秋の潮は穏やかなことが多い。と言っても、春の潮のような弛みはない。
澄んできびきびとしている。つまり、冗漫さや蛇足がないのだ。
波に付き合っている岩にも、揺るぎはない。冬ほどの厳しさはないが、微塵も甘さは感じられない。まるで古武士だ。
愛想なしの岩に乾杯。
私も斯くありたいものだが、いまや緊張を持続させることは無理。この頃は、ハナから諦めている。
円満になったと言われ、密かに悦に入っているのだから、他愛ないではないか。
秋潮を被りて岩の無愛想 ひよどり 一平
秋の潮は穏やかなことが多い。と言っても、春の潮のような弛みはない。
澄んできびきびとしている。つまり、冗漫さや蛇足がないのだ。
波に付き合っている岩にも、揺るぎはない。冬ほどの厳しさはないが、微塵も甘さは感じられない。まるで古武士だ。
愛想なしの岩に乾杯。
私も斯くありたいものだが、いまや緊張を持続させることは無理。この頃は、ハナから諦めている。
円満になったと言われ、密かに悦に入っているのだから、他愛ないではないか。
秋潮を被りて岩の無愛想 ひよどり 一平