沖縄 8 Scene

沖縄で生まれ沖縄に生きる
      8郎家の日記

3つだけの夏桜

2020年08月25日 | スキルアップ

 中小企業診断士1次試験の結果が発表されました。もちのもちろん不合格でした(笑)。

 科目別で見ると自己採点通り、「経済学」「経営情報システム」「経営法務」の3科目は合格していました。猛暑の夏に3つだけ小さな桜🌸を咲かせることができました。自己採点で60点ジャストの「経営法務」が超~心配だったのですが、試験前夜から朝方までの努力が、見事、指先一本の滑り込みセーフをもぎとりました!(8郎を起こしてくれたのはやっぱり「来年合格した自分」だった、ということにさせてください)。全体不合格の中の3科目合格なので、うれしい、というわけでなく、ほっとした感が強いですね。

【後日追記】試験実施団体より科目合格通知が届きました。3科目だけですが“合格”という文字を見て心の底から安堵しました。

 ところで、同時に発表された統計データを見ると、驚きの数字が目に飛び込んできました。なんと、全体の合格率が史上最高の42.5%ではありませんか! 2人に1人近くが受かっているということになります。ものすごく易化していたことを意味し、衝撃でした。絶対合格をかかげて頑張ったつもりが、40%にも入れなかったのです。・・・まぁ、今年は新型コロナウイルスの影響で、多くの受験生が受験を控えた(申込者2万人超のうち受験者数は1万3千人)という特殊な事情もあるので、この確率を例年と単純比較することはできません。でも、それを差し引いても過去最高に匹敵するくらい合格しやすい年だったことになりそうです。己の力不足、努力不足を恥じるばかりです。

 全国最年少は16歳(毎年恒例ですが言わせてください「おれの31年返せ~」)、最年長は81歳でした!(妻方の父と同年齢です)。老いることのない向学心にリスペクトしかありません。8郎も死ぬ直前まで何かを学び続けたいと思うとります。

 ちなみに沖縄県内では30人の方が合格していました。8郎より努力された方々です。負け惜しみではなく、素直におめでとうございますと申し上げたい気でいっぱいです。頑張ったつもりの47歳サラリーマン8郎よりもっと日夜頑張っていたわけですから。合格者の陰の努力は不合格者が一番よく分かっています。48歳になっている8郎も来年こそこの中に入るぞ! 

 2千里の道はまだまだ道半ばです。

 

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 あとは8郎家のよもやま話です。

 先日、家族で浦添市内の「やっぱりステーキ」を初めて利用しました。コロナの影響でガラガラでした。正午を過ぎるとそれなりに入ってきましたが。

 肝心のメニューも「欠品」が多くて残念。看板メニューの「やっぱりステーキ150g」を注文しました。1000円なのでコスパは最高ですね。 

 我が家のグルメ小僧も久々のステーキに満足していました。コロナが落ち着いたらまた来ます。

 人間ドックを受けてきました。ほとんどの数値が前年より改善し、体重も久方ぶりの70㌔台にギリギリ到達していました。筋トレと減食の効果が表れていたのでうれしかったです。

 3科目合格と70㌔台復活を祝って、スイーツおじさん自らへのご褒美です。最近ハマっている「スーパーカップ苺ショートケーキ」です。 これで80㌔台に即復帰ですね(泣)

 冗談はともかく、70㌔台になるととても体調がいいので、あきらめることなく50歳を70㌔前半で迎えられるよう、頑張ります。

 久方ぶりにSDカードをAMAZONで購入しました。32GB(ミニ)と128GBの2枚です。

 週末のイベントで有効活用したいと思います。台風だけは来ないでくれ~。

 今日はこれにて。


暑い 痛い

2020年08月18日 | その他

 新型コロナウイルスの感染拡大がとまらない中、8月ということもあって、記録的な暑さ☀もトピックになっています。静岡県浜松市では先日、国内史上最高タイとなる41.1度を記録したのだそう。沖縄生まれ沖縄育ちの8郎も体験したことのない世界です。体温より熱い気温ってことは高熱を出したとき、どんな感覚になるのでしょうね。このタイ記録もすぐに更新されそうな勢いで猛暑は続いています。下写真は絶景テラスからの朝日。まさに燃えるような太陽。レンズ越しに目を痛めそうになりました(アブね!)。

