沖縄 8 Scene

沖縄で生まれ沖縄に生きる
      8郎家の日記

杞憂の年度末

2024年03月30日 | 読書

 2023年度もそろそろ終わります。

 冒頭に、前回の記事で書いた〝不安〟が杞憂に終わったことをご報告します。

 今年6回目の挑戦となる診断士1次試験の会場について、実施団体が「那覇含む全国10カ所」と発表しました! 沖縄切り捨てはなかったのです。よかったぁ~。試験直前の無駄な移動時間と旅費負担の懸念がなくなりました。でも、なぜ日程と一緒に発表しない!? ま、とにもかくにもよかったです。お騒がせしました。

 

 さて、今回は上記のご報告以外大したネタもないので、カテゴリーは久しぶり(数年ぶり?)に「読書」といたします。まだ読んでいないので書評は後日になるのですが、紹介だけさせてください。診断士試験に受かるまではテキスト以外はなるべく読まないと決めているのですが、勢いで買っちゃいました。人気Yotutuberでありホラー作家という雨穴(うけつ)さん原作の『変な家』です。最新の2まで買いました。

 雨穴さんは3年?前くらいからバズりはじめたようですね。流行に鈍感なアナログおじさんは最近知りました(Youtubeは観ましたが面白かったです)。。間取り図を起点に始まるミステリーという構成です。映画化もされているようで、それも見たい! 勉強の合間を見つけて読んでいきたいと考えていたら、春休み中の10郎が先に手に取り、しおりまで挟んでいるので、今8郎は手を付けられません(笑)。しばらく読めないかも!

 

 先日、痰(たん)と一緒にこのような金属がのどから出てきました。ホッチキスの針のような感じで太さは倍くらい、全体サイズはちょっと小さめ。

 こんなものを飲み込んだ記憶はないのと、たんと一緒に出てきたことを考えると、おそらく昨年10月のアレルギー性鼻炎手術のさいにガーゼなどを止めていたものではないかと想像します。そうでなければ全く思い当たる節がありません。手術ミスでなければいいのですが。。。

 

 お次はおいしゅうございましたシリーズです。沖縄市の喫茶店「LOOP」さんです。業務でドタキャンが発生し、時間つぶしのために初入店。駐車場が完備されていたからです。ランチのハヤシライスを頼みました。ご覧のようにニンジンシリシリ―クリームなどがトッピングされており、不思議なお味でした。

 おいしゅうございましたが、昭和のメタボおやじにはお上品すぎましたね。雰囲気的にも近隣のマダムたちの井戸端会議的な空間のようにも見えました。ネクタイ締めた50のおじさんが一人で入る店ではなかったかもですね~。浮いてたかもしれません。

 

 最後は、これまた久しぶりの〝10郎画伯〟シリーズです。画伯の作品はこれまでは5割増し増しの自画像ばっかりだったのですが、今回は初めて女性でした。アニメのキャラクターかな。胸の谷間をきっりち描いているところに息子が思春期に入ったことを感じましたね(笑)。

 あえて肌を褐色に塗っているところを見ると、ん、もしかして近場にいる日焼けした体育会系の女子なのかな?と思ったりもしました。まさか、新しい彼女? 父8郎は「彼女は高校になってからでいい」と常に言っているのですが。。。

 それはともかく、画伯の次回作が楽しみです。

 

 さぁ、新しい年度が始まります。自分で設定した目標を見据え、1日1日頑張っていきましょう。不安要素はすべて杞憂に終わった、と振り返るために。今日はこれにて。


灯下の読書

2022年02月23日 | 読書

 久々に、数日内の更新です。

 キャンプ用グッズを2つ、アマゾンで購入したので自慢がてら報告させてください(笑)。って、そんな高いものでもないですが。

 1つ目はランタンです。いろいろ迷った挙句、Youtubeで見つけたやつに一目ぼれ、妻と相談の上、アマゾンで即買いしました。M.O.L社製の充電式レザーLEDランタンMOL-L410です。4,980円+送料500円でした。レザー風の取っ手、ランプシェード、逆立ちした電球、竹製のボディーなど、デザインがおしゃれ~。

 LEDなのでもちろん熱も出ません。明るさは無段階に調整でき、最大は400lmと十分な光量。電源はUSBからの充電式。5000mAhの充電容量なので緊急時はスマホに還元することも可能です。8郎家の数少ない工芸品インテリアであるやちむん(沖縄焼物)のカラカラ(酒器)とのコンビネーションも映えます(下写真)。普段は家使いしようと思います。

 あと、光源も白熱灯(暖色)だけでなく蛍光灯(白色)まで自在に変えることができる優れものです。買ってよかったやつですね。

 

 2つ目はキャプテンスタッグ製マットです。1,845円。幅56㌢×縦182㌢。発泡ポリエチレン製で非常に軽く、折りたたんで収納できます。厚さ2㌢の凹凸がすぐれたクッション性と保温性を実現するようです。

 どういう風に使うかというと、愛用しているコールマン製のマットの下敷きです。これで寝床もふかふか。いつか実現したい〝ぼっち車中泊〟で活用できそう!

 キャンプグッズが増えるって地味~に楽しいことですね。

 

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 久しぶりに本を2冊、これまたアマゾンで買いました。先日の映画の原作『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(2009年、岩崎夏海著)と、まだ読んでいなかった国産ミステリーのレジェンド的傑作『占星術殺人事件』(1981年、島田荘司著)です。ともに読了していないので、書評はいつの日か。。。

 ひさしぶりの読者のお供は名護ビール。そしてPCモニターにはYoutubeチャンネル『TERUさんTV 孤独の車中泊』が流れています。音楽のセンスもいいので見ると言うよりBGM代わりです。このスタイルは休みの日の前日夜限定にしようと思うのですが、48歳おじさんのひそかな楽しみとなりそうです。ちなみに8郎の勉強机の電気はもともと蛍光色でなく暖色です。その方が落ち着くからです。目に悪いかもですが。

 それにしても読書っていいですね。資格勉強で目が疲れるので、読書は控えていたのですが、今回そう再認識しました。活字の世界に入り込んでいくうちに精神的に落ち着いていくのを感じます。YoutubeやTIKTOKで荒んでしまった心(笑)をじんわりと癒してくれます。これホントです。暖色の灯下、もっといろんな本を読んでいこうと思いました。みなさんも、おすすめの本があれば教えてください。

 祝日だった今日は7時間勉強したので、目薬してもう寝ます。本来は10時間以上やらないといけないのですが。。。明日は仕事なので、もう寝ます!

【後記】スマホ三昧の愛息10郎にも読書を習慣づけるようにしようと、とりあえず8郎の幼少時代の愛読書を薦めたところ、妻とTSUTAYAで買ってきたのは、なんと懐かしき『少年探偵団』と『金田一耕助』シリーズではありませんか! 8郎の遺伝子をバリバリ受け継いでいます(笑。さすがに八つ墓村はまだ早いけど!)。レザーLEDランタンでの灯下の読書、父子ともに楽しもうと思います。


腹の脂肪をたべたい

2020年12月27日 | 読書

 意味不明のタイトルですいません。読書好きの方には、つまらないオヤジギャグだとすぐに分かったことでしょう(笑)。

 久々のカテゴリー「読書」です。以下の2冊です。

 まずは8郎が敬愛してやまない巨匠・松本清張の『鬼畜』(1957年刊)です。半世紀以上も前の作品ですが、今に通じる格差社会がもたらす悲劇を清張らしく、感情を込めず淡々と描いています。ファンでありながら、この有名作を読んでいなかった自分をちょっと恥じています。

 主人公である冴えない印刷会社の男性社長が、不倫によってできてしまった3人の子の養育を不倫相手から押し付けられることで悲劇が始まります。事情を知った妻が鬼のように変貌し、「この3人を棄ててきなさい(殺してもいい)」という指令を下すのです。末っ子は、妻が先手を打ち自然死を装って殺すのですが、長女と長男は主人公に課せられた任務となります。捨てられる、殺される直前まで、無邪気な子供たちがあまりにかわいそうです。自分の子をよくも、という感じもしますが、主人公の心に「不倫相手が別の男との間につくった3人で、俺の子ではないのでは?」と疑い始めたところから凶行は加速します。

 毒饅頭で殺そうとして、嫌がる長男の口に「おいしいから。さあ、お食べ」と無理やり突っ込もうして失敗、逆に長男に慰められて涙するシーンは、人間ってなんて哀れな生き物なんだと悲しくなります。もちろん清張はそのくだりすら淡々と描いています。それが逆に、悲しみ、恐ろしさを増長させるのです。映画は見ていませんが、ラストに関しては映画の方がうまくまとめているようです。

