沖縄 8 Scene

沖縄で生まれ沖縄に生きる
      8郎家の日記

残暑の読書

2024年08月26日 | 読書

 生まれて初めての買い物をアマゾンでしました。(しおり)です。イタリア製の革製品とのことです。3枚で税込1,180円。家族3人分です。

 もちろん読書に使うためです。8郎は診断士1次試験が終わったので、少しだけでも読書をしたかったのです。活字といえば試験勉強のテキストと新聞という硬い文章ばかりの6年間。人生から創造性、彩りが消えていました(笑)。自分のためだけでなく、夏休みを野球とスマホだけで乗り切ってやろうと企む愛息10郎(笑)に、人生を変えるほどの一冊に出会ってもらうアイテムとしての願いも込めました。ということでカテゴリーは数年ぶりの「読書」となります。

 本題は後ほどとして、まずは最近の日常風景ショットを。

 ハイビスカスが映える青空が続いています。今年はまだ台風が沖縄本島に上陸していません。来ないに越したことはないのですが、海水温を下げてくれないと、のちのち去年の忌々しい6号のようなドでかいやつを育てる可能性があるので心配です。

 8月22日は二十四節季のひとつ「処暑」でした。処暑とは、暑さが落ち着き「残暑」が始まるという意味のようです。確かに7月の突き抜けるような暑さは過ぎた感があります。とは言え、11月まで半そでで過ごせるここ沖縄は、残暑はあと3カ月続くということになりそうです。

 下写真は沖縄市胡屋のミュージックタウン音市場。旧盆エイサーのちびっ子チョンダラーのパネルが張られていました。旧盆もあっという間に過ぎました。週末は10郎の野球の練習が組まれたため、妻の実家に帰省もできずじまい。自宅マンションでのウチカビ燃やしも忘れてしまいました。10郎に最低限の沖縄の文化風習を教えたいと思っているのですが、やろうと思ったときにやらないと、時は待ってはくれませんね。と反省。

 旧盆関係で言えば、うれしいことがありました。2008年に亡くなったN高時代のいちどぅしヤスーンを偲ぶヤスーン会の旧盆飲み会が、ポン先生の呼びかけによって行われたのです。8郎以外が呼びかける旧盆飲み会は記憶をたどる限り初めてです(言い出しっぺの8郎は12年間務めた幹事を十三回忌を持って卒業していました)。残念ながら今回8郎は事情があって(会社行事+ぎっくり腰!)、参加できなかったのですが、みんなが集まったことで、グソー(方言であの世)のヤスーンも喜んでいたことでしょう(新メンバーなーぶーも参加したようです)。これからも誰かが呼びかけ、ヤスーンを偲んで杯を交わせればと思います。

 

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 ナカユクイ(方言で休憩の意)でおいしゅうございましたシリーズです。

 沖縄市の泡瀬方面にある横浜家系ラーメン『刀(かたな)さんにお邪魔しました。しょう油ラーメンのチャーハンセット(1,250円)を注文。ご覧ください、黄色が9割を占める炭水化物BIG3祭りやぁ。

 もっちり太麺とコクのあるスープ、おいしゅうございました。甘みの強い醤油とんこつ味でした。つくづくラーメンは寒い時期が合うと実感したものです(だったら残暑に入るな)。冬に食べたら味も数段レベルアップしていたかと思います。漬物や調味料などがいろいろ置かれており、味変も可能。おすすめのお店です。でもチャーハンがちょっとバター感が強めだったなぁ。おかげで午後の業務は胃もたれ全開でした。当面ラーメンには手を出しません!(手を出さずに足を延ばすやつ。いるいる)。

 ちなみに横浜家系だとか二郎系だとか「ラーメン界の系統」について51歳おじさんにはよく分からなかったので、ネットで調べてみました。見つけたまとめサイトを同じく分からないというアラフィフ世代の方々向けにリンクしておきますね。

系統別/SERIE F〜ラーメン編〜

 ちなみに我が家で人気の八郎系ラーメンといえばインスタント系「うまかっちゃん」で決まりです。生卵とレタスをトッピングするだけで完成。10郎は毎回「やっぱりうまいわ」と絶賛してくれます。

 

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 さて本題です。久しぶり、いや数年ぶりになるでしょう、読書ネタです。ご興味のない方はページアウト願います。アマゾンで購入したのは、世界的心理学者アドラーの思想を紹介する自己啓発系書物として全世界で1千万部を超えるロングセラー『嫌われる勇気』(岸見一郎、古賀史健著)と、小説紹介Youtuberけんごさんのイチオシ『アルジャーノンに花束を』(ダニエル・キイス著)の2冊です。