 しかし、そんなことよりもっと恐ろしいニュースが速報で出されました。国内総生産(GDP)の4~6月期速報値が年率マイナス27.8%と戦後最大の落ち込みとなったのです。右肩下がりの会社に勤める妻子持ち40代後半おっさんにとって個人的に一番怖いニュースです。中小企業診断士試験の「経済学」でも「経済史で必ず覚えなければならない出来事」とされる「2008年リーマンショック」を上回る落ち込みなのです。このボディブローは数年内にきっと8郎たち庶民に、立っていられないくらいの激痛を与えるでしょう。それまでにやるべきことをやっておかなければなりません。と気を引き締め直した次第です。

 

 愛息10郎がものもらいを患ってしまいました。夜から急に右目を痛がりだしたので、病院に連れて行くと、医師から「汚れた手で目をこすっていますね」との指摘。簡単な切開手術(かなり痛がっていました)と投薬を受けました。それにしてもコロナ禍よる休校中で外にも出てないのに不思議です。

 短いですが以上、暑い、痛い、のお話は終わります。

 さて、話は変わって。

 気づけば購入から10年がたっていた愛竿「リバティ」を修理に出してきました。竿先が折れっぱなしだったからです。

  修理代は400円。高いのか安いのか分かりませんが、部品交換するよりは間違いなく安くつきました。

 リール糸も初めて交代。500㍍で600円程度の格安のやつです(安いゆえに巻き癖があるのだとか)。適当な号数も分からなかったので店の人に教えてもらいました。5号にしました。

 なぜ、久しぶりに釣り竿を手入れしたかと言うと、ちょっとしたイベントを計画しており、そこで釣りの機会が訪れそうだからです。台風シーズンでもあるので、実現できるか微妙ですが、実現できたら当ブログでご報告したいと思います。その日が来るのを、どぅしぐゎ~た~と楽しみにしています。

 暑い!でも 楽しい! になることを願って、今日はこれにて。


第2波の家キャン

2020年08月09日 | キャンプ、車中泊

 新型コロナウイルスの第2波襲来で、沖縄県も1日当たりの感染者数が100人を超えました。人口比率でいうと全国最悪の状況です。しばらくは続きそうな感じがします。みなさんも感染対策を徹底しましょう。

 さて、学校が夏休み中で3連休を迎えました。とはいえ、外出自粛ということで安易に外には出れません。ということで、第1波のときに続く、今年2度目となる“家キャン”にトライしました! 

 天気は晴天。最高のアウトドア日和なのですが、仕方ありません。ちなみに翌日からは急に発生した台風5号のおかげで悪天候になりました。

 あ~、昼から飲むビールのうまいこと。男の料理にとりかかるときに必須ですね。

 妻がリウボウで買って切れくれた牛肉を焼きます。せっかくなのでフライパンではなく炭火で焼きます。

 マンション住まいで広い庭などないため、もちろんテラスBBQです。近隣住宅への影響を避けるために、数年前に購入した煙の出ない「ロータスグリル」を使用しました。独特の構造のため火力はちょっと弱いのですが、マンションでは必須です。匂いは発生しますが、これは室内で焼いても換気扇から外に出るので、同じだと考えています。数回使っていますが、お隣近所からクレームが来たことは一度もありません。買ってよかった一品です。

 まずは底板に液体の着火剤を塗り、点火します。この日が炭を燃やすのです。

 炭はロータスグリル専用。燃えやすいように割られた小ぶりサイズなので、火力が弱い一因です。

 下部には小さな扇風機が付いているので、つまみで風力、火力を調整できます。

 ジュワ~。おいしそう!

