うらうらと

【画像は私の蔵書、「愛吟集」(玉川大学出版部 1970年初版 1973年発行第7刷)より】

 一昨日ご覧いただきました「サイタ サイタ サクラ ガ サイタ」と題する記事に関連し、Facebookに

-----転載、ここから-----

賀茂真淵の和歌に

うらうらと
のどけき春の心より
匂いいでたる山桜花

があります。これを歌詩として我が恩師の師である岡本敏明先生が曲を付けた女声合唱曲「うらうらと」が玉川学園では歌い継がれております。おりましたと云うべきかも知れませんが・・・

-----転載、ここまで-----

と書いたのでしたが、書いてから気になり調べてみたところ、「うらうらと」の作曲者は成田為三先生であると書かれた記事をネット上に見つけました。その時点ですぐにそのことを追記し、楽譜で確認できる方がおられればご連絡いただきたいと記したのですが、今朝になり手元にある合唱曲集、玉川学園の「愛吟集」にその楽譜が掲載されていることに気づいたのでした。そこには「作曲 成田為三」と記載されておりました。

 学生時代に幾度も歌い、今でもその歌詩も旋律を覚えている曲でしたが、作曲者についてはとんだ記憶違いをしていたようです。

 「うらうらと」の楽譜が掲載されていた愛吟集は私が学生時代に使用していた、そして今も愛用している1970年発行(私が使っているのは1973年発行の7刷)の愛吟集です。1997年発行の改訂版以降には掲載されておりません。

 意図して創作された音楽は、その楽譜がなければ作曲者以外が演奏することができません。つまり「うらうらと」は、少なくとも我が母校、玉川学園においては1970年から1997年の27年の間にしか歌われていなかったことが想像されます。もっとも1970年発行の愛吟集に収録されていると云うことは、作曲されて以降、手書き・ガリ版刷りなりの楽譜が存在し歌われていたことは想像されるところですが。

 調べてみた限りでは、玉川学園の愛吟集以外では「女声合唱30番」(西崎嘉太郎編 東京音楽書院 1966年発行)に「うらうらと」が掲載されているようです。果たしてこの曲集がいつまで発行されていたのか知る由もありませんが、1997年版の玉川学園「愛吟集」の登場よりも前に絶版になっているであろうことが想像されますので、やはり1998年以降は、歌われる機会は少ないのだろうなと思うところです。
注:玉川学園「愛吟集」には女声合唱ではなく単に二部合唱と記されています。事実私はST-ABの混声二部合唱で歌っておりました。

 楽譜をご覧いただければお分かりの通りまさしく「うらうら」と、たおやかな旋律がカノン形式で歌われています。作曲者が岡本敏明先生だと私が思い違いをしていたのは、カノン形式の「うらうらと」が輪唱を合唱指導の基本に据えておられた岡本敏明先生の音楽指導論と一致していたからなのだと思います。「カノン=輪唱」は成田為三先生から岡本敏明先生に、さらに岡本先生に師事された我が恩師へと、合唱指導の基礎として受け継がれています。ですから岡本先生のお弟子である我が恩師に、学生時代から50年近くにもわたりご指導いただいている私の中に「うらうらと」が岡本先生の作品であるとして染み入るのは当然のことなのです。

 咲き始めた桜の社写真一枚から、私が岡本先生の孫弟子であること、成田先生の曾孫弟子である幸せを思い起こさせてくれた、実に有り難い「うらうらと」なのでありました。

【関係情報】
♪3日だけの先生、成田為三(玉川学園)
https://www.tamagawa.jp/social/useful/tamagawa_trivia/tamagawa_trivia-83.html

♪成田為三先生、岡本敏明先生(郷秋<Gauche>)
https://blog.goo.ne.jp/gauche7/e/95ba2222ee3e6834aa82eda9ccf94c5a
このページの下部に成田為三先生関連のリンクが記載されております。

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#うらうらと #成田為三 #岡本敏明 #高森義文 #玉川学園 #賀茂真淵

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