 ただただ、3人の子供たちが哀れでなりません。生き残った2人がその後犯罪に手を染めるような大人になってしまったとしても、社会は彼らを本当に責めることができるのでしょうか。そもそも、「鬼畜」である親すらを責めることができるのでしょうか。彼らを棄てた、あるいは殺めた親もそういう悲しい生い立ちを背負っているのではないでしょうか。それを無視して親だけに責任を擦り付ける道徳観がはびこる社会が、民主主義を標榜する資格はありません(もちろん親子間の感情は否定できません。自分を殺そうとした親を許せなんて誰にも言えませんので)。「鬼畜」というタイトルはこの親だけを指しているのではなくて、社会全体に投げかけたメッセージだと考えています。

 今、そういった社会の矛盾に対する怒りのエネルギーから小説を書いている作家ってどれだけいるのかなと思います。もちろんいるのでしょうが、これほど多くの国民に読ませる力量を併せ持った人はまずいないでしょうね。小説は多くの人に読まれなければ、ほとんど意味がありませんので。あらためて松本清張、偉大なり。

 

 お次は一転、心がピュアになる純愛小説『君の膵臓をたべたい』(住野よる著 2016年)です。300万部超のベストセラーであり、映画化もされたので内容を知っている方が多いとは思いますが、当ブログの読者の多くは中年以上だと思うので(笑)、日々の生活に心が荒みつつあるというおじさんたちにあえて読んでほしいと思います。個人的には、韓国映画の傑作『猟奇的な彼女』を見たときのような想定外の爽やかな感動に包まれました。

 膵臓(すいぞう)に難病を患い余命いくばくもない女子高生と、地味な男子高校生が心を通わすラブストーリーです。前半は、何度も文庫本を閉じようと思ったほど〝恋愛ごっこ〟が続くのですが、半分過ぎたあたりからは、「これは傑作かも」という雰囲気が行間ににじみ出てきます(笑)。クライマックスに至っては前半の恋愛ごっこがうそのようにスピーディーな展開を見せ、次々とあきらからになる女子高生の秘めていた思いに、涙が止まりません。もはや作者の用意した展開に身をまかせるしかないのです(笑)。主人公の女子高生は亡くなってしまうのですが、彼女の思いが叶った形でのエンディングは、美しいの一言です。

 自分のことだけしか考えない恋愛が美しいはずがありません。恋した相手を思う自己犠牲があるからこそ、恋愛は永遠に美しくあり続けるのです(今年の流行語大賞に推薦願います。あ、もう終わったか)。それを『君の膵臓がたべたい』という万感の思いを遺言として残した女子高生が教えてくれました。 

 男性主人公の描き方があまりに中性的で(ホテルで二人きりになっても性的行動のかけらもありません)、そこはマイナス要素なのですが、それくらい中性的な男子高校生じゃないと、この世界観は成り立たなかったのかもしれません。

 47歳のおっさんが言うのもなんですが、お・す・す・めです! 

 あと、やっぱり恋愛は若いときにするものだなと、痛感しました(笑) 

 

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 久々のおいしゅうございましたシリーズです。と言ってもいずれも大衆向けの店です。

 COCO壱のロースカツカレーです。そのままでも美味しいのですが、当店自慢の芳醇ソースをかけるとさらにグレードが上がります。ぜひお試しください。間違いなく千㌔㌍を超えているのは分かっていますが、どうしても食べたくなって月に一度は足を運んでしまいますね~。

 お次は我が家の外食の定番「く●寿司」です。妻と10郎を待っている間、瓶ビールと貝3点セットで時間をつぶします。最高のつまみですね。

 でも当店、最近、品質が落ちてきてるな~と感じますね。メニューも減っていますよね。コスパがいいので多くを要求できないのは分かっているのですが。そろそろハチローならぬスシローに〝くら〟替えかなぁ・・・(中途半端にダジャレを交えるな)。

 そんなこんなで、11月からの減食で79㌔台を維持してきた8郎の体重が、またしても80㌔台に浮上! 引っ込みつつあった出っ腹もまた膨らみ始めています。何回繰り返すば~。新年は70㌔台で迎えるぞ~。

 さて、いろいろあった2020年。当ブログの更新は例年通り大晦日でラストの予定です。大したネタはありませんが、モノ好きな方はのぞいてみてください。酔っぱらって更新できなかったらすいません。

 今日はこれにて。


33年前の伏線

2019年11月22日 | 読書

 おまたせしました。不人気カテゴリー「読書」です(笑)。読書の秋ということで、お許しください。

 ご紹介するのは3冊ですが、まずは下の2冊から。

 『海峡に立つ 泥と血のわが人生』(小学館 1760円)です。陰のプロ調停人などを意味するフィクサーとして、戦後最大などと怖れられた許永中(きょ・えいちゅう)氏の自伝です。新聞の書評を読んで面白そうなので買いました。大阪の、いわゆる被差別に生まれた在日韓国人の男がアンダーグラウンドの世界で暴力と謀略でのし上がっていき、政財界のフィクサーとして暗躍、戦後最大の経理不正事件とされる「イトマン事件」などで逮捕、以後転落するまでの過程と内実を描いています。

 政財界、暴力団の裏歴史だけでなく、大阪に根付く被差別、朝鮮人の歴史に触れることができます。被差別は朝鮮人が悪いわけでなく日本の国策がもたらした結果です。沖縄でとは集落的な意味合いで使いますが、8郎も、本土では「」という言葉を使ってはいけない、と父から聞かされた記憶があります。その「差別」という今に続く負の歴史を、当事者の生きざまから多少理解することができました。犯罪の温床には貧困と差別があるのです。

 もちろん、あくまで自叙伝なので自分のいいように書くことができる、という意味で内容が事実とズレている可能性も否めません。そして犯罪は犯罪でしかなく、美化されることではありません。とはいえ、生きるか死ぬかの世界で、なにがあっても負けじ魂と根性、そしてあの手この手を使って図太く生き抜いてきた許氏のエネルギーには、同じ男として脱帽せざるを得ません。許氏は、韓国での服役を希望したことによって日本での永住権を失ったようですが、韓国で今なお健在で、日本のメディアにもよく出ているそうです。

 お次は『最強に面白い! 統計』(ニュートンプレス 858円)です。現在勉強中の中小企業診断士試験をいつか合格した後に、もし時間的に余裕があるなら本格的に学びたいと思っているのが、簿記1級か、IT関連、そしてこの統計学なのです(外国語はAIに一任いたします。しょせん語学ですから。時間をかけてこなくてよかったと心底思っています)。歴史的に卑下されてきたという統計学は、今やビッグデータ活用の時代に必要とされている学問なのだとか。この本はイラストを交えた初心者向けの内容で、保険会社の計算法、世論調査のからくりなどを分かりやすく教えてくれます。そして中小企業診断士試験にも出てくる標準偏差などをとても分かりやすく解説してくれています。出退勤のバスの中でパラパラめくっているだけですが、買ってよかったと思える本です。統計に興味があるというマニアな方はぜひ。

 

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 さて、最後にご紹介するのが、今回のメインである『八つ墓村』(1949年初出。1971年に角川文庫化)です。

 いきなりジャンルが変わってすいません。先の2冊は露払いにすぎません(失礼)ので。作者は日本推理小説の巨匠、故・横溝正史(よこみぞ・せいし)です。

 『八つ墓村』を読んだのは33年も前の中学校1年生のころだと記憶しています。古本屋で購入。鉛筆で80円と書かれていたのを覚えています。もちろんカバーもついていませんでした。上写真は、このほど、妻にツタヤで買ってきてもらった新しい文庫本です。836円と33年前の10倍以上の出費となりました(笑)。

 小雨の音を聞きながら、一人畳み間で寝ころんで読んだ2時間、一気に横溝ワールドへ引き込まれました。体中が熱くなる、うなるくらい面白い、というのを初めて体感しました。一冊の本の世界観にぐいぐいと引き込まれたのは、人生であのときがMAXですね。