 このロータスグリル、コロナによる在宅時間の増加もあって、再び人気が再燃しているようです。興味のある方は、公式サイトをご覧ください。

無煙炭火BBQグリル【ロータスグリル公式サイト】

 

ロータスグリル

 

 

 もう一品にも挑戦。メスティンを使った簡単パエリアです。

 パエリアに必須のサフランを適量入れます。このサフラン、いつ見ても蚊の幼虫に見えるのは8郎だけでしょうか(料理するときに言うな!笑)。

 3色のパプリカとイカ、エビを投入。味付けのオリーブオイル、塩コショウを入れて30分寝かせます。

 ガスバーナーで20分ほど熱すると・・・。

 完成~! 色鮮やかです。おいしそ~。

 でも正直いうと、かなりの薄味で失敗でしたね。レシピを守らず、よくばって米を1号半入れた食いしん坊おじさんの悪い癖です。

 家族3人、腹いっぱい食べたあとは、恒例の宅シネマ「シネマス10」の開館です。今回上映されたのは『屍人荘の殺人』(2019年、木村ひさし監督)です。ミステリー小説部門で主要賞4冠を獲得した原作は途中で投げ出していますが、絶賛されたトリックとどんでん返しの結末が気になっていたのです。

 結果からいうと、とても楽しめる映画でした。テンポもいいですし、ところどころにギャグもちりばめられており、子供も楽しめます。賞4冠で絶賛された、ゾンビの習性を利用した超絶トリックには、あまり納得できませんでしたが、謎解きの展開も論理的で面白く、エンターテイメントとしては90点以上と言えます。ただし、エンディングは超あっけなく、非常に物足りないです。家族3人で「え、これで終わり?」と口を合わせたくらいですから(笑)。真夏の夜のワイワイガヤガヤ鑑賞にはおすすめです。

 主役たちが大勢のゾンビに襲われるシーンで、毛布にくるまって表情をこわばらせる10郎。まだまだかわいいもんです。感想については「とっても面白かった」と満足気でした。

 下写真は妻が百均で買ってきてくれた、かわいらしいソーラータイプの照明です。今回はあまり活躍しませんでしたが、今後のアウトドアで出番がありそうです。

 以上、とてもまったりとした2回目の家キャンプ報告でした。今回は、お手軽をテーマにサンシェードやマットも使わなかったので、片付けも楽でしたね(家キャンといえない? 笑)。

 さて、怠惰な生活はこの日で終わりにして、3連休の最終日は勉強します! 腹が出てきているので筋トレも、ですね(汗)。

 今日はこれにて。


暑すぎる8月

2020年08月09日 | その他

 8月に入り、気温の上昇がさらに高まっています。毎日32度超え🥵です。とはいえ、県外のほうが35度を超えたりで、今や沖縄が一番過ごしやすいのかもしれません。いつの間に、こんな日本になったのでしょうか。地球温暖化のスピードおそるべし、ですね。早朝の絶景テラスから見るまだ優しい太陽にも「今日もどれだけ暑くするば~」と気が萎えることもしばしば。

 愛息10郎が夏休みで在宅のため、家のクーラーはほぼ終日つけっぱなしです。気づくと、7月分の電気料金が恐ろしいことになっていました。記憶の限り人生初となる月2万円超えです! 親子3人3LDKでこの金額って高いですよね? 

 いびきがうるさいと妻に言われるので、時折、8郎だけ別室で寝ているのもあって、そのクーラー代も加算されているでしょう。なるべく3人、一部屋で寝るなりして電気代を抑えなくては、家計は火の車です。

 そんな暑すぎる8月。久々に足を運んだパレットくもじの地下街で食べた冷やし担々麺。辛口ですが、とてもおいしゅうございました。不思議ですが、辛いものは暑い夏に合いますね!

