私が生まれて初めて胡座を組んで、静かに座り続けようと思った時には、真っ暗闇の中で1時間でした。 スタートは気功の中の静かな功ー静功でしたが、意識を一点に集中して座り続けると云う意味では、座禅と変わることはありません。
続けている内に自然と、宇宙とかこの世の創造主のこととかを、意識するようになるからです。
静功の会の先生の云われることには関係なく、自分でもよく覚えておりませんが、無我夢中で深呼吸の要領で、大きく息を吸ってから、出来るだけ長くゆっくりと息を吐いておりました。
ラジオ体操の時の深呼吸や、深海に潜る前にダイバーが大きく息を吸う時に、お腹の皮が背中に着くぐらいに凹ます姿や、極真空手の創始者の大山倍達さんの自伝映画で観た、空手の演武をする時の呼吸法をなどを思い出しながら、ひたすら長く吐く呼吸を行っていました。
感覚的に45分ほど経った時に、頭に上に電子の輪の帽子を被ったような、状態になったのです。 生まれて初めて感じる感覚でしたが、間もなく1時間が過ぎて明かりがつけられました。
それがきっかけで自ら毎晩、半身浴で入浴した後に、隣室で家族がテレビを観ている音が聴こえる中で、部屋を真っ暗にして1時間座り続けました。 日中、電車の中や事務所の机の前で、ちょっとした時間を使って軽く目を閉じて、深呼吸の要領で大きく吐く呼吸を行っていました。
長く息を吐く内に自然と吐く息は、イメージで体の中へ吐いていました。 1ヶ月半経ったときに、突然、自発動と云う体の気が勝手に動き出すことになり、下腹にある臍下丹田が活性化して、心臓のように鼓動をし始めたのです。
私は、これらのことを反芻すると、座禅は、如何にして意識を集中し、心身の深層部までをも静かな状態にすることが、とても大切なことだと感じたのです。 そのためには一定時間、静かに座り続ける必要があるのです。
それが1時間の時間なのです。 はじめが肝心で、初心者だからといって20分や30分の座禅時間では、座禅の本当の意味での真髄は分かりません。