 この本のどこが素晴らしいかを語ると、一日かかりそうなので、ざっと挙げさせていただきます。興味のない方はここでページアウトをお願いいたします。

  以下、ネタバレ注意 

 まずは横溝氏のみが創作しうる唯一無二の世界観ですね。古い風習が残る小さな農村で起こる惨劇、という舞台設定は、後世の作家に大きな影響を与えました。余計な雑念、しがらみを排除し完成した世界をつくるために必要な条件だったのです。特にこの『八つ墓村』を含む『獄門島』『犬神家の一族』のBIG3をはじめ、おりんさんで有名な『悪魔の手毬唄』や金田一耕助デビュー作の『本陣殺人事件』などは、海外作家含めても唯我独尊の世界観です。

 そして、伏線の置き方のすばらしさに象徴される、しっかりとしたプロットです。おどろおどろしい点ばかりが強調される同氏の作品ですが、それらはただのホラー要素ではなく、ストーリーの骨格を支える大事な土台なのです。『八つ墓村』でも冒頭で語られる戦国時代の8人の落武者惨殺から続く怨念の歴史は、読み進むにつれて分かりますが、世界観をつくる上で必須の仕掛けなのです。こまかい伏線、ミスディレクションも本格推理作家の面目躍如です。

 キャラクター創作も際立っています(金田一耕助はいわずもがななので省略します)。

 まずは何といっても、実際に岡山県であった30人殺し(津山事件)の犯人をモデルとした田治見要蔵。横溝氏が、この事件と“目くらまし殺人”というトリックを結び付けたら面白いのではないか、と考えた時点で、大傑作の誕生は8割決まっていたといえるでしょう。村上春樹氏より先にノーベル文学賞を贈呈したいものです。田治見要蔵の頭に懐中電灯を巻き、猟銃と日本刀を抱えた姿は、ハリウッドの「13日の金曜日」のジェイソンに匹敵する恐ろしさです。まさに泣く子も黙るキャラクターです。作中でも行方不明のままにしておき「こいつが犯人ではないか」と憶測させる横溝氏のテクもいいです。

 一方、登場回数は少ないものの、そのインパクトの大きさから、田治見要蔵と並び「八つ墓村」を代表するキャラクターといっても過言ではないのが、かにはんりた(沖縄方言で「ぼけた」)老婆こと、濃茶の尼(こいちゃのあま)。映画版の『たたりじゃ』のフレーズはあまりにも有名(原作にそのセリフはありません)。『リング』の「貞子」が出てくるまで日本映画を代表するホラーアイコンだったのではないでしょうか(それにしても横溝氏は物語のターニングポイントにおける特異キャラクターの出し方がうまい!)

 田治見要蔵の伯母に当たる小竹、小梅の双子の老婆も怪奇すぎます。鍾乳洞を二人並んでランプをもってつぶやきながら並んで歩く姿は、こっけいであるだけに鳥肌が立ちます。

 前半でヒロイン役を務める謎に包まれた美女、森美也子。思春期の入口にいた中学生8郎も、主人公の辰弥同様、年上のきれいなお姉さんにぐいぐい引っ張られる展開にドギマギしたものです。一方で、仏頂面かつ無口で何を考えているのかわからない里村慎太郎。この二人の触れたら壊れそうな関係性の行く末も好奇心をくすぐられます。 

 また、登場シーンでは主人公の寺田辰弥に「わたしはひとめその顔を見た時から、醜い女だと決めてしまった」とまで屈辱的な形容をされた里村典子。連載の途中で横溝氏の気が変わったのか、それとも商業主義的にしたたかな編集者のアドバイスなのか(笑)、ページをめくるごとに可愛くなり、ついにはヒロインの座に収まる過程はかなりの違和感がありますが(笑)、ハッピーエンドに欠かせない存在となります。ちなみにこの典子は、辰弥とともに崩落によって閉じ込められた宝の洞窟で、自分たちが気を失って発見されたときに、発見者によって宝を持ち逃げされないようにと、穴を掘って大判を隠しておく、将来を見据えたしっかり者です。中学生8郎も、いつかこんなしっかり者の奥さんを見つけたいと思ったものです(笑)。

 クライマックスの舞台となる鍾乳洞の神秘的な美しさ、怪しさを描く描写力もハンバないです。ハリウッドの巨額マネーによるCGで描こうとも、決して勝てるはずのない、「鬼火の淵」などの怪しげな光景が、33年前に中古本を読んだだけの8郎の脳裏に今も鮮明に焼き付いていますので。

 その洞窟の暗闇の中で犯人に追われ殺されてしまう姉の春代。死に際に駆けつけた辰弥に対する命を懸けた告白には涙が止まりません。さらには勘違いから辰弥を犯人だと思い込んだ村民の集団狂気。ヒリヒリ感も最高潮に達します。 

 最後は8人の落武者が残した宝物伝説まで! まるでジェットコースターのような怒涛の展開です。洞窟の天井が崩落するくだりでは、辰弥とともに中学生8郎も気を失いそうになりました。

 そのクライマックスジェットコースターが止まったあと、金田一耕助が静かに謎解きを始めます(『八つ墓村』の圧倒的な世界観においては金田一ですら脇役でしかないのです)。犯人は途中から大方予想できるものの、そのトリック、動機には驚き、悲しまされます。そして横溝氏がいくつものヒント、伏線を張っていたことにも、また驚かされるのです。

 愛する人に愛していると素直に伝えきれないのが人間の弱さ。そこにはプライドがあるからでしょう。この壮大な伝奇ミステリーを解く鍵は人間の心の弱さにあったのです。

 そして、作品の素晴らしさを語る上で外せないのが、最後の章見出しにもなる「大団円」。当時意味が分からず辞書で引いたところ、読後の8郎の心境を言い得ていたので感動しました。「小説・劇などの終わり、最終のこと、特に最後がめでたくおさまること」だそうです。小説の最後の一節はまさに鮮やかな大団円を表していました。陰惨で悲しい事件でしたが、なぜか素晴らしいカタルシスがあるのです。

 こんな面白い小説、もう二度と出会わないだろう、そう思った中学1年生8郎のピュアな感動。33年たった今、その感動は正解だったと言い切ることができます。あれ以来、読書でこんな感動と興奮に出会ったことはありません(あえて言うなら海外小説『赤毛のアン』(モンゴメリ作)でしょうか)。

 小説や映画など爆発的な人気が出た作品には続編ができる場合がありますが、『八つ墓村』に関しては絶対にありえないでしょうね(もちろん横溝氏が生存していたらの話です)。なぜなら「大団円」が示す通り、謎がすべて明らかになり、壮大なストーリーは完璧に完結したからです。

 

 映像化に関しては、巨匠野村芳太郎(1977年)と市川崑監督(1996年)らが映画に仕上げました。名優・山崎努演じる田治見要蔵が桜を背に日本刀をもって走ってくる絵や芥川也寸志作曲のテーマ曲は映画ならではの迫力があります。しかし、横溝氏の筆力による世界観を最初に体感したものからすれば、両巨匠の強烈な映像美でさえも、『八つ墓村』の魅力を伝えきれていない、と思ってしまうのです。

 文庫本の紹介文では「現代ホラー小説の原点」とありますが、正直違うと思います。前述の通り、ホラー映画ばりのおどろおどろしいストーリーの背景には横溝氏の執念であるトリックと人間の愛憎劇が秘められているのです。ホラー映画の世界に大団円はほとんどないですし、そもそも目指しているところが違うのではないかと。横溝ワールドは、怪奇浪漫をてんこ盛りしているものの、ベースは間違いなく質の高い推理小説、そして重厚な人間絵巻です。 

 

 横溝氏に関しては、著作物だけでなく関連本も読み漁ったので、人物像も多少は知っています。

 戦後に推理小説家としては名をはせた横溝氏ですが、推理小説は「純文学」界から常に「通俗小説」として下に見られ、悔しい思いをしていたようです。さらに、その後、高度経済成長に合わせるように登場した松本清張氏による推理小説が、「リアリズム」「社会派」と文学的に高く位置づけされたのに対し、横溝氏や江戸川乱歩氏らの過去の作風は“お化け屋敷”と卑下されるようになっていくのです(横溝、清張の両氏を敬愛する8郎からすれば、どっちも素晴らしい!としか言いようがないのですが)。横溝氏は苦悩と不遇に満ちた20数年を過ごすことになります。地道に創作活動は続けますが、売れなくなっていきます。8郎もその時期の作品はほとんど読んでいません。