 ある休日の炎天下、骨折のため野球の練習に参加できていない10郎のたっての希望で、宜野湾市運動公園でピッチング練習をしてきました。海に近いのに、風もほとんどありません。あまりの暑さに10郎のコントロールも定まらず、父8郎も体力を消耗するだけで(泣)、30分ほどで退散しました。しばらくは室内のタオルピッチングでフォームづくりをさせておきます。

 帰宅後は10郎もごらんのとおり、グータラ過ごしています。父8郎は、そんな息子にグータラ小僧と名付けました(そのままあらに!)。ネーミングをひねる努力を放棄させたのも、この異常な暑さのせいです。

 妻の職場に向かう途中にある浦添市のカフェ「コピリーナ」で10郎がタピオカ入りコーヒーを注文したので、47歳おっさんも人生初のタピオカを一口飲んでみました。感想はというと「こんなわけ分からん柔らかい物体いれるくらいなら氷をいれてくれ!」。(タピオカファンのみなさん、ただの暑がりおじさんのわがままなので、気にしないでください)。

 ちなみにこのコピリーナさん、パン系もおいしいです。ぜひ足を運んでみてください。

 最後の写真は、8月5日に沖縄地方で確認された、空がかすんで遠くの景色が見えづらくなる「煙霧」の空です(妻撮影)。後日の報道では「琉球大学と長崎大学の合同調査によると、主な原因は小笠原諸島の西之島が噴火したことによる火山灰や、火山ガスが化学反応して生成された粒子によりPM2.5の濃度が高まったためだと考えられる」とされていました。副鼻腔の調子がまた最悪になってきたのもこの影響かな。

 あまりの暑さにどうでもいいネタで押し通したお寒いブログです。みなさんの体感温度を少しでも下げていたら幸いです。冗談はともかく、熱い夏はシャワーも水で結構! 今から浴びるので、今日はこれにて。


息子に『三国志』

2020年08月08日 | 10郎

 前回お伝えした通り、アマゾンで購入していた懐かしの歴史漫画超大作『三国志』(作・横山光輝)の全60巻が届きました! 特別仕様の紙ボックスに入っています。かっちょい~。「決戦地図」というおまけ付きです。

 15巻ずつ4柱になって入っていました。ボックスの表には「大迫力の1万2059㌻」と打たれています。10郎、これから1万2059㌻ものドラマティックなストーリーが待っているぞ。1㌻、1㌻、大事に読めよ。

 愛息へのプレゼントではありますが、父8郎も自らの少年時代を思い起こして感無量でした。

 

 さて最初に、『三国志』そのものが全く分からないという方のために、鈍才💀軍師8郎による『三国志』簡単解説です。

 『三国志』とは・・・・

 中国の後漢末期の群雄割拠時代から、魏(ぎ)・呉(ご)・蜀(しょく)の三国が覇権をかけて争っていた約100年間(西暦180年頃~280年頃)の興亡史を記録した歴史書で、ほぼ同時代を生きた陳寿が記しました。これが、いわゆる正史とされるものです。その後、明の時代になって、これをベースに羅貫中らの手によって『三国志演義』が上梓されました。こちらは正史とちがってエンターテイメントの要素を多く取り入れており、「7割史実、3割創作」と言われているようです。日本では戦後1940年代に、文豪・吉川英治が『三国志演義』をベースに小説『三国志』を書き上げ、中国の古代歴史ロマンを日本の大衆文化に浸透させました。それまで、ただの暴君・悪役だった曹操を魅力的な英雄として生まれ変わらせたともされています。1970年代になって、漫画家の横山光輝氏が吉川版三国志をベースに漫画として新しい『三国志』を世に送り出しました。ド迫力の絵が加わったことで当時の8郎ら昭和の子供たちの間にも浸透するきっかけとなったのです(ちなみに8郎は吉川版三国志も中学生のときに完読しております)。近年ではゲームから入る子供たちが多いそうですね。