 『嫌われる勇気』は世界的心理学者アドラーの思想を、日本の学者らが「哲人」と「青年」による対話形式で分かりやすく紹介した内容となっています。結果から言うと、8郎の人生観とかなり重なっている部分があり深く共感を受けた部分8割と、ちょっと理想郷すぎる展開に納得がいかない部分2割という感じでした。

 51歳のおじさんに深く響いた言葉を紹介させていただくと、

 

あなたが変われないでいるのは、あなた自身が「変わらない」という決心をしているからなのです

人は自分に価値があると思えたときにだけ勇気を持てる

困難に見舞われたときこそ、前を見て「これから何ができるか」を考えるべきなのだ

世界とは誰かが変えてくれるものではなく、ただ「わたし」によってしか変わりえない

大事なのは他人との競争に勝つことではなく、今の自分より前に進もうとすることにこそ価値がある

人間にとって最大の不幸は自分を好きになれないこと

人生における最大の嘘、それは「今を生きない」こと

 

 などになります。これらの言葉はもちろん心にズシンと響きました。また「叱っても褒めてもいけない」という新鮮な理論は子育てに関しても深く考えさせられるいい機会になりました。 

 ただしあまりに「過去を断ち切る」思想には完全同意できない自分もいます。例えば親の虐待によって苦しむ子供にむかって「あなたが苦しんでいる理由を親のせいにしてはいけない。過去を断ち切って自分で未来をつくらなければなりません」とまではなかなか言えないですね。もちろん、その部分こそが先輩心理学者フロイトなどの「原因論」と対極に立つアドラー心理学の特徴であり核心だとは理解したのですが。。。

 アドラー心理学の結論としてはタイトル通り「嫌われる勇気をもって今の自分を生きよ」というものになりそうです。全く同感です。人の目を気にするのは生きる本能として仕方ないことなのですが(特に同調意識を強制するこの国では)、大事な局面においても人の目を意識していたら、いい決断を下せるはずがありません。後悔のないよう自分の信念で選択すべきです。例え失敗してもそれは反省であって後悔ではないのですから。「後悔は先に立たない」ことと知っててやることほど人生の選択ミスはないでしょう。

 8郎同様に50歳を超えサラリーマン人生の終着点を見据えつつも迷い悩んでいる方をはじめ、人間関係に生きづらさを感じている方、子育てがうまくいかないと感じている方、さらに最近本を読んでいないという方にもおすすめです(とても読みやすいので)。

※アドラーの格言とは別に、文中に出てくる逸話に非常に共感できたものがあったので、それにも触れさせてください。紀元前4世紀に活躍したマケドニアのアレクサンドロス大王が登場する「ゴルディオスの結び目」という逸話です。古代ペルシアの神殿に、柱と戦車を固く結んだ大縄「ゴルディオスの結び目」があり、「この結び目を解いたものがアジアの王になる」という伝説があったそうです。腕に覚えのある強者たちが挑んだものの誰も解けなかったそうです。遠征でその神殿に立ち寄った勇者アレクサンドロスは、縄の前に立つなり、自らの短剣で一刀両断に断ち切ったのです。ほどいて解くつもりなど全くなかったアレクサンドロスは「運命とは伝説(過去)によってもたらされるものではなく、自らの剣(今の自分)によって切り開くものだ」と語ったそうです。解くことにこだわらず切ればいい、つまり過去にとらわれず現在最適だと考えられる判断をするべきだと。その後、勇者アレクサンドロスは中央から西アジア全域まで支配する大王となりました。という2500年も前のほぼ作り話だと思いますが、歴史が伝えたいことは感じ取りました。エリア51の8郎もそう生きたいと思っています(大王になりたいわけではありません)。うちの会社がどんどん閉塞的状況になっているのは、それが出来ない(やる勇気がない)からだと思っています。過去を美化だけしたまま退職金をもらって逃げ切りたい昭和バブル世代と(その考えを責めているわけではありません。時代のせいです)、この期に及んで彼らのケツの穴をなめて(もはや市場に受け入れられていない仕事を何も考えずに日々継続)、来春の自分の人事だけに期待する40,50代が多すぎるのです。「それがサラリーマンの処世術だ」という昭和バブルの考えを令和になっても断ち切れていないのです。「こんなことに注力しても何の意味もないどころかマイナスだ」と考えきれずに、昭和バブリーズと同じ業務をすることで、先輩たちと同様にその先に未来があるとまだ信じているのです。若い人がどんどん辞めていくのは事業を見限ったからではなく、スムーズに歩けないほど昭和バブルの残滓が至る所に散らばっているからでしょう。

