ひとり座禅のすすめ

自分ひとり、坐禅(靜功)を日常生活の中で取り入れていくと今までと違った感覚を覚えていく。

胎息は私達みんなが胎児の時に行っていた呼吸です

2010-03-11 07:21:10 | 胎息
 胎息という呼吸があるのを知ったのは、座禅(静功)行なってから1ヶ月も経たないころです。 その本には、具体的な呼吸の仕方については、何も書いてありませんでした。

 私は座禅をはじめた当初、何も分からないままに、吐く息を出来るだけ長く、イメージで体の中へ吐きながら、吐く息だけに意識を集中しながら、真っ暗な部屋の中で1時間の座禅を、行っていました。

 吐く息が体の中へ入っていくのを、自分自身で実感するために、吐く息が聞こえるように、吐いていました。 座禅の声かけをしてくれた大学の級友とともに、1週間に1回の座禅会に行っておりましたが、3回目の座禅会が終わった後で、級友からもう少し静かに座禅をしろよと、注意を受けました。

 次回からは、殆んど吐く息が聞こえないように、吐きました。 それ以来、日常的に我が家で行なう1時間の座禅も、息音を出さない静かさの中で、行っていました。 

 座禅を行い始めて何年か過ぎたある日、胎息という言葉を思い出し、そのころになると、吐く息も殆んど息をしているかどうか、分からない状態になっていましたので、ひょっとして息をしなくても済むのではないかと考えました。

 早速、息を止めたのですが、感覚的には、これが胎息なのかと分かったのです。 息を止めてしばらく座禅を行い、肺呼吸を行おうとすると、苦しい感じがしました。 そのとき、胎息を行って肺呼吸に切り替わる時に、胎児がお母さんのお腹の中から出てくる時に、「おぎゃー」という泣き声は、その呼吸が切り替わる時に出てくる泣き声なのではないと感じたのです。

 私達は、生来、意識しなかった呼吸を意識し、吐く息を出来るだけ長く吐く事によって、胸式肺呼吸から腹式呼吸へ、腹式呼吸から胎息へ、遡って胎息が出来るように、なるのではないかと感じた時でした。

 胎息を皮膚呼吸という言い方をする方がおられますが、基本的には下腹にある臍下丹田が活性化し、心臓のように鼓動をはじめ、気の呼吸が当たり前のように行われて、初めて行なえる呼吸法ではないかと、思っております。

 胎息とは、肺呼吸を伴わない気の呼吸なのです。