ひろの東本西走!?

読書、音楽、映画、建築、まち歩き、ランニング、山歩き、サッカー、グルメ? など好きなことがいっぱい!

ドラマ「白夜行」完結

2006-03-28 23:00:00 | テレビ番組

Byakuyakou11 書き込みが遅くなってしまいましたが、ドラマ「白夜行」が遂に完結。

非常に重いテーマ、早い放送時間帯ということもあってか、スタート前の注目度から考えると視聴率的には苦戦が続いたようですね。ですが、なかなか迫力のある骨太のドラマだったと思います。原作を読んだ人には不評だったようですが、私は1つの解釈編として見ていたので(&原作の細部はすっかり忘却の彼方だったので)さほど抵抗感なく、毎回結構のめり込んで見ていました。

あの原作を”純愛”に置き換えたのにはちょっとビックリしましたし、単純に”感動した!”とも言えませんが、幼い頃に受けた不幸ゆえ、2人が結果的に悪事を重ねることになりながらも精一杯生きようとした姿には心うたれた面もあります。完結して思ったのは、凄いドラマだったなということと、やはり東野圭吾の原作がそれを上回る凄さだったということです。

演技を振り返ると、

山田孝之(桐原亮司)。最初の頃はうーんどうかな?と思っていましたが、次第に良くなっていき、ときには凄みさえ感じました。「なあ、雪穂・・・」のセリフが耳に残っています。綾瀬はるか(唐沢雪穂)。原作では素顔が全く分からないので非常に難しい役どころでした。綾瀬さんは悪ぶっても、どうしても悪女には思えなかったですね。泉澤祐希(幼少時代の亮司)と福田麻由子(幼少時代の雪穂)の子役二人は文句無し。

私が俳優で最も素晴らしいと思ったのは、武田鉄矢(笹垣潤三)、渡部篤郎(松浦勇)のお二人。当初、武田鉄矢の関西弁には注文をつけたのですが、途中からそんなことは関係なし。抜群の存在感で見事に笹垣を演じきりました。彼が大阪に舞い戻ってこなければ、亮司と雪穂はあのような生き方をせずにすんだかもしれないのですが・・・。渡部篤郎は正にハマリ役。キレた感じが恐かったです。二人は名演でしょう。

亮司と雪穂を執念深く追いかけた笹垣が唯一の理解者だったというのは泣かせますね。「一人の人間幸せにするために、お前は精一杯やった。俺がちゃんとお前の子供に言うたる。・・・あの日、おまえを捕まえてやれんで、ほんま、すまんかったのう。」という笹垣の言葉には重みがありました。それに感謝しながらも死を選ばざるをえなかった亮司の姿にはつらいものが。「オレ、そのことだけは誰にも言わなかったじゃん」という松浦の最後の慟哭も心に残っています。

麻生祐未(桐原弥生子)は夫と”息子”を失ってしまい、酒におぼれるしかなかった悲惨さを演技と表情でよく表現していました。八千草 薫(唐沢礼子)、さすが貫禄の演技でした。病院のベッドで二人に告げた言葉が鮮烈。余貴美子(谷口真文)が出てくるシーンは唯一ほんわかしたムードがあって、救われた感じがしました。彼女は二人の素直な面の理解者でしたね。柏原崇(篠塚一成)も予想以上に存在感とムードがあって素晴らしかったです。 

奥貫薫(西口奈美江)、大塚ちひろ(川島江利子)、西田尚美(栗原典子)は登場シーンはそれほど多くなかったのですが、印象的でドラマに深みを与えていました。 西田尚美さんは朝日新聞のインタビューで”幸薄い役が多い”と書かれていましたが、確かにそのような印象があります。素顔は明るい女優さんらしいですけれど。

粗を探せば幾らでも出てきますし、このように描いて欲しかった、描くべきだったのではという点も多数ありますが、あの映像化が難しい原作を何とかこのグレードにまで持ってきたスタッフの力量を私は評価します。

<参考ブログ> ※私と感想は異なりますが・・・

そらさんのブログ:日だまりで読書

juraさんのブログ:jura'file+++movie


最新の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ひろ009さま (jura)
2006-03-29 17:10:48
ひろ009さま
ご無沙汰しています。TB&ご紹介ありがとうございます。
ホントに、出演者それぞれを見ると、その印象的な演技に慄きます。特に渡部さん、麻生さん、余さんは、最終的には、引き込まれました。武田さんは凄すぎて怖かったです(苦笑)
「なあ、雪穂・・・」・・・確かに耳に残っています!
返信する
☆juraさんへ (ひろ009)
2006-03-29 23:25:34
☆juraさんへ

