速報・・・・「長期優良住宅」基準の建物が実物大実験で倒壊

2009-10-29 07:12:02 | 地震への対し方:対震
[アクセス先 追記 29日17.08][日本経済新聞 28日 朝刊記事 転載 18.00][註記追加 18.10]

先回の「耐震診断・耐震補強の怪-3」のコメントに、標記についての情報が寄せられました。
コメントにその内容を載せましたが、見やすいように記事にもしておこうと考え、以下に転載します。

出所は28日の「日経」ネット配信ニュースです。なお、実験の動画もあります。アクセスは下記で。

http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20091028AT1G2703J27102009.html
http://www.youtube.com/watch?v=IJQW8fuCwDc

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「長期優良」でも倒壊  3階建て木造住宅耐震実験 防災研

防災科学技術研究所などは27日、大型震動台「E―ディフェンス」を使って
3階建て木造住宅を揺らし、耐震性を試す実験を実施した。
その結果、
震度6強で、揺れに耐えると考えられた「長期優良住宅」の基準を満たす住宅が倒壊。
実験を指揮した東京都市大学の大橋好光教授は「基準に問題はない」としているが、
3階建て住宅の増加もあり、同研究所は設計上の課題などを探る。

実験では同じ設計の木造3階建て住宅を2棟使用。
1棟は「耐震等級2」を満たす長期優良住宅。
もう1棟は柱の接合部のみを弱くしてあり、同等級を満たさない。

2棟を並べて耐震基準の1.8倍、震度6強相当の人工地震波で約20秒間揺らした。
実験した住宅はともに耐震基準の1.44倍に耐える設計だが、
実際には余裕を持たせて建築しているため揺れを上乗せした。

その結果、長期優良住宅は揺れ終わる間際に壁が崩れ横転するように倒れた。
計画では、ぎりぎり倒れないはずだった。
もう一方は揺れ始めて約10秒後に柱の接合部が壊れたが、完全には倒壊しなかった。(07:00)

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「長期優良」の3階建て木造住宅、震度6強で倒壊 防災研が実験  [10月28日/日本経済新聞 朝刊]

防災科学技術研究所などは27日、大型震動台「E―ディフェンス」を使って
3階建て木造住宅を揺らし、耐震性を試す実験を実施した。
その結果、震度6強で、
揺れに耐えると考えられた「長期優良住宅」の基準を満たす住宅が倒壊。
実験を指揮した東京都市大学の大橋好光教授は「基準に問題はない」としているが、
3階建て住宅の増加もあり、同研究所は設計上の課題などを探る。

実験では同じ設計の木造3階建て住宅を2棟使用。
1棟は「耐震等級2」を満たす長期優良住宅。
もう1棟は柱の接合部のみを弱くしてあり、同等級を満たさない。

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坂本功氏の後を引き継いで現在「木造」をいわば牛耳っている大橋氏の「言い訳」に注目。

接合部が弱い「優良基準を満たさない試験体」の方が倒れなかった、というのが象徴的です。
「斗栱」による古代建築が、なぜ地震に強いか、実験してくれたみたいですね(当初の「東大寺・大仏殿」は、軒先が垂れたようですが、焼き討ちにあうまでの400年ほどの間、地震では壊れていない!⇒下註参照)。

   註 「日本の建物づくりを支えてきた技術-12・・・・古代の巨大建築と地震」

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2 コメント

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記事にしていただいてありがとうございました (praline)
2009-10-30 00:03:17
神戸新聞にも記事が載せられていました
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0002475074.shtml
この記事によりますと研究者の方が「与えた地震動が大きすぎたためで、耐震性に問題はない」とおっしゃったそうですが、正直一般ユーザーとしてはこの発言は腹立だしい限りです。記事の内容も、接合部を弱くした建物も「全壊」した事を強調し、「長期優良住宅」が倒壊した事実をぼかそうとしたかのような内容です。このような態度で、この結果を真摯に受け止め、安全な建物の研究が出来るのでしょうか・・・。

他の角度から撮られた動画も発見しました。
http://video.fc2.com/content/09.10.27%20E-%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%82%B9%E5%85%AC%E9%96%8B%E5%AE%9F%E9%A8%93/20091028cub1DWTK/
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「情報」ありがとうございます (筆者)
2009-10-30 02:35:55
仰るとおりです。
今回は詳しい図面が開示されていません。
「防災科技研」へ、図面の開示を問合せ中です。
神戸新聞の記事中の、揺れを大きくしすぎた、という大橋氏の言い訳は、scientific な説明ではありません。「強い」と仮定した方が倒壊したじたのは事実ですから。
予想として、次の言い訳は、精査したところ、施工にミスがあった、とでも言うのではないでしょうか。
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