 しかし、本物は死なず、です。1976年に角川映画が『犬神家の一族』を映画化した(よくやった!)ことにより、再びブームが再燃。その後、『八つ墓村』も映画化され、日本中が『たたりじゃ』のフレーズとともに横溝ワールドに浸ったのです。ブーム再来を受け、御年70歳を超えていた横溝氏の作家魂にも再び火が付き、事件解決に20年もかかる上下編の超大作『病院坂の首縊りの家』と、『八つ墓村』と『獄門島』を足して2、いや4(笑)で割ったような『悪霊島』(キャッチフレーズ「ぬえの泣く夜は恐ろしい」も有名)も描き上げました。2作とも謎解き度は落ちましたが、色欲ドロドロで重厚な人間ドラマを壮大に描き上げています。同時に『病院坂~』は金田一耕助最後の事件となりました。一ファンとしても自分の中の小さな歴史が完結したようで、これまた中古本で完読した当時中学生の8郎も何とも言えない感慨、空虚感に包まれたものです。『悪霊島』が映画化された直後に国民的作家・横溝正史氏は亡くなりました。よって『悪霊島』が遺作となります。

 3冊紹介と書きましたが、おまけの1冊を。AMAZONで購入した『金田一耕助 完全捜査読本』(宝島社 1200円)です。全77件の事件の詳細解説や、横溝氏の作品のほとんとカバー絵を担当したイラストレーターの杉本一文さんのインタビュー、そしてファン垂涎の創作裏話など載っています。この内容で1200円は安い。

 ところで、今回の新品では、新しいイラストレーターさんがデザインしているのですが、正直、なんじゃこりゃ、です。「八つ墓村」の魅力を何も伝えていないですね。金田一の横顔をポップに描いていますが、前述の通り「八つ墓村」における金田一はあくまで脇役なのですよ! ま、「若い人向けに」と若い編集者の依頼なのでしょうが。元祖イラストレーター杉本氏の作品集に関してはネット上にリストがあったのでご参考までに転載します。複雑怪奇なストーリをものの見事に一枚の絵にしています。これぞカバー絵です。個人的なベストは『獄門島』ですね。

 『杉本一文のカバー絵』 

 杉本氏のインタビューに関しても、運よくネット上にもあったので、お暇な方はご覧ください。「実は横溝先生の本をあまり読んでいない」には衝撃を受けましたね(笑)。あれだけの世界観、原作をほとんど読まずに、どうやって描けたの? そのあたりも面白いです。

 『杉本一文インタビュー』

 

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 いろいろ熱く、そして長く、書きすぎました。不人気カテゴリーになるのも当然ですね。ここまで読んでいただいたマニアの方に御礼申し上げます(笑)。そろそろ終わります。 

 最後に話はちょっと脱線しますが、映画版金田一耕助のアイテムの一つに旅行用トランクがあります。実は映画で金田一が利用しているトランクは、演じた石坂浩二氏の私物だったようです。・・・

 ・・・そんなどーでもいいトリビア(笑)はともかく、8郎家もこのたび、一人用のトランクを購入しました。

 さて、なぜ、33年も前に読んだ作品を今さら過剰な筆量で紹介するのか、はたまた新しいトランクを買ったのか。それには理由がありまして。

 機会あれば、後日報告いたします。大したことではないので報告しないかもしれませんが(笑)。

 いろいろ謎と伏線を残したところで、今日はこれにて。

【注記】けっして田治見要蔵のように日本刀と猟銃をもって外に飛び出すわけではありません(笑)。安心してください、かにはんりてませんよ!


質より量

2018年11月23日 | 読書

  二十四節季の「小雪(しょうせつ)が来たというのにまだまだ暑い11月が続いております。8郎もまだかりゆしウェアです。先日、美しい虹がかかっていたので撮影。美しい天体ショーはこんなおっさんでも多少はっぴーにさせてくれます。

 でも、陽の沈む時間は日ごとに早まり、街はすでにクリスマス商戦モード。子どものころクリスマスは悲しい思い出しかない8郎は、きらびやかな街並みを見てきれいだなと思いつつも、心の片隅に巣くう言葉にできないどんより感は消えません。世の中が華やかになればなるほど、暗がりの方が気になるゆがんだ性格です(笑)。幼少の記憶とはいつまでも残るものなのだと改めて思いますね。その代わりと言っては何ですが、息子や姪っ子甥っ子たちには少しでも楽しい思い出を作ってもらいたいと、今年もわが家でのXmas&忘年パーティーを計画しています!

 さて、資格勉強ですが、クソ面白くないテキスト(失礼)だけではモチベーションも上がらないということで、ちょっとくだけた視点で書かれたサブテキストも活用しています。以下の4冊+αです。

 中小企業診断士試験1次試験7科目のうち最も苦手なのは、なんといってもグラフと計算のオンパレードの経済学です。そんなとっつきにくい学問ともっとフレンドリーに付き合おうと、『らくらく経済学入門たまご』(茂木喜久雄著)を購入しました。幼稚な表紙の割に、経済学を学ぶ学生の間では伝説の参考書だとか。しかし出版元の住宅新報社が倒産してしまったために、世の中には中古しか流通していないのです。仕方なくアマゾンで4千円近くはたいて購入しました。まだ読み始めですが、確かに非常に親切に書かれています。買ってよかった、と言いたいところですが、評価は合格点を取ってからにしますね(笑)。

 左上の『経済ってそういうことだったのか会議』は10年近く前に購入したものです。当時は出張の飛行機の中で読んだのですが、1時間半があっという間の面白さでした。久方ぶりに手に取ってみました。懐かしの「だんご三兄弟」プロデュースで有名なクリエーター佐藤雅彦氏と経済学者の竹中平蔵氏による対談方式。誰もが幼いころに疑問を感じながらも、大人になるまで答えを見いだせずにきた世の中の経済事象を竹中氏が分かりやすく解説してくれます。とてもおすすめです。

 ところで、二人とも頭はとてもいい(東大、一橋大卒)上に、育ちもとてもよいのでしょうが、節々に見える、競争による格差を認めるような発言には悲しい思いもしました。経済、企業は効率重視で物事を判断しなければならないでしょうが、政治や社会までそうであってはいけません。最初から勝てない環境に生まれた人たちのことは範疇に入れず「俺たちみたいに競争に勝った人間は優遇されて当たり前」的な思想の下での国家論はちょっと残念ですね(佐藤氏にはまだ弱者視点を感じましたが)。まぁ、小泉元首相とともに格差社会の要因をつくったとされる竹中氏だけに納得ではあります。。。ちょっと脱線しましたが、経済学を生活視点から解き明かすという意味ではとても面白い本です。

 左下の池上彰氏の『お金の学校』はいわゆるビジネスマンとして最低限の経済知識を効率的に学ぶという感じ。新入社員が読むようなイメージです。試験への貢献度はなさげですが、広く浅くで、読みやすい。まさに池上流って感じです。 実は本人はほとんど書いていないんじゃないかと思わせるところも池上流です(笑)。

 右上は「財務・会計」の分野の『ざっくり分かるファイナンス』(石野雄一著)です。ネットで絶賛されていたので購入。こちらもまだ半分を過ぎた当たりですが、本当に分かりやすい! 経営コンサルタントである筆者(MBA保持者)は、先日、金融商品取引法違反容疑の疑いで電撃逮捕されたカルロス・ゴーン元日産会長の下で財務改革に取り組んだ経験のある方なのだそう(この騒動をどう見ているのでしょうか)。ゴーン氏は「大胆なコストカット」で財務諸表上の利益を増やしたのでしょうが、会社にとって一番大事なもの(数字化できない)まで無情にカットしていたということなのかもしれません。遅まきながら、それに気づいた一部の社員らの内部告発なのでしょう。

 ゴーン騒動はともかく、そんな実務経験を踏まえた切り口は、同じサラリーマンとしてリアリズムを感じます。超お薦めです。ただし、FCF(フリーキャッシュフロー)やWACC(加重平均資本コスト)の話などは、いくら分かりやすく書いても、まったくの素人さんは理解できないでしょうね。なんだかんだいっても基礎学力は絶対必要だと再認識させられた本でもあります。ビジネスマンが財務会計の知識を得ようと思ったときに、ビジネス書を読んで効率的に知識を得ようとしても、おそらくダメです。「手から覚える」簿記から始まって地道な学習を根気よく続けた上でしか理解できない世界があります。偉そうなことを言える知識は8郎にはまだまだありませんが、20年近く前に買い、トイレなどで読んでいた「2時間で読める」と銘打たれたビジネス書(右下)が、今やっと内容を理解できた45歳が言うのですから本当です(笑)。広告フレーズは質と量に関する表現が誇大すぎるので決して信じてはいけません。まぁ、「読める」と書いたのであって「分かる」とは書いてない、と逃げられそうですが。

 

 以上、堅苦しい本ばかり紹介してきましたが、こんな堅いやつばかりでなく、面白い小説も読みたいものです。ミステリーなど数冊買ってあるのですが、とても時間がないですね。ところで、敬愛する横山秀夫は傑作『64(ロクヨン)』以来、ご無沙汰です。作家は「量より質」だと思うので、新作へのスパンが長くても別にいいのですが。

 

 さて、愛息ですが、YOU TUBERぶりが進化しており、よく自分の部屋に閉じこもっては、父のアイパッドを使いバディファイトカードゲームをネット民に解説する番組を熱心に製作しています(もちろん未配信)。自分で考えてモノをつくるという作業に没頭するのは、とてもいいことだと思うので好きにさせています。まだまだ作品としては中途半端ですが、「質より量」ということで作りまくっています。ご覧ください、8歳YOU TUBER(もちろん未配信)の手作りスタジオを。見違えるほど整理整頓されています。勉強のときもこうせい!

