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アルゼンチン発のアコギ音楽その2

2014-08-01 14:32:10 | 音盤ノート
Quique Sinesi "Danza Sin Fin" Epsa, 1998.

  ワールドミュージック。ただし、どちらかと言えばフォルクローレの影響を少々感じさせる「クラシック」系のギターである。前回紹介したキケ・シネシの1998年のソロ作で、Ahoraというレーベルから日本盤も発売されている。日本盤といっても、輸入盤に日本語解説と帯を付しただけのものだけれども。

  12曲収録で、ほとんどが7弦ギター一本による演奏だが、いくつかの曲でゲストを迎えている。4曲目は別のギタリストとのデュオ。2曲目と12曲目はカルロス・アギーレによるピアノとのデュオ。7曲目はベースとバンドネオンとのトリオ。これら共演曲はいずれも美しく、出来が良い。独演曲では超絶技巧を披露して飽きさせないのだが、曲によっては叙情感がやや薄れる。が、全体的には一本調子にならず、静かながら50分強を一気に聴かせる。

  たいていのアコギ演奏は清涼感と孤独感を感じさせるものだが、シネシの演奏は孤独感低めで清涼感高めなのが特徴。情感を湛えているのに、聴いていても寂しくならないのが面白い。
コメント
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