 お分かりいただけましたでしょうか? ちなみに当ブログでいう三国志とは基本、横山先生の漫画版を意味しています。

 その横山版『三国志』は8郎個人的にも、人生で一番思い入れのある漫画と言えます。というのも中学生時代に堅物の父が唯一購入を許してくれた漫画だったからです。本当は、ちゅーばーぐゎーしーして当時はやっていた『ビーバップハイスクール』やゲームソフト『ドラゴンクエスト』を買いたかったのですが(笑)、極貧の家計もあって高圧的な父には言えませんでした。しかし社会人になって、沖縄版〝富裕層の高学歴〟の人たちと職場を一緒にすると、意外にも三国志ファンが多いことに驚きました。あの時「俺の周りでは誰も読んでない」という思いをしていた人がこれだけいたのにも同様に驚きましたね(笑)

 全60巻が一気に手に入った愛息。ご機嫌です。左手骨折で野球の練習も行けてないので、読む時間は取れるかな! そもそもコロナの第二波で、野球も中止ですが。

 高さ10数㌢、幅100㌢強の壁ですが、壮観です。まさに漫画版、万里の長城! 

 さぁ、昭和世代おっさんの三国志の魅力について語りたいと思います。1万2059㌻とはいきませんが、長くなりますので興味のない方はページアウト必須です。3つあります。

 まず1つ目は、登場人物の魅力あふれるキャラクターでしょう。登場人物は総数千人を超え、有名武将だけでも100人といわれるほど。みな個性あふれる人物です。人気ランキングをネットで検索すると、あるサイトの結果では、1位はもちろん天才軍師・諸葛亮孔明(しょかつりょう・こうめい)で、2位が関羽雲長(かんう・うんちょう)、同列3位が曹操孟徳(そうそう・もうとく)劉備玄徳(りゅうび・げんとく)趙雲子龍(ちょううん・しりゅう)となっていました。納得の順位です。

 個人的には多くのファン同様、諸葛亮孔明が一番好きです。まずは、小国ながら大国の魏・呉を相手に一歩もひるまないどころか、奇想天外な作戦でやりこめる希代の戦略家としての才能です。大国を相手に今すぐには勝てない、とし、当面は中国を3つに分け、力を蓄え、機を見て統一を図るという壮大な「天下三分の計」を劉備に示すなど、長期スパンに立った戦略の立て方は、8郎が今学んでいる『企業経営理論』の戦略論にも通じるものがあります そして、仁義です。自分を重用してくれた恩師に対する忠義を生涯忘れない生きざまが、かっちょいいのです。自分の才能に確固たる自信を持ちながらも、この方がいなければ今の自分はなかった、と生涯感謝を忘れない心。男らしいっす。8郎的にも三国志の真の主役は孔明だと思います。孔明亡きあとの最終巻までの数巻は姜維(きょうい)などの後継スターも出てきはするのですが、太陽が沈んだあとの夕暮れ時のような何ともいいようのない虚しさを感じますので。

 そして、勃興期の主役とされる劉備玄徳。人徳のあるリーダーとして描かれています。息子くらいの年齢の孔明を三度も訪ねて軍師として招き入れる謙虚な心と懐の深さは、後世に『三顧の礼』として語り継がれています。義弟の関羽が呉に殺された怒りから、無謀な仇討ち「夷陵の戦い」を敢行して大惨敗を喫してしまう人間らしさも魅力的です。その部下を思う姿勢が、部下から慕われる人徳でもあったのでしょう。

 そして劉備のライバルとして基本悪役に描かれる曹操。若かりしころ、顔相師から「乱世なら奸雄になる」と評され、「それもよかろう」とほくそ笑えんだふてぶてしさも最高です。「このくっそきたねー世の中にきれいごとなんかいらねー。誰よりもきったねー手段を使って誰よりも先に天下獲ったるわ!」という割り切った生き方(笑)もいいですね。波乱に満ちたドラマティックな人生は、三国志の真の主役といわれるゆえんです。「出世モノ」が大好きな日本人作家なら天下統一モノとして主役に置いたでしょうね(でも、だとしたら三国志はここまで人気は出なかったはずです。弱いものが強いものに挑むストーリーこそが千年も読み継がれている理由だからです)。

