ひろの東本西走!?

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ティー&グリル 「パイン」-2

2010-08-17 23:27:59 | まち歩き

ティー&グリル 「パイン」の続きです。以前は2階も店舗に使われていたのですが、そちらは今年3月に閉められたそうです。

色々とお話を伺っているうちに、今回、特別に2階も見せて頂けることになりました。果たしてどんな空間が広がっているのでしょう。

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階段の上り口足下にあった”TEA ROOM”の案内板も味わいがあります。以前は2階が喫茶専門だったのでしょうか。そしてドキドキしながら2階へ上がっていくと・・・ほぉーっ。。。こちらにも多数のステンドグラスがありました。現在はお店として使っておられないとはいえ、素晴らしい眺めです。1階は壁面に明るいタイルが用いられ、2階は落ち着いた雰囲気のようです。

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階段部の頭上にあるティファニー調の傘はトンボのデザインが見事です。手すりガラス部の花と鳥はデザイン・色合いともにシンプルで素朴な感じがします。独特の味わいですね。

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なにわ筋に面した窓際の席が素晴らしいですね。外のテント地の日よけもきちんとデザインされていますし、北面は1階のドア横に見られたものと同様で縁取り的なグリーンが色鮮やかです(縁取り部は色ガラスではなかったかも)。パーゴラ越しに見たブドウの木といった感じです。手前の傘の葡萄はグリーンがマスカットor白峰?赤紫は巨峰or甲州でしょうか?そんなことを考えるのも面白いです。

2階も営業中だった頃の写真がBMC喫茶室にアップされています。今回はお店のご厚意で見せて頂くことができましたが、やはり現役のときに来たかったなあ、この空間に身を置き、珈琲を飲みながら雰囲気を存分に味わいたかったなあというのが本音です。

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現在は居室として用いられているお部屋にもこのお店で最大級のステンドグラスがインテリアとして設置されていました。写真では大きさが分かりにくいかもしれませんが、かなりの大作です。鳥のデザインでも鶴(?)は珍しいのではないでしょうか。また、お父さんはとても器用な方のようで、現代風の天井照明(シャンデリア)も手作りと聞いて更にビックリです。

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2階には今は飾られていないものも含めて様々なステンドグラスがありました。初期の頃の作品はハンダ付けの線の太さも均一じゃないんですよと説明を聞き、その頃の作品も見せて頂いてなるほどなあと思いました。お父さんがステンドグラスを製作されているときは家中が材料だらけ、ガラス粉だらけ(?)になって大変だったそうです(^_^)。

かつては2階全体が店舗エリアだったそうで、ステンドグラス以外のインテリアも凝っています。壁面上部から天井につながる大きな曲面、天井部も段差をつけたり曲線を用いたりとレトロ&モダンな雰囲気が濃厚です。私の写真ではそのあたりが分からないので、ぜひBMC喫茶室さんの写真をご覧ください。

また、ステンドグラスではないのですが、壁の作り付けの照明も素晴らしいです。木部の柔らかな質感とカーブ、温かな色合いが抜群。

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結局、食事も含めて1時間半ほどお邪魔したでしょうか。
長時間、丁寧に案内して頂きまして本当にありがとうございました。私の拙い写真で素晴らしさが少しでも伝われば良いのですが。

パインは開業して約50年だそうです。ステンドグラスやインテリアの素晴らしさだけでなく、手間暇をかけるというか、手間を楽しみながらそのお店を作り上げていく楽しみなども感じました。パインはそこにかなり”手作り”があるのが尚、素晴らしいですね。最近のお店はプレハブ的というか、そのあたりの手順を省略したりして手早く小ぎれいな空間を作るものが多いような気がします。私が喫茶店を探すときに純喫茶やレトロな喫茶を好むのは、単に歴史を重ねたものが好きといった以外に、そういったことも関係しているのかもしれません。

パインのある一帯は都市開発/再開発が進んでおり、かつては阪大病院や大きな会社のオフィスが多数あったそうですが、これらが移転した後は空地や駐車場のままになっている所も多く、なかなか商売的には厳しいのかもしれません。

会社が京都にあるため土日が休みだとなかなか行けないのですが、皆さんもぜひパインへどうぞ!定食もオススメです。