「オール讀物」最新号(2006/3)は第134回・直木賞作品決定特集で、恒例の選考委員の選評が掲載されていますが、読み比べが面白かったです。委員は、阿刀田高、五木寛之、井上ひさし、北方謙三、津本陽、林真理子、平岩弓枝、宮城谷昌光、渡辺淳一の9氏。
晴れの受賞作「容疑者Xの献身」(東野圭吾)は1名を除いてほぼ絶賛・祝福ムードでした。その他では、「死神の精度」(伊坂幸太郎)、「夜市」(恒川光太郎)の評価が高かったようです。宮城谷氏の主に「夜市」に対する”合理と不合理”の話は、長々と自説を述べられたものの結局何のこっちゃ分からずで笑ってしまいした。
「容疑者Xの献身」には以下のような多少の疑問も呈されたりはしていました。
こんな人間が実在するだろうか?これは愛だろうか?ヒューマニズムにもとるところはないだろうか?などいくつかの疑問の余地を含んでいるが(阿刀田)
犯行を偽装するために・・・の描き方と、男たちを惹きつける何かを持った靖子という女のオーラが伝わってこない(五木)
たとえ小説でも許されない、非道徳的なことがあると思うが(林)
彼のトリックは、彼のこの非人間性の上に成立する。・・・愛もへったくれもないではないか(井上)
これらの疑問は私も少なからず感じましたね。ですが各氏は、いずれも”・・・しかし、”といった形でこの作品の良さを掲げておられました。これについても納得。
そんな中で渡辺氏だけは東野作品の受賞に反対だった模様です。
”受賞作の「容疑者Xの献身」について、わたしは不満である。・・・しかし問題は人物造形で、最後の謎解きにいたるにつれて、主人公の石神がいかにもつくりものじみて、リアリティに欠ける”そして、ここから、推理小説と直木賞の関係の論述が始まり、”・・・近年、推理小説の直木賞へのバリアが低くなりつつあることの、一つの証左といえなくもない”で締めくくられていました。
私も小説を読むときは、どれだけ人物がしっかり書けているかを最重要視するので、渡辺氏の前半の意見を全否定するわけではありませんが、それを補ってあまりある魅力が東野作品にはあったと思います。
なお、「文学賞メッタ斬り」という本で、各種の文学賞やその選考委員について爆弾発言も含めて色々語られていますが、それと合わせて読むのも一興かと思われます。
だって~自分の地位を脅かしそうな作家さんには全部
リアリティというバカの1つオボエを言うんだもん。
遠慮してないでさっさと御昇天なさればよいのに~(過激)
林まりババも...以下自粛...
ハッハッハ~!過激~!
「文学賞メッタ斬り」でも渡辺淳一はボロクソでした。
下半身担当とか・・・。
今回の林真理子はまあ普通やったかな。
問題発言があったのは横山秀夫のときでしたっけ?
・・・以下、自粛 too・・・