【追記】そんな愛息ですが、最近は父のPCを利用するようになりました。カードのアルファベットをたよりに肩指打ちでキーをたたいて、バディファイトの公式HPにたどり着き、印刷まで完遂できるようになっています。子供の好奇心って素晴らしい!

 そうそう。バディファイトカードを買いに漫画倉庫に行ったさいに、8郎はミニジョッキ(250円)購入。資格勉強のため飲み会を控えているで、家飲みだけでも効率的に質を上げようという魂胆です。サッポロも好きでもあるため、銘柄ではいつも迷いますが、キリンの一番搾りを買っておけばハズレはない! 水っぽいサントリーは最近敬遠しています(ディナーとなら一番合う!)。地元のオリ・・・(ピー)。

 さて、一年で一番忙しくなる師走が迫っています。11月のうちに1時間でも勉強時間を積み重ねておきたいものです。長き挑戦の道のりで、常に「質」いわゆる効率的学習を意識しつつも「最後に頼れるのはだ」と心に言い聞かせて、3連休も限りなく勉強に充てます。今日はこれにて。


厳冬を温める芸

2018年01月14日 | 読書

  あられが降ったりと、沖縄も厳しい寒さが続いています。部屋の中でも重ね着をしてストーブを点けなければ耐えられないくらいです。人生で最も寒いといっても過言ではありません。8郎家は父子が鼻水だらだらですが、なんとかインフルにもかからずやっております。みなさんも体調に気を付けてください。 

 さて、週末の休み。家族で浦添市のカフェ「畑のベイジー」でランチを食べてきました。住宅街の中にあるカントリー風のお店でした。8郎はカレーを注文。大好きなマイタケやパプリカが乗っており、おいしゅうございました。ルーも8郎ごのみ。

  10郎と妻はハンバーグ。サラダも新鮮でした。とても丁寧に作っているという印象です。

  はふはふと食べる10郎です。おいしいものが食べられて幸せだね。家族3人温まりました。

 ただ、量は男性には物足りないかもしれません。客層も中高年の女性ばかりでしたね(笑)。

 さて、久々に8郎の酒場放浪記です。那覇市内の韓国居酒屋です。個人的な「男の隠れ家」にしたいので店名は公表できません(笑)。そんなに混んでいない(失礼)というところも気に入っています。Pさんという韓国の男性がオーナーですが、とても話しやすい方です。カウンターテーブルも奥行が広く落ち着けます。お通しも、煮干しや黒ゴマ、豆腐と健康にもよさげなものが出てきます。

 先日、あまりに寒いので人生初「ゆずマッコリ」を注文したのですが、きんきんに冷えて出てきたのでびっくり。甘酒なので熱燗だろうと勝手に勘違いしていたのです。Pさんによると、マッコリは寒い韓国でも常温か冷やだそうです。冷やですが、優しい味だったのとPさんとのトークで心が温まりました。それにしても独特の容器ですな。

 会社帰りに一杯、というときに、またのれんをくぐりたいと思います。

【追記】とはいえ、年末年始、友人含めたコンパをはじめ、忘年会、新年会が続いていたので、内臓がやられています。特に行きつけであるツカピンの店は、常連さんにつかまってしまうので要注意です(笑)。自分の意思が弱いのが悪いのですが、酒の飲み方を変えなければなーと反省しています。

 

 さて、お次は読書遍歴です。以下の4冊を読んでいます。 

 新聞の広告欄で気になった『頭に来てもアホとは戦うな!』(田村耕太郎著)は勉強になりました。著者の生き方、考え方に全体的に賛同するわけではありませんが、フレーズごとには納得し、個人的に反省させられたりするものが多かったです。「嫉妬社会の日本ではアホが出世しやすい」「(人事で)腐るということは人生最大の無駄」「一番賢い能力は人の考えを見抜く力」など、まさにその通りだとうなずきました。ただ、この田村氏も国会議員経験者。政治家なら「強いものには逆らうな」「勧善懲悪など期待していはいけない」などと開き直らず、税金で食っていたなら、もっと理念を追ってほしかったと思うのは8郎だけでしょうか。本のトータル的な主張としては、アホと無駄に戦うよりは、アホに好かれ、アホを動かし、自分も権力の中枢にまぎれこもうというものです。まあ、それがほとんどの国会議員の正体、そして日本の旧体制で出世するという力学の正体なのでしょうが。結局、ほかの安っぽい「サラリーマン出世指南書」の類と一緒かい、という残念感ももう一つの感想ですね。それでも本書は示唆に富み、一読の価値はあると思います。

『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(山田眞屋哉著)は10年ほど前に読んだのですが、新聞の「岩波新書特集」で、歴史に残るベストセラーとして改めて紹介されていたので、久々に手に取りました。会計学を身近な話題にたとえてくれます。中小企業診断士の勉強の合間にちょうどいい内容です。どう考えてもコスパ的に儲かるはずがない「さおだけ屋」がなぜ行脚を続けているのか? 著者なりの分析も面白いです。ちなみに公認会計士である著者は8郎より年下。この本を書いたときは30代前半だったということになります。すごいっす。

 最後の『企業合併』(箭内昇著)はまだ読み始めですが、過去のM&A(企業の吸収・合併)事例の裏側をドラマティックに描いています。日本の家族主義、派閥主義などの古臭い文化が、欧米企業のシビアな超合理主義の前に完全にやりこめられる様を描いています。面白いので完読します。ほかにも写真にはないですが『企業買収の裏側』(淵邊善彦著)も読み始めています。両著者ともに東大卒。しかもシビアなM&Aで身を削ったのは40代です。知能をフルに使って成果を成し遂げるスーパーエリートというのは実在するのですねぇ。田舎サラリーマンの8郎も頑張らねば。

 読書は人生を豊かにします。これからも面白い本に出会いたいものです。

【追記】先日の『十角館殺人事件』の感想です。うわさにたがわぬ傑作でした。どんでん返しと、どんでん返すタイミングも素晴らしかったです。ネット書評にあるように「犯人のヒントを隠しすぎ」という難点やストーリーの矛盾点は確かにありますが、総合点としては90点に近いでしょう。みなさんもぜひ。

 

 ところで資格試験。計画通りには進んでおりませんが、なるべく毎日机(PCモニター)に向かうようにしています。その背中を10郎に見せておくことも教育だと思っているからです。父の姿を見ているうちに自然と自ら宿題をするようになるでしょう。 ・・・と思っていたら、仕事中に妻から送られてきたLINEには、下写真のような10郎の姿が!  

 チンパンジーか、君は(笑) ちゃんと勉強せい! 

