新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

行雲流水とはならず

2015年10月14日 13時56分40秒 | 写真と俳句

 昨日、奥日光の戦場ヶ原で撮った一枚。

 青空は出ていたが、雲が多く、しかも流れが早かった。

 遠くの山や草原に落とした雲の影が、かなり早い速度で移動していた。上空は風が強いらしい。

 草原に落とす雲の影を撮ろうと待った。影と光がまだらになることを願った。「絵になるかな」という期待があった。

 「行雲流水」という禅語を思い出した。「行く雲や流れる水のように、深くこだわらず、淀みなく対処すること」を言うらしい。 

 ところが私は、「深くこだわらず」どころか、雲の動きにこだわった。

 竜頭の滝付近の駐車場は満車だったので、滝や流れに映える紅葉を撮ることはできなかった。

 だから、ここで気に入った一枚を撮りたかった。人生のことや恋愛などとは重さの違いはあるが、これもまた「こだわり」には違いあるまい。

 展望台に三脚を立てて撮っていた。先を急ぐ気持ちがあった。その気持ちの焦りに手元が追いつかず、レンズフードを落としてしまった。

「どうしようか?」

 降りて行けないこともなかった。しかし、「湿地には入らないで下さい」との立て札が立ててあった。諦めることにした。

 「行雲流水」で生きたいが、凡人はそんなわけにはいかない。諦めが悪いのだ。

 特に人との関わりでは、「行雲流水」とはいかない。

 むしろ人とのかかわりにこそ「行雲流水」で対処すべきなのだろうが。

    胸中をよぎるものあり秋の雲   ひよどり 一平

 

コメント (2)
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