こんばんは。ご無沙汰しております。
コメントありがとうございました。
渡部さん、麻生さん、余さん、みんな良かったですね。彼ら&彼女たちの熱演で迫力&深みのあるドラマになったと思います。

雪穂と亮司が重ねた罪は決して許されることのないものなのですが、多少なりとも同情してしまうのは”純愛”の描き方がなかなかうまかったからかもしれません。でも、雪穂が特に世話になった育ての母を裏切ったのは許せん!

juraさんは最後まで「小早川伸木」にはなじめなかったようですね(^_^)。我が家では夫婦そろって結構面白がって見てましたよ。
返信する
ひろ009様 (jura)
2006-03-30 11:51:56
ひろ009様
そうでしたね。育ての母への行為は許せませんでしたね!そして、ひろ009さん、おっしゃってますが、あのベットの上で二人に放った言葉はすごかったですね。鳥肌立ちました。
「小早川・・・」無理でした(苦笑)でも、最後まで見ました(苦笑)・・・私の精神年齢がお子ちゃまだということかもしれません(汗)
返信する
☆juraさんへ (ひろ009)
2006-03-30 22:24:42
☆juraさんへ

「小早川・・・」では、作田カナ(紺野まひる)はもっと悪女かなと思っていたのですが、私にとってはそうでもなかったです。 私は妙子(片瀬那奈)についていけなかった。伸木と同じか・・・。でも伸木はフラフラしすぎ&隙が多すぎでした。一番可哀想だったのは仁志恭介クン(藤木直人)。沼津センセイ(大泉洋)は儲け役だったかな?

妙子と伸木は離婚してからうまくいったというのが面白かったです。まあ、そういうこともあるかな。妙子が自立したしね。






返信する
ひろ009さま (jura)
2006-03-30 23:24:29
ひろ009さま
エントリと違うけどすみません(汗)
作田かなさん。悪い人では無いのだと思います。ただ、物事へのケリのつけ方が個人的に苦手なだけなんです。彼女のようなケリのつけ方をすると、関係者全員に彼女の存在が強烈に残るでしょう?残りません?もし、自分の大好きな人(それが男でも女でも)が、いつまでも、誰かの事を心に置いて、恋焦がれてたり、心を乱してたりするかと思うと耐えられないです(苦笑)どっちかというと私は妙子の立場の方で、見ちゃったかもしれません。妙子のような人は確かについてけない(苦笑)あれに、親身になって付き合ったらこっちが壊れてしまいますねきっと。だけど、病的に執着するってのは、変にいい子になって中途半端に身を引いたりするよりは、【行きぬけちゃいなよ!で、玉砕されておいで!】って思えて受け入れちゃえます(苦笑)
とは言っても、気持ちなんて揺らぐものですけどね(苦笑)
返信する
☆juraさんへ (ひろ009)
2006-03-31 12:47:17
☆juraさんへ

>物事へのケリのつけ方が個人的に苦手なだけなんです。

これは分かります!
伸木への思いを封印して仁志の求婚に応じたりとかもね。封印は解けてしまうことがあるので、それはアカンで、スパッとあきらめんと・・・とか見ながら言ってました。
伸木にあてた手紙で涙の跡があったのもあざとかったです。ドラマとしては盛り上がりますが。

>気持ちなんて揺らぐものですけどね(苦笑)

ほんとにね(苦笑,too)。

返信する
こちらもTBありがとでした♪ (そら)
2006-04-05 09:56:58
こちらもTBありがとでした♪
とは言っても、もう随分昔のお話のように、うすらぼんやりとしています(^^;)
ひろさんに「異なる感想」って紹介していただいていながら、ひろさんの感想に、うんうんとうなずいていたのでした。何なんだ、私?!(^^;)
返信する
☆そらさんへ (ひろ009)
2006-04-05 12:35:16
☆そらさんへ

お帰りなさい。
私が勝手に「異なる感想」って書いたのですが、再度、そらさんの感想文を読みにいきました(^_^;
やっぱり”共通の感想”と”異なった観点からの感想”があるような気がしました。

まあ、ドラマはドラマで(よくぞ”純愛”をテーマにしたもんだ)、原作の凄さを再認識しましたね。
返信する

コメントを投稿