ひとり座禅のすすめ

自分ひとり、坐禅(靜功)を日常生活の中で取り入れていくと今までと違った感覚を覚えていく。

舌を上の歯の付け根に付けて呼吸法を行う意味は

2010-03-25 08:54:22 | 座禅
 座禅のときには、舌を上の歯の付け根に付けて行ないなさいと、禅宗のHPに書いてあります。 どうして舌をそのようにしなければならないのかの記述はありません。

 吐く息を出来るだけ長く吐くことにより、吐く息を意識することにより、吐く息だけに意識を集中することにより、吐く息をイメージで体の中へ吐くことにより、自分では分からなくても、意識する呼吸法を続けているうちに、自然と眠っていた体の中の気の通り道である経絡を、刺激することにつながります。

 生来、呼吸を意識しなかったものを、意識しながら吐く息をゆっくり吐くことによって、体の中の気の流れを感じるようになります。 1時間の静かさの中で行なう座禅を続けていけば、自然と感得できることなのです。

 体の中を流れる上半身の大きな流れは、体の後ろの中心部を流れる督脈と、体の前部の中心部を流れる任脈がありますが、体の後部と前部をつなぐのが、口の中の舌と、それとくっつく上の歯の付け根になるのです。 どういうわけか、そのあたりの記述は禅宗のHPにはありません。

 経絡は神経の腺に沿って流れていますので、主要な流れのほか、体中の細部にまで流れていきます。 微細な神経の集中する脳が、一番感じやすい部分ですが、皮膚と骨が近接する箇所も、感じやすいところです。 脳の次に感じやすいのは、背中の背骨があるところです。 督脈と任脈は、比較的皮膚のすぐ裏側に流れていますので、頭部とか背中の中心部が感じやすいのです。 

 半身浴を継続的に長く行っていると、背中がヒヤッと冷気を感じることがありますが、これは背中の侠脊関(きょうせきかん)という気の溜まる部分が、活性化したときです。 

 顔面にも皮膚の裏側に気の流れる道がありますので、静かに呼吸法を伴いながら座禅を行っていますと、その流れを感じることになります。 目のまぶたの周辺も流れており、流れの感触は時間の経過とともに、硬い感じから滑らかさを増してきます。 滑らかになってくる時間は45分以上(1時間といったほうが正確かもしれません)なのです。 硬さから力が抜ける感覚は、1時間経たないと得られない感覚なのです。

 勿論、目の周りのまぶたも然りです。 30分の座禅を何回行っても、いつも野球でいえば肩ならしでしかならない理由は、ここにあります。 足の痺れは慣れてしまえば、何でもありません。 実は足の痺れもなくなってくるのです。

 下腹にある臍下丹田を意識するといいながら、その辺のことを一切記述がない禅宗のHPは、どういうことなのかは分かりません。