小学校の級友で、元銀行マンでシンガー・ソングライターで活躍している人がいます。 小学校で6年間、その後クラス会やゴルフの会で会う機会がありますが、その友人から学ぶことがあります。
私達は生まれて子供のころは、自分たちの感覚は素直で、その表現も感じたままを表すものですが、親や周りの子供たちや大人たちの影響を受け、次第に素直に表現出来にくくなってしまうのです。
私は友人が歌う、創る歌が、とても素直に表現しているなあと、ある時感じたのです。 私は自分の子供を育てるときには、是非いつでも自分を素直に表現できる子供に育って欲しいと思い、そのように育ててきたつもりでした。
小学校に入る前にお絵描き教室で描いてくる絵は、自分でいうのもおかしいぐらい素晴らしい表現でした。 それが幼稚園に入ろうかという時に、私は申し込むのに、わざわざ夜中に並ばなければ入れないような幼稚園なら、入らなくても良いと思い、子供を幼稚園に入れませんでした。
ある時お絵描き教室の先生が我が家を訪ねてきて、「何かあったんでしょうか。 描く絵が全然違って来てしまったんですが」、と描いた新しい絵を持ってきて言うのです。 その絵を見てびっくりしてしまったのです。
それまでの絵は画用紙をいっぱいに使って、のびのびと大胆に描いていたのに、小さく女の子が泣いている絵なのです。 近所の子供たちが幼稚園に行ってしまうと、我が子は一人寂しく感じていたのでしょう。 こんなにまで感じさせてしまっていたのかと、後悔の念でいっぱいでした。
遅まきながら幼稚園の園長先生に顔の効く、近隣に住む我が師に頼んで、幼稚園の入園を図りましたが、結局入園できたのは、半年間だけでした。
私自身も遅まきながら、いつも如何に素直に自己表現できるかを意識して、毎日の生活を送っております。