 ほかにも語りたい人物が星の数ほどいるのですが、時間がないので3人で止めておきます(笑)。

 

 2つ目は、名場面、名ぜりふにあふれているところです。劉備関羽張飛の三人が「乱れた世の中を建て直そう」と義兄弟の契りを交わす「桃園の誓い」に始まります。残虐王・董卓を倒そうと各地の豪傑たちが集まった「虎牢関の戦い」は前半最大のオールスター戦となります。曹操にヘッドハンティングされた関羽が、5関所6武将をぶった切って(怖)劉備の元へ駆け戻る「関羽の千里行」、劉備孔明を招へいする「三顧の礼」はともに日本人好みの義理人情の世界です。劉備と曹操の初の全面対決となった長坂の戦い」では、劉備軍は敗退するものの張飛が「われこそは張飛なり。死にたいやつから前に出ろ!」と文字通り一騎当千で曹操軍を退け、趙雲曹操に奪われた劉備の息子・阿斗をたった一人で救出する大活躍を見せます。そして何といっても三国志の最大のヤマ場である「赤壁の戦い」! 弱いものたちが力を合わせ強いやつをやっつける名場面であると同時に、三国志史上最大のオールスター戦でもあります。「関ケ原の戦い」の百倍くらいのスケール感にあふれています。実際に勝利に導いたのは呉の軍師・周瑜の作戦らしいのですが、横山漫画では風を読んだ孔明の手柄のように描かれています(笑)。孔明が主役となる後半は悲壮感ただよう名場面が増えます。孔明が非情なリーダーシップを見せる「泣いて馬謖を切る」、打倒魏を狙った「五丈原の戦い」で死期を悟った孔明が、敵の軍師・司馬懿仲達を混乱させる秘策を部下に残しておく「死せる孔明、行ける仲達を走らす」など名場面にキリがありません。後述する「出師の表」は涙なしには読めないと言われています。“3割創作”だと言われても、すでの多くの三国志ファンの中では確固たる歴史ドラマとして脳裏に刻み込まれているのです。

 ほかにも裏切り、賄賂、忖度野郎、駆け引きなどなど熾烈な権力争いも徹底して描かれており、サラリーマン社会に生きる現代人にとっても数えきれないほどの教訓にあふれています。 

 3つ目は、60巻を読み終えたときに胸にこみ上がる壮大な無常観と言えるでしょう。魏、呉、蜀の三国が激しく天下統一を争うのですが、結局3国とも野望を果たせずに滅亡し、新興国に天下をもっていかれる、という興亡史。結局この争いはなんだったのか、と子ども心にも考えさせられるはずです。戦争の虚しさ、盛者必衰の理を学ぶことができます。文武両道の象徴であり三国志屈指のスター豪傑でもある関羽が、呉にとらえられ、あっけなく斬首されるシーンでは中学生8郎も大いにショックを受けました。孔明が志半ばに五丈原の戦いで病死する場面もそう。これは一人の漫画家の空想によって世界がつくられた、そんじょそこらの漫画では体感できません。“7割史実”ですから!

 下写真は第1巻に登場する「桃園の誓い」の名場面です。いつの時代も若き日の志ほど美しいものはありませんね。その後どろどろの世界に足を踏みいれるだけに、若き日のピュアさは年々輝きを増します。8郎も年を取りました。。。

 いろいろ三国志愛を語ってしまいましたが・・・以上になります。

【閑話休題】日本の歴史に卑弥呼が登場するのは、孔明が死んだ数年後です。卑弥呼が魏に親書を送ったことが、中国サイドの『魏志倭人伝』(教科書で習いましたよね)に記されているようです。中国三千年の歴史は深すぎる! 中国とまともに戦っては勝てませんよ。

 

