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民都大阪の建築力

2011-08-30 22:38:01 | アート・文化

Rekihaku1

大阪歴史博物館開館10周年記念特別展である「民都大阪の建築力」に行ってきました(~9/25)。

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近代の大阪では、民間の手による事務所や百貨店などで、時代の先端を行くデザインの建築が数多くつくられました。また、大阪市中央公会堂や大阪城天守閣などの公共建築でも、設計競技や市民の寄付により、優れた構造・意匠と豊かな細部装飾を持つものが生まれました。これらの建築は、いまも大阪のシンボルとして親しまれています。

本展覧会では、大阪の近代建築の魅力を、建築家の図面に表現された「描く力」、建築細部を魅力的なものとする「装飾の力」、そして建築を愛するオーナーや美術家らによる「伝える力」の三つの視点から紹介します。図面やスケッチ、細部装飾など約250点の展示品を通して、近代建築の魅力とそこに込められた人びとの思いを感じとり、今後の大阪の建築やまちづくりを考える一助にしていただければ幸いです。

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素晴らしい企画展です。
かなり以前に解体されてしまった小学校建築などを除いて、外観未見の建物は殆ど無かったのですが、まずは一人で約1時間ぐるっと観賞し、次に学芸員の方の解説を聞きながら1時間、更に会場で上映されていた3本のビデオ(DVD)観賞で1時間と、結局3時間もおりました。

特に印象に残ったものは、

  ・安井武雄の大阪倶楽部のスケッチ
  ・アサヒビール吹田工場の古いドイツ・ゲルマニア社作成の図面と
   日本の図面に記されていた建築師・妻木頼黄の名前
  ・通天閣の図面

  ・旧鴻池本店のステンドグラス
  ・フェスティバルホールの孔雀のレリーフ
  ・旧そごう大阪店のエレベータ漆螺鈿装飾扉
    ----これらは、想像以上に大きくて本物の迫力あり。
  ・今はなき旧ダイビル本館のテラコッタ
  ・旧阪急百貨店うめだ本店大食堂のステンドグラスの丸窓
  ・カフェ・プランタン心斎橋店の籐の椅子やパーティション
    ----ここは閉店直前に一度だけ入ったことがあり、村野藤吾
      らしいデザインと素材が懐かしかったです。

などなど。
装飾類は本来の場所にないものが殆どとはいえ、現物を目の前で見るのと写真で見るのは全然違います。

そして、大阪市公会堂設計競技(コンペ)応募者の透視図・断面図。
これまでにも1~2回、全図面を見ていますが、久々の再会です。
透視図についての感想は以前とほぼ変わらずでした。

  第1席:岡田信一郎  迫力と美しさが見事に同居
  第2席:長野宇平治  まるで絵画のような芸術的な透視図
  第3席:矢橋賢吉    双塔の迫力がもの凄く、強烈な印象

その他では、
  武田五一    中央に塔屋を抱いた美しい建築、図面も精緻
  大江新太郎  パリのオペラ座(ガルニエ)的
  古宇田實    細かな装飾の書き込みが凄い
  片岡安     手慣れた感じ、堅実
  伊東忠太    意外におとなしい(笑)

自分ならどれを選ぶか考えたり、個性などを比較するのが実に面白いです。私なら武田五一案を第2席に押し込むかな? 

生駒ビルの照明器具や芝川ビルの階段装飾なども味わいがありますし、現役近代建築のオーナーさんの写真付き紹介が良かったです。素晴らしい建物もそれを理解し、誇りを持ち、愛着を感じているオーナーさんがいないと、建て替えられたり、やがて朽ち果てたりしてしまいますから。

学芸員の方の解説ではi-padを使って展示品以外の参考写真などを見せて頂きました。このような解説スタイルは斬新で良かったです。また、レジメなどにも書かれていない裏話なども実に興味深かったです。ちらっと見せてもらった集英小学校の屋内プールの写真などは、改めてまた見たいと思いました。

見応えたっぷりの特別展、ぜひ大阪歴史博物館へ足をお運びください。

◎参考ブログ

    yumeさんの”- yume_cafe - (京都ひとり歩き)”(2011-9-5追加)
    W田さんの”ステンドグラス戸夢窓屋(トムソーヤ)”(2011-9-16追加)


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