今月の関西洋風建築めぐり講座は、旧灘中学校(現灘高等学校・灘中学校)と倚松庵(いしょうあん)でした。
旧灘中学校はキュビズム建築的な面も持つユニークな校舎で、内部も素晴らしかったのですが、ブログへの掲載はとりあえず控えることにして、今回は後半に訪れた谷崎潤一郎のかつての住まい「倚松庵(いしょうあん)」の記事をアップしました。
◎参考ブログ:mayumamaさんの「m's diary」
「倚松庵」は昭和4年の築で、平成2年に現在地に移築されました。碑文を見ると、名作「細雪」は人も家もほぼ事実のまま、この家を舞台に生まれたそうです。「細雪」は高校~大学時代に読んだでしょうか、Myベスト小説10には必ずや入れるであろう大好きな作品で、市川崑監督の映画(1983年)も印象に残っています。
和洋折衷の住宅で、「洋」部分では応接室の暖炉やドアにはめられたステンドグラスが見所の1つでしょうが、この日は講演会の準備で応接室と隣接する食堂にはパイプ椅子が並べられており、通常の状態を見ることができず、それがちょっと残念でした。
そういうこともあって、今回は「和」の方に心惹かれました。「和」の要素は主に二階にあり、これについては別記事で書く予定です。
上の写真は、氷を入れる冷蔵庫(氷を作るのではなくて、氷屋さんから買った氷で内部を冷やすもの)と五右衛門風呂です。五右衛門風呂はかつて祖母の家にもあって子供の頃よく入りましたが、浮き蓋となっている底板(私たちは確か”げす板”と読んでいた記憶が・・・)の上に乗ってこれを沈めながら入り、浮き上がってこないように足先の操作で釜の突起部に板の切り欠きを合わせるというテクニックが必要でした(笑)。
木製の上げ下げ窓も良い味わいです。庭を通って西側の裏門から外へ出ると、こんな眺めでした。表とはまた異なった表情ですね。