 話が脱線する前に『嫌われる勇気』の書評については終わらせていただきます(笑)。『アルジャーノンに花束を』はまだ1㌻もめくってないので、感想はまた後日ということで(間違って中古を購入していました。文章の上に思い切り線が引かれています。泣)。あらすじだけネットで引用させていただくと、

 32歳で幼児の知能しかないパン屋の店員チャーリイは、ある日ネズミのアルジャーノンと同じ画期的な脳外科手術を受ければ頭がよくなると告げられる。手術を受けたチャーリイは超天才に変貌していくが……人生のさまざまな問題と喜怒哀楽を繊細に描き、全世界が涙した現代の聖書!

 だそうです。今から楽しみです。

 ところで、読書の際はYoutubeのBGMチャンネルにお世話になっています。PCの両脇にある数年前に買ったJBLのミニスピーカーPebblesがいい音を出し、机上の空間を極上のジャズバーに変えてくれるんです。コーヒーやビールをお供に読書の世界を堪能しています。

 ご参考までに8郎がよく聞くBGMサイトも転載しておきますね。

Smooth Sleep Jazz Seaside Music - Romantic Saxophone Jazz & Ethereal Piano Jazz Instrumental Music

 ジャズバーとかっこよく書きましたが、隣の和室からはブンッ、ブンッという10郎の素振りの重低音が入ってきます(笑)。来月は新代表デビュー戦が控えていますので。 

 そんな夏休み後半戦の愛息10郎にも〝夏の1冊〟をプレゼントしました(実際は2冊)。と言っても、令和の中学生の嗜好など分からない51歳なので、思い切り世間様の評価を頼ることにしました。今年度「本屋大賞受賞」ほか14冠という驚異のベストセラー『成瀬は天下を取りに行く』(宮島美奈著)です! 続編の成瀬は信じた道を行く』も付けました。10郎と同じく中学生が主人公というのも選んだ理由の一つです。人生を変えるほどの1冊になるかは疑問ですが、何といっても全国の本屋の店員さんが選ぶ「本屋大賞」受賞作です。面白くないわけがありません! 息子の読書への入口となってくれれば幸いです。

 ストーリーについてはネットから引用させていただくと、、、

 「2024年本屋大賞」を受賞した青春小説。「滋賀愛」たっぷりに突飛な発言ばかりする主人公・成瀬と、それに振り回される幼なじみの島崎。しかし成瀬の行動は、周りの人々の気持ちを確かに変えていく―。

 だそうです。それにしも帯のキャッチコピーのうまいこと。「かつてなく最高の主人公、現る!」。そりゃ、手にとってしまいますね。

 購入後2週間まったく本に触れなかった10郎ですが、相変わらずのスマホ生活を続けるので、「いったんスマホは置け。勉強する気持ちになれないなら、前に渡した本を読んでごらん」と諭すと、しぶしぶ本を手に取りました(そこまで勉強が嫌か!笑)。なぜかぬいぐるみのくまのぷーさん親子をそばに置いて。気持ちが落ち着くのでしょうか。まだまだかわいいもんです。

 本を開いてからと言うもの、10郎はページをめくるたびに爆笑の連続!(そんなに面白いストーリーだったのか!)。 勉強部屋の父のもとに「成瀬がさぁ~お父さんとそっくりのジェイソン・ステイサムと同じ髪型にしたってよ」「成瀬がさぁ~さらにお父さんと同じスキンヘッドにしたってよ」「成瀬、最高じゃん。俺も友達になりたい」などとわざわざ報告しにくる始末。効果てき面ではないですか! 愛息を読書の世界に誘ってくれて、ありがとう、成瀬さん!(息子の発言を訂正させていただきますと父8郎はまだスキンヘッドではありません)。

 ということで、親子で残暑の読書を満喫しようと思います(8郎はこの2冊を読んだら勉強に戻る予定ですが)。

 8月もあと1週間となりました。時が過ぎるのは速いなぁ。退勤時の西空も残暑の夕焼けになっていました。

 「奇跡を信じて2次勉強をしなければならない残暑だろ?」という自制心から嫌われる勇気を得て(得るな)、早く名作『アルジャーノンに花束を』に移りたいので、今日はこれにて。

 

【後記】ブックスタンドをアマゾンで購入しました。Woodmateというメーカーで2,380円です。6段階調整ができます。これで束の間の読書タイムを満喫したいと思います。


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