平成19年(2007年)9月、ブログ「ほろ酔い気分」を書籍として出版した。ブログをスタートしてからほぼ9ヶ月分をまとめたものだ。
「ほろ酔い気分」の序文には、ブログを始めた動機として、「身辺雑記をブログに書いて、知人に読んでもらおう」ということだった。
今にして思えば、「読んでもらおう」という気持ちが、ギラギラあったわけではなかったように思う。
ただひたすら発散したかったのではなかろうか。
平成16,7年のころ、私は公私ともに大きな変化の波の中にあった。
会社人間だった私は、そのころに第一線を退いた。年齢相応の順当な引退だったと思っている。
長男の家に初孫が生まれた。大きな喜びだった。
が、1才未満の孫を残して、孫の母親が急逝した。息子と孫が私たちの家で暮らすようになった。
さらに加えて、娘が我が家で「里帰り出産」をした。
能力に乏しい老夫婦としては、精一杯の頑張りをしなければならなかった。
癌をはじめとして幾つかの病気をしたが、その時のストレスが原因だったとは思っていない。もともと私は病気に好かれていたのだ。
その後、息子たち父子、娘たち母子は、自分たちの生活に戻り、老夫婦の出番はほとんどなくなった。
私の胸に大きな穴が開いた。
ブログを始めたのはその頃だった。
「誰かに読んでもらおう」という気持ちより、自分を鎮めるための手段だったように思えなくもない。
ブログを書き始めてから、すでに8,9年ほど経過した。
書き始めたころの気分は薄れて、今は惰性的に書いている面がありそうだ。
「ほろ酔い気分」を「新・ほろ酔い気分」とタイトルを変更したのだが、進化出来ずにウダウダ続けている。
記事にコメントをいただくほか、電話やメールで感想を頂くこともある。とてもありがたいことと感謝している。
81歳ともなれば、惰性で生きている面がないでもない。
しかしそれは世間様に申し訳ないことであり、ヨロヨロな足腰であるとしても、しっかり生きて行かなければなるまい。
ブログについても同じ。
今後ともよろしくお付き合いをお願いします。
写真はブログを書籍化した時の表紙。