昼間はまだあたたかく、秋の様子ですが、緑色は赤から茶色に変わりつつある今日この頃。ということでもうすぐ冬の到来といった感じです。鍋で美味しい魚も色々あります。クエ、マハタなどに代表されるハタの仲間の鍋は高価ですが、その価格ぶんの価値はあります、タイなどのしゃぶしゃぶも最近人気、大人数が集まり、広い台所をキープできるのなら、アンコウの鍋も美味しいですね。
でも鍋が美味しい魚は他にもたくさんあるのです。
今回は寒い海の魚「カジカ」の仲間の汁もの!
カジカ科の仲間は日本からも90種近くの種類が報告されていますが、そのうち食用になるのはそれほど多くありません。河川などで獲れるカジカの類、あるいはギスカジカ、トゲカジカ、アイカジカ、ツマグロカジカ、ニジカジカなど。他に釣り人が釣って自分で食べるもので、アナハゼやアサヒアナハゼなど。
そのうち有名なのがトゲカジカ。「なべこわし」とも呼ばれ、有名な食用魚ではありますが、この種は私は残念ながらあまり見たことがありません。よく似たギスカジカは、北海道や東北地方の沿岸に生息する普通種、岩礁域からのルアーにも食いついてくる、見た目からは想像もできないようなハンター。
ギスカジカ
ギスカジカを含むギスカジカ属は北半球の寒冷な海域から15種ほどが知られ、日本では4種が知られます。いずれも体長30cmを超える大型種で、トゲカジカは全長80cmを超えるという記述もありますが・・・。ギスカジカは全長40cmほどでトゲカジカよりも少し小さいです。頭部はかなり硬いです。
頭部の後頭部には皮弁がありますが、この皮弁の有無でトゲカジカや、オクカジカと区別できます。シモフリカジカとは眼隔が広いことなどで区別できます。このような頭部ですが、体表はざらざらしておらずなめらかです。
もう1種、カジカの仲間をご紹介。
こちらはケムシカジカです。
ケムシカジカは北日本~静岡県くらいまでの太平洋岸および日本海岸のほぼ全域に分布する種類です。カジカ科ではなく、ケムシカジカ科に含まれる種類です。特徴は背鰭の棘の数が多いこと。ギスカジカなどでは多くても10ほどしかない背鰭棘数が、本種では16~19と多いこと、皮はざらざらしてビロードのような手触りであることなどが特徴です。
見た目がオコゼにも似ていますが、ケムシカジカ科のなかには「オコゼカジカ」というのがいますので混同しないように注意します。
鍋で両種の食べ比べをした感想としては、やはり有名な「なべこわし」こと、トゲカジカの近縁種である、ギスカジカの方が若干美味しかったです。肉の味などもギスカジカのほうがよく、また肝の味わいなどもギスカジカが美味しいものでした。しかしケムシカジカも決してまずいわけではなく、鍋にして食べた感じではこのような評価になりましたが、唐揚げや、その他の料理ではいったいどんな味になるでしょうか。また食べたらレポートします。