真がこれしかないのはちょっと問題です。今年の喜界島ではこれを狙いたいものです。