 厳冬を温めてくれた息子の芸でした。

 今日はこれにて。


つれづれなる師走

2017年12月17日 | 読書

 12月の半ばに入り、急に寒くなってきましたね。久々のブログ更新です。 

 大したネタも特にないので、カテゴリーは久々に「読書」にしました。ということで、最近読んだ本の紹介をはじめ、つれづれなるままです。

 宅建試験後に、束の間の休息をしようと、本を3冊、AMAZONで購入しました。すべてミステリーです。「どんでん返し すごい」で検索したところ出てきた評判の高い3作品です。

 以下、8郎の書評です。

 まず『葉桜の季節に君を想うということ』(歌野晶午著)は、「絶対に騙される衝撃のトリック」というキャッチフレーズに以前から気になっていた作品です。しかし、感想としては、「すべてトリックのために無理やり作られたストーリーというのが見え見え」というネットでのある辛辣な書評に、8郎もほぼ同感。確かに奇想天外なオチがあるのですが、それまでの事件と何の関係があるんだという違和感が読後もぬぐえませんでした。一人称である主人公のキャラも好きになれないタイプで感情移入も無理。奇策を考えすぎたあまり策に溺れた、というのは酷でしょうか。前評判が高かっただけに、点数は辛口50点というところです。 

 『仮面山荘殺人事件』(東野圭吾著)のオチも、全く想定外というものではありませんでした。それどころか、多少ひきょうではないか、とまで思いましたね(笑)。単行本250ページ程度なので読みやすいですし、懐かしの赤川次郎氏のようなライトノベルズって感じですね。当代切ってのベストセラー作家である東野氏ですが、8郎は波長が合わないのか、完読したのはこの作品が初めてです。直木賞作家のわりには人間描写が浅いというか(素人のお前が言うか)、ストーリー構築最優先の非現実な人格描写が多いような気がします。だから、多くの国民が面白いというベストセラーを次々と出せるのでしょうが。別作品も読んでみたいと思わせる完成度ではなかったですね~。これまた辛口55点。ただ、気軽に読めて、気軽に楽しめます。出張時に飛行機の中で読むにはいいかもです。

 最後の『十角館殺人事件』(綾辻行人著)は、まだ途中です。四半世紀前に書かれたものですが、本格推理小説としていまだに名作と語り継がれているので、ついに手に取りました。松本清張氏らの社会派推理小説ブームが終焉したことに現れた「新本格」という位置づけのようです。本書にも書いてあるように「靴の汚れた刑事が不倫現場を追うのではなく、孤島の連続殺人事件を高級なゲームとして楽しむ」(長!)として読んでみるつもりです。意外にも読みやすくて入りやすい内容です。年内にこれを読んで、80点を超えなければ、本格推理小説は卒業しようと思います。

 8郎は非現実なエンターテイメント(ほぼ推理小説ですが)も好きですが、中途半端にリアリティーを持ち込んだ作品は苦手です。そんな作品を読むと、これなら故・横溝正史大先生が70年前に書いた『八つ墓村』の虚構の世界のほうが全然リアリティーがあるわい!と思ってしまうのです(当時お化け屋敷とバカにされた『八つ墓村』ですが、横溝先生の「誰よりも面白い小説を書くぞ」という人生をかけた執念が一行一行に詰まっています)。小説だけでなく映画の世界でもそう感じますから、8郎がもう「旧世代」のカテゴリーに含まれているということでしょうね(気づくの遅!)。どちらにしろ、人間を浅くしか描けていない作品は、やっぱり面白くないですね。最近の作家は、恵まれた環境に育ち読書量が多い天才たちなのでしょうが、一方で人生経験が非常に浅いのではないかとも思います。面白い脚本を頭の中で組み立てるのは天才だが、実体験が伴っていないから一番大事な人間が描ききれていないという感じがしてならないのです(これは仕事でたまに会うIT企業家たちにほぼ共通して感じる空虚感に似ています)。ゲーム世代のある意味弊害もあるでしょうし、文学自体が飽和状態という実情もあるでしょうがね。

 評判の高い2冊を読んで、あらためて横山秀夫氏の未読の作品を探してみようかと思った、師走この頃です。どなたか、激オモの小説があるという方、ぜひ教えてください!

 

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 さて、最近の愛息10郎です。クラスのいじめっ子と折り合いが合わず「学校が面白くない」と不満を漏らすようになっていました。問題児のA君がしょっちゅう暴力的にけんかをふっかけてくるようです。A君は10郎だけでなくほかの子に対してもそうで、PTAでも問題化しているようです。

 父8郎は、いざというときは相手をぶっ飛ばしてもいいんだと教えました。自分から手を出すのは「空手に先手なし」の崇高な精神にも反し、道徳上もよろしくありません。しかし、もし相手がどうしても攻撃をやめなかったら、公衆の面前で、顔面に全体重をかけた鉄拳を打ち込んでやれと教えました(怖!)。顔面を殴られて、立ち上がって反撃してくるやつはまずいないと。そして「公衆」の面前なら、先手ではなかったという証人もいるからだと。もちろんあくまで最終手段としてですが。それさえも想定せずに、いじめられたと嘆くだけの男にはなるなと。どんな場面でも頭と体をフル回転に使って危機を乗り切るんだと教えました(ダイハードか!)。先生やお母さんに怒られても、父さんはお前の味方だということも

 とはいえ、まず親には何でも話せということと、先生にも相談すること、友達と連携すること、など、周りを味方につけるなど基本的な対策を最優先に教えましたがね(笑)。

 下写真は、石ころを使って石やりを作った10郎。勉強中の父に完成度を披露しにやってきたのでパチリ。石以外の原料はすべて真っ白なA4用紙です。妻いわく20枚くらい豪快に丸めていたとのことです(汗) おい、これでいじめっ子に反撃するなよ!

 10郎よ、どうして、いじめっ子、不良がいるのか、と考えることはとても必要だぞ。スラム街育ちだった8郎父さんも小学校2年生のときに近所の札付きのワルと遊んでいたが、彼らはみな家庭に問題ありだったよ。彼らの素行が悪いのは彼らのせいでなく、彼らをそういうふうに育てる家庭環境と、その家庭環境を育てた世の中が悪いんだと、当時8歳の8郎父さんは痛感しました。そんな不条理な世の中で、どうやって生きていくのか、自分で考え、実行できる大人になってほしいんだ。とても難しいことだが、それも人生だよ。

 そういう意味では「いじめっ子登場」は、いろんな意味で何よりの人生経験だと思っています。もちろん、いじめられている子が自殺を考えるくらいの状況で親が出なければならないほどの悪質なケースもあるでしょうが、今回は巷によくある範囲だということと、8郎家は、愛息がいつか8郎と妻がいなくなっときにも自分ひとりで生き抜いていけるように育てることが最大の教育理念なので、できる限り自分の力で解決してほしいと思っています。

 そんな父の思いとはうらはらに、学童でもらってきた超長のグミをもくもくと食べる10郎。服の毛玉などがくっついているので「食べるのをやめろ」と言っても聞く耳を持たず、すべて食い切りました。その意地があれば大丈夫だ! でも、学童には、こんな気味悪い(失礼)お菓子を配らないでほしいな~。

 その後、学級懇談会に行ってきた妻によると、その後、いじめっ子とも何とかうまくやっているのだとか。それだけでなく10郎の交友範囲の広さに妻も多少感動した様子。いじめ子からクラス1の秀才まで話が通じていると先生が言っていたそうです。名前に十字路の「」を入れたのは、けっして偏らず(強いものに媚びず、弱いものをいじめず)、多くの友達と交わってほしいという父の願いがあるからです。10郎、その通りに学校生活頑張っているようだね!

 

 話は別世界のように変わりますが、おいしゅうございましたシリーズです。那覇市松山にあるミカド食堂すき焼きです。牛肉と豆腐と白滝がおいしゅうございました。体が温まりました。そんなこんなで体重82㌔超が続く師走です。【追記】ところで、ほっともっと弁当のすき焼きって超おいしいと思いませんか? ミカドもおいしいですが、ほっともっとのそれは弁当界最強だと思っています。  

  当ブログにどんでん返しはないので、おなじみテラスの朝焼けショットで、お別れです(笑)。月も出ていたので、パチリ。冷たく乾燥した風が心地よいので洗濯物を干すのも苦ではありません。沖縄に生まれて、よかったぁ~。

 あ、備忘録として追記です。先日、毎年恒例のヤスーン忘年会を行いました。亀さんがシフト上の都合、Tら~が体調不良による欠席となり、寂しいものでしたが、代わりにゲストとして、草野球チームで一緒の山さんが参加してくれて盛り上がりました。砂吉も遅れて登場し、なんだかホッとした忘年会となりました。ポン先生、森ドゥ、いつもありがとねー。場所はツカピンの店。リハビリが続くツカピンですが会えてよかったです。ヤスーンもどぅしぐわぁたちとの年の瀬を楽しんだことでしょう。

 

 2017年も残り2週間。仕事も忙しくなってきのたで、もしかすると、次回更新は毎年恒例の大晦日になるかもしれません。みなさんも寒さに気を付けて(インフルも大流行のようですね)、乗り切りましょう。

