新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

強風に思ったこと

2010年01月16日 05時46分36秒 | 写真俳句・エッセー

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あかぎれや黄泉行く母の右踵 

 先日、かなりの強風が吹いた。

 各地に被害が出たようだ。

 あのような場面に遭遇すると、私には決まって思うことがある。

 孫のことだ。

 寒いだろうな。手が冷たいだろうな。風邪を引かなければいいな。

 どうにもならないクセに、心配をする。われながら、呆れたものだと思っている。

 そのときに浮かんだ俳句が、次のようなものだった。

     転びつつ父の背を追ふ冬帽子   鵯 一平

 ここで言う父とは、わが息子のことだ。

 その息子の話によれば、保育園へ行く際、むしろ追うのは息子らしい。

 ありがたいことに、そこまで成長してくれた。いや違う。世間の方々のお力をお借りできたからこそ、ここまで大きくなれたのだ。

 句を修正すべきかもしれない。次のようにしたい。

  転ぶなよ父の背を追ふ冬帽子   鵯 一平

 強風の日、亡き母を思うこともあった。

 亡くなって50年以上の過ぎているのに、今になっても思い出すのだ。申し訳ないのだが、父親については思い出さない。

 戦後の食糧窮乏時代に、両親の苦労は大変なものだった。

 栄養のバランスの問題からか、冬の母は、よくアカギレに苦労していた。

 病気ならもつき合うはずの私なのに、シモヤケやアカギレに罹ったことはなかった。

 体質のせいだったのだろう。

   あかぎれや黄泉行く母の右踵   鵯 一平

 右足だったか左足だったか憶えていない。両足だったかもしれない。

 今の時代、アカギレの話は聞かない。

 別館として、写真俳句ブログの「いのちの囁き」を開いてます。

 ご覧いただけると嬉しいです。

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コメント (16)
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