ベラの仲間は海水魚中でもかなり大きなグループ、約500種類が知られています。日本にも100種以上が分布しており、キュウセンのように、産地では重要な食用魚となっているものもいます。
ベラの仲間は琉球列島や小笠原諸島などの亜熱帯海域から熱帯域のサンゴ礁域に多くすみ、この地域では体長40cm以上にもなる中・大型種もよく水揚げされ、食用になるものも多いです。
このヤシャベラCheilinus fasciatus (Bloch)も体長40cmに達する中型種で、沖縄では食用とされています。これも「ミト」さんに買ってもらって、送っていただいたものです。ありがとうございました。写真は、残念なのですが、前回のシジュウカラと同じく鱗がはがれております・・・
ヤシャベラは、ベラ科の中のモチノウオ亜科、モチノウオ属に含まれます。この属の魚には他にもミツバモチノウオ、アカテンモチノウオ、メガネモチノウオといった中-大型種が含まれます。とくにメガネモチノウオは最大で2m以上にまでなり、ベラ科の最大種となっています。
ヤシャベラの幼魚Cheilinus fasciatus (Bloch) Young。こちらはフィリピンのやや東部にありますサマール島産 (鈴鹿さんご提供、椎名同定および撮影) 。ベラの仲間は雌雄、幼成で色彩が変わるものが多いのですが、本種の場合はその差が他種ほど大きくはないといえるでしょう。ただそれでも頭部や尾鰭の形状などが異なったりしています。
ベラの仲間は中型-大型種は刺身でいけます。このヤシャベラのほか、タキベラ、キツネダイ、メガネモチノウオ、イラ、シロクラベラなどはそのように食べられています。甲殻類食で、藻類を主に食うブダイよりもにおいが少ないようです。ちなみに、当方はモチノウオ亜科の魚の刺身は初めてです。
肉質はタキベラなどに比べると、白っぽいです。ベラの仲間でやわらかいですが、味は美味、やや脂っこい感じです。