 今日はこれにて。


「5時から男」宣言

2017年01月21日 | 読書

 約2週間ぶりの更新です。タイトルの趣旨に入る前に、前回からの8郎家の出来事を写真とともにさーっとお伝えします。

  朝焼けです。文字通り燃えるような空でした。最近はぐずつく天気が多いですね。

  成人の日、家族で宜野湾市周辺をドライブをしていると、今や沖縄名物となった「荒れる新成人」たちと遭遇しました。車道上で車を停めたまま会話などしているので、クラクションを鳴らしましたが、微動だにせず(怒)。やむなく反対車線から追い越しました。地元紙では彼らのはじけぶりを擁護するような論調もありましたが、それは甘やかしすぎというもの。成人式には招いても、社会のルールに背く行為には厳しく対処すべきです。そんなことにエネルギーを費やしても、君らの将来にとって何の意味ももたない、と教えるのも先輩成人たちの役割でしょう。

 この島で20年前に生を受けた新成人たち。そういう行動を起こすからにはつらく悲しく怒りに満ちた20年だったのかもしれない。でも、どれだけ髪を染め、眉をそり、派手な袴など着ていかつい外見を作り上げても、そういう子供じみた集団行動を見せることで、ひとりでは何もできない「よーばー」だということを告白しているようなものだよ。男だったら、かっちょ悪いと思ってほしいな。ほかにかっこいい道はないのか自問してほしいと、43年前にこの島で生まれた、しぇんぱいは思っています。

 沖縄の格差社会はあまりに根深いですね。 


 さて、愛息10郎ですが絵を描くことに貪欲です。先日も夕飯前に静かに何やらペンを走らせていたので、撮影。久々にへの字口をみることができました! 空手、水泳にいそしむ今も「将来は漫画家になる」と言い切ります。 

  この日の作品はまたしてもドラゴンボールの悟空。髪の細かなタッチに上達を感じました。テレビのモニターから金メダリストの清水宏保さんも絶賛していました・・・かな。

 優しい性格のせいか、本日行われた空手大会でも一回戦負けを喫しました。相手は格下の白帯です。かーかーやばあばは優しく慰めてくれたが、とーとーはそうはいかないぞ。負けは負けだ。負け癖がつくと人生も負けてしまうぞ。自信をなくさない程度に、勝ちにこだわる姿勢を教えたいと思います。それがいやなら空手はやめてもらう! やりたくてもお金がなくてできなかった父より。

 まあ、負けることで、とてもいい経験になったと思います。どんな言葉よりも体験です。悔しさをばねにいっぱい練習しようぜ! 勝ち負けで七転八倒できる男の人生って楽しいぞう。


 さて、年末年始に8郎が読んだ本のおさらいを。読書嫌いの方は飛ばしてください(笑)

 まずは「殺人犯はそこにいる」です。以前ご紹介した「桶川ストーカー殺人事件」の清水潔記者による告発ドキュメンタリーです。北関東で発生した連続幼女殺人事件における栃木県警のずさんな捜査で起きた冤罪と、それを隠匿する司法の腐敗ぶりを徹底した取材で暴いています。国家を揺るがしたという意味で社会的インパクトは「桶川」以上だと思います。再審が決まって17年ぶりに釈放された菅家さんをテレビで見た記憶は誰しもあるでしょう。しかし、幼女を殺した残酷な殺人犯は今もつかまっていないのです。清水記者が独自取材から「こいつに違いない」としてDNA鑑定まで一致している男を司法・警察はあえて捜査しようとしない。まだまだ隠れている冤罪の連鎖を露呈する可能性があるからでしょう。国家的隠ぺいです。国民がそれを忘れかけていることが一番恐ろしいかもしれません。

 次は、話題作だったので読まれた方も多いでしょう。「言ってはいけない~残酷すぎる真実~」(橘玲著)です。「努力は遺伝に勝てない」「美人とブスの生涯格差は3600万円」などなど、内容は衝撃でしたが、一応何らかのデータに基づいており、納得もしました。8郎が幼いころからずっと抱えていた「人間にも種の保存という本能があるのになぜ児童虐待をし、はては子殺しまでする親がいるのか。矛盾していないか」という疑問にも明確に答えてくれました(まあ43年生きるなかでうすうす気づいてはいましたが)。その理由はけして理解不能なものではなく、子孫を残すために彼ら彼女らが合理的に選択した結果なのです。目の前の子供を生かすより自分が生き残ったほうが合理的だと判断したわけです。つまり人間は個々でみると本当に残酷でエゴな生き物なのですが、そのエゴの背景には間違いなく種の保存という大命題が横たわっているのです。ところで、この著者は不愉快な事実を列挙し、世の中をただ憂えよというのではありません。よりよい世の中にするためには、理想だけを語るのでなく事実を直視すべきだという主張です。あとがきの末尾にある 「不愉快なものにこそ語るべき価値がある」という言葉、心に突き刺さりました。

 最後は、タイトルに興味がわいたので購入した「『できる人』が会社を滅ぼす」(柴田昌治著)です。上の書物と違ってあまりデータがなく、著者の経験を基にした意見書みたいな内容ですが、その主張にはひねくれ者の8郎も強く共感しました。上司受けをねらって目の前を仕事をてきぱきと処理するだけが能力の「パフォーマンス社員」がどれだけ組織をだめにしていくか、ということを述べています。うちの会社でも見渡せばあちらこちらにごろごろいます。まあ右肩下がりの会社ですから、仕方ないといえば仕方ないのでしょう。権力者に腹踊りをみせて、年々少なくなる職階の争奪戦に朝から晩まで没頭する。「サラリーマンって結局は上に好かれたもん勝ち」と言い切る、仕事に対する哲学も何もない「(偽りの)できる人」たち。8郎もわが身を戒めながら、パフォーマンスより実を取る40代を生きていきたいと思います。

 

 以上、非常に読み応えのある3冊でした。

 

【後日補足】最後の本で一番感銘を受けた部分について書くのを忘れていました。エピローグにある「会社のためではない。自分と愛する家族のために働いているんだ」というフレーズです。著者が出会ったある経営者の言葉です。著者はこの言葉を借りて「自分の幸せのために働く人が結果的に『(真の)できる人』であり、会社をよりよくする立役者となる」というエールを送ります。強く共感します。もちろん寝る間も惜しんで働く時期というのは誰にでも訪れるでしょうが、必要以上にパフォーマンス残業を繰り返すちょうちん社員は、間違いなく会社のがんです。

 大企業D通もそういう社員を重宝してきた結果があの顛末なのでしょうか・・・。


   ◆    ◆    ◆    ◆    ◆

 

 堅苦しい読書ネタのあとは、沖縄の短い冬の景色写真で目を洗ってください。

 まずは今帰仁村のコスモス畑。

  温かな日差しが降り注いだ恩納村ではサイクリストたちが気持ちよさげにペダルをこいでいました。海風は冷たかったです。

 太陽を浴び、海もちょっとしたエメラルドグリーンに。 ススキがなければ夏の海ですね。

  ヤシの枝の間から冬の太陽の木漏れ日がさんさんと。

  目の保養になったでしょうか?


  ◆    ◆    ◆    ◆    ◆ 


 そうそう。43歳8郎にとって、ある意味、人生の節目となるできことがありました。ついに「老眼」(シニアグラスといいたい)を買ったのです。簿記や宅建の勉強をはじめた2,3年前から、なんとなく近くのものが見えにくいと感じてはいたのですが、それほど生活に支障がなかったのとお金も使いたくなかったので、手が伸びませんでした。しかし、今回、宅建の学習環境を少しでも改善しようと購入を決断したのです。約1万8千円。財布が痛いっす。でも、字がよく見えます!  

 読書や机に向かうときは老眼、いや、シニアグラスを活用し学習環境をバージョンアップしていきます! 

 

 さて、余談が長すぎましたが、最後にタイトルの趣旨をお伝えします。

 43年を通じて朝に弱かった8郎ですが、過去を断ち切り、早起き生活に挑むことになりました。もちろん勉強時間にあてるためです。当面は午前5時起床です。初日こそ、あまりの寒さにいきなり断念しましたが(恥)、2日目の今日はきちんと5時に起床しました。そして出勤前までの1時間半、勉強に充てることができました。邪念のないままで学習に入ることができるので、頭によく入るような気がします! 今回で3回目の購入となるテキスト(泣)を、手垢がつくまで読んでいきたいと思います。夏場は4時に起きたいものですね。

  相変わらずだらだら書いてきましたが、そろそろ惨めな敗戦を喫した愛息の汗と涙を風呂で流してやろうと思います。10郎が好きなバブを入れて。

 今日はこれにて。


あきらめ?の秋

2016年11月11日 | 読書

  先日書いた通り、気管支炎による高熱に苦しんだ8郎です。熱は3日くらいで収まりましたが、ひどい咳が1週間ばかり続きました。会社も2日休み、先輩同僚に迷惑をかけてしまいました(謝)。計画していた2年ぶりのキャンプももちろん中止です。10郎、ごめんよ!

