尾鷲は前から述べましたようにさまざまな漁業があるため、魚の種類も様々。このミドリフサアンコウは、底曳網で漁獲されます。
かわいい、しかもアンコウの仲間だから美味しい!ミドリフサアンコウなのですが、この魚は実は昔から食べられてきたわけではないようです。1979年ごろ 故・阿部宗明博士が新顔の魚で、「従来食物としてはほとんど問題にされていなかったフサアンコウ類まで・・・(略)店頭に出るようになった」とされております。こういう従来捨てられてしまうような魚も食用にできるということで、廃棄される魚が減って、水揚げされる魚が増えればよいのでしょうが、魚函を積み込むにも限度があるので、思うようにはなかなかいきません。
アンコウ目の魚は頭部に疑似餌を有するのが多いですが、本種も小さいのを持っています。主に甲殻類や魚類を食べ、ウナギ目魚類が胃の中から出てきたこともありました。
アンコウの仲間ということで加熱して食べるのが一番おいしいでしょう。鍋でもよいのですがおすすめは汁物!ご家庭に2匹あれば、一家四人分にはちょうどいいのではないでしょうか。内臓は鰓以外ぶち込みます。皮はあらかじめはいでおきます。アンコウは皮まで食べられるのですがこのミドリフサアンコウの皮はビロードのようで、なかなか鍋で食べるには抵抗があるかもしれないのです。