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 さて、47歳8郎が少年時代に『三国志』から学び、今もなお、人生訓として残っていることは、愛息10郎に学んでほしいこと、そのものでもあります。それは、中国3千年の歴史でも、豪傑たちの生きざまでも、サラリーマンの世界をうまく渡る権謀術数の世界でもありません。

 

 それは、

自分の人生を俯瞰的に見ることができるようになってほしい

ということです。

 

 ひらたく言えば、『三国志』を読むことで、壮大な歴史において一人の人生なんてちっぽけなものだということを体感してほしい、ということです。もちろん、ちっぽけな人生を卑下しているわけではありません。どんな人間だって一分一秒、一生懸命生きています。

 ただ、人間はどうしても自分だけの価値判断で悩んでしまいます。特に10郎がこれから迎える思春期はそうです。それは悪いことではなく人間の成長として必要な時期ですが、そこで間違った悩み方をしてしまうと、その後の人生で悪い方向に行ってしまうことも残念ながらあります(それはその人だけを責めても仕方ありません)。そんな精神状態のときに親や教師が一方的に「頑張れ」と言ったところで、どうにもなりません。ただし、そこで本人が自発的に視点を変えて自分を俯瞰的に見ることができれば、自分から方向性を変えることができると思うのです。ひらたく言えば、自分の中にもう一人の自分を持つ、ということです。自分の価値観だけで悩む自分だけでなく、歴史という広大なスパンの中にいる自分を俯瞰的に見ることができる自分、です。8郎も苦しい時はそうやって乗り越えてきたつもりです。

 

 10郎君もいつかは自分の力ではどうにもならない絶望の淵に立たされることもあるだろう。心が折れそうになったときこそ、自分はここで立ち止まるだけの男なのか、そう自分に問いかけることができる男になってほしい。どんな時でも、時は進み、世界は動いているんだ。それに気づける男になってほしい。気づいたらどうすればいいか分かるだろ? ちょっと休んだあとは、立ち上がるしかねーだろーが!🔥

 

 天下をとった武将ではなく、右肩下がりの会社に勤める庶民派サラリーマンから息子へのメッセージです。

 つまり、父ちゃんが言いたかったのは、自分の価値観だけで悩んで終わってしまう、自分の可能性を自分でしぼめてしまう人間にだけはなってほしくない、ということです。自分の考えだけで生きていけると思うな。世の中には人の数だけ考えがあって、どれが正しいのかなんて、誰にも決められない。ただ、その矛盾と不安だらけの中でも、自らの道を切り開き前に進むためには、自分の信念を持たなければならない。そしてその信念を貫ける男になってほしいのだ。それこそ、最後に勝つ男だと思う。

 そんな父の夢想に感化されたのか、超大作『現代版三国志』の執筆に着手した小さな巨匠です。登場人物はなぜか全員同じ顔をしたイケメンです(笑)。まだ10歳なので、権謀術数の世界にはなじめず、豪傑たちの一騎打ちのシーンが大好きなようです。現在好きな豪傑は張飛だそうです。劉備を助けるべく、武器をもった男たちを素手で殴り倒す初登場シーンは、いつ見てもかっちょいいからね。酒好きがたたり部下に裏切られる人生(泣)もなんだかも憎めません。 

 クソ暑い8月に熱い話をして申し訳ございません。そろそろ終わります。おっさんの三国志愛にお付き合いいただきありがとうございました。

 さて、劉備が「三顧の礼」で孔明を招いたとき、そして、その孔明が天敵の魏を討つ〝北伐〟の決意と亡き劉備への感謝の意をつづったかの有名な「出師の表」(すいしのひょう)を書き上げたとき、ともに47歳だったそうです(現代でいうと還暦あたりでしょうか)。時代が違うので比較するのもなんですが、同じく47歳の庶民派サラリーマン8郎も、今年を意味あるものにしたいと思います。もう8月だから半分過ぎてるけどね~。

 これから妻を含む家族3人、「三国志」祭り(布団に入って漫画を読む)を始めますので、今日はこれにて。