 沖縄の空もようやく秋の模様です。恒例のテラスからの朝日ショットです。

  やっと体調が回復したので、家族3人、車で北中城村の「ハンタ・バール」というイタ飯店に初めて足を運びました。

  中城湾を一望できる立地。ここからの朝日は、8郎家マンションも及ばないことでしょう。

  日差しがそれほど強くなかったので、テラス席を選択。不思議なことに店内スタッフはすべて若い男性という不思議な店でした(しかも近所の兄さん的な。笑)。きれいなお姉さんでなかったのが不満だったのか、苦々し気な10郎(笑)。お子様用チーズカレーはおいしゅうございました。

  8郎はステーキを注文。とてもおいしゅうございました。妻の豚肉料理はもっとおいしかったです。でも3人で4000円超! かなりのぜいたくとなりました(汗) でも価格の元は取れるお店だと思います。記念日などにどうぞ。

 風邪で寝込んでいるときに、本を数冊読みました。特に面白かったのが、「64(ロクヨン)」「桶川ストーカー殺人事件~遺言~」の2冊です。「64」は言わずと知れたベストセラー作家、横山秀夫の長編です。映画化、BD化もされていますね。激オモでした。重厚なストーリーと想定外の結末、そして読んだあとの余韻。どれをとっても横山秀夫はすごいですね。

 一方の「桶川ストーカー殺人事件」は骨太のンフィクション。事件そのものは10数年前にかなり有名だったのでほとんどの方が記憶にあるのではないでしょうか(この事件をきっかけにストーカー規制法成立への動きが始まりました)。清水潔さんという週刊誌記者が警察に先駆けて真犯人を突き止めた伝説の事件です。ジャーナリズム魂を持った清水記者が、幾多の困難にも真相解明の執念をあきらめずに警察の腐敗とマスコミの堕落をあからさまにしていきます。この清水さんの功績は、犯人を捜したことより、警察の堕落ぶりをあばき、「死人に口なし」である被害者の人権を回復したことが最大の功績だと思います。ジャーナリズムの塊である清水さんは今では週刊誌記者をやめ、大手テレビ局に籍を置いて取材を続けているようですね。

  どちらも長くて重い内容ですが、秋の夜長を短くするほど読みごたえは十分です! ぜひ。

 高熱にうなされながら読んだので余計、印象に残りました(笑)。

 

 先日、会社から帰宅しポストを除いてみると、管理業務主任者試験の受験票が届いていました。しかし今年は宅建試験に落ちたこともあって、こちらにエネルギーを注入するわけにもいかないので、受験を諦めました。宅建と同様に受験日に会社のイベントがあるのも理由の一つです(泣)。出費を採決した妻に申し訳なく思っています。

 8900円の表記が泣かせるぜっ。

 

 例年同様、社内で人事異動希望の案内がありました。8郎は3年連続で同じ部署を希望申請しました。何度も書きますが、うちの会社の人事権者は説明責任から逃げまくるどうしようもない汚ねえやつなので、8郎の希望は今度も叶わない可能性がすこぶる高いのですが、意思だけは示しておかなければなりません。専門的なことに終始する現部署では、サラリーマンとしての50代からの展望が描けないと思っているからです(まあ、どこにいても家族のために頑張りますが!)。

 「しっぽを振るバカだけがかわいい」という権力者心理に健気にこたえようと、しっぽを振るだけでなく、仰向けになって腹までみせる文字通りの本物のバカたちを見ていると、愛社精神というのは年々薄れていきますね。落ちていく会社というのはこういうものなのでしょうね。誰が悪いのでしょうか。バカな人事権者でしょうか。違いますよ。しっぽを振って腹を見せる大勢のバカであることは間違いありません。

 大声で元気よく、常に建設的で前向きな意見をいい、人の文句をけして言わない、誰とでも話を合わせる調整能力をもち、上司の指示ならなんでもすぐに動く。そんな無責任で汚ねーやつ(確信犯的なうそつきです)が大嫌いな生涯ひねくれ者の8郎です。

   

   ◆     ◆     ◆     ◆     ◆

 

 さて、11月は好天が続きそうです。楽しみにしていた愛息のためにも、キャンプはあきらめずにもう一度計画したいです。実現したらまたご報告します! 


虹のアーチ

2016年09月17日 | 読書

 台風16号(名をマラカスという)が沖縄本島に近づいています。夕暮れの東の空も空模様がかなり怪しくなっていました。短いながらも虹が出ていたので撮影。意外とスペクタクルな絵になっていますな。

 よく見るとうっすらともう一本。縁起がいいのだと思っておきます。

 さて、シルバウイーク中に幼稚園で最初で最後の運動会を迎える愛息10郎。台風の影響を憂い、手作りのてるててる坊主を下げていました。そのおかげか運動会は早々と雨天決行が決まりました! 今年も「かけっこで1位になる」とのたまっています(笑)。プラス思考の6歳です。

 そんな愛息には最近奇妙な習癖が現れました。なぜか、足の裏をこちょこちょされるのにはまってしまい、すきあらば「こちょこちょして」と迫ってくるのです。くすぐったいのをこらえるのが苦痛かつ快感らしいです。わが子ながら不思議な6歳だなぁ。先日も勉強中の父の部屋に入るなり、「はい、こちょこちょして」と足裏を見せる始末(爆笑)。

 「今は勉強中だからあとでな」と断り、30分後にリビングにいくと、待ってましたとばかりに、背を、いや、足裏を向けて寝ます。仕方なくこちょこちょしてやりました。眠るときの物語のさいも、「物語しながらこちょこちょして」と要求してきます(笑)。すぐにあきるだろうと思い、やってあげていますが、そうするとよく寝るのです! しばらくは付き合ってあげるか~。おい、足ちゃんと洗えよ。

 話は変わり、かなり久々に読書ネタです。

 宅建試験を始めてから、読書量が落ちていたのですが、気分転換にとネットで買った以下の2冊は面白かったです。『ヤクザになる理由』は「人がヤクザになるのは家庭環境、社会支援の不足が原因であり、個人責任ではない」というテーマ。非常に考えさせられました。データやインタビューからの分析で、「父親の不在が子供に与える心理的影響は大きい」などとという主張にも個人的に納得しました。「頑張るシングルマザー」を美化するのはよくないという指摘にも同感です。シングルマザーは絶対的に不利ですからね。そして、生まれたときから愛情のかけらもない非常な暴力の世界を生き抜いてきた人間に、一般道徳を求めても無理だということに、気づかなければならない時代に来ているということでしょう。しかし、この国は総中流という概念を捨て、格差社会を拡大中です。悲しい限りですね。

 もう一冊の『真実~新聞が警察に跪いた日』は10年くらい前、日本中を騒がせた北海道警察の裏金問題をスクープした北海道新聞が警察のいやがらせともいえる逆襲によって崩れ落ちるさまを描いたノンフィクションです。メディアが権力に屈する様子がありありと描かれていました。あまりに面白くて夜中の3時間で読破しました。社会正義を訴えるマスコミが、敵はうちにあり、というのではもはや機能しないのでしょうね。

 みなさんも機会があればぜひ読んでみてください。 

 さて、明日は宅建の最終模試です。本番まで残り1カ月。ここでそれなりの成果を出さないとほぼだめです。模試とはいえ本番の感覚で受けてこようと思います。午前中は10郎の運動会に参加し、午後からの挑戦です(ブログ更新してる場合かっ)。最低でも30点を目指して。(去年は21点の惨敗。本番も25点と涙をのみました)。

 もし、それなりに満足できる得点だったら、自分へのご褒美として月内にダイビングを検討しようかと、妻に内緒で考えております・・・。そうなってないような気がして怖いっ。得点源にしないといけない宅建業法がなかなか伸びてこず、焦っています。本番合格へ虹のアーチをかける模試になればと願う次第です。

 そんな邪念はともかく、とにかく、頑張るぞ! もう寝ます。