月見草?


老婆は何かしら、私に安心していたところがあったのだろう、ぼんやりとひとこと、
「おや、月見草」
そう言って、細い指でもって、路傍の一箇所をゆびさした。さっと、バスは過ぎてゆき、私の目には、いま、ちらりとひとめ見えた黄金色の月見草の花ひとつ、花弁も鮮やかに消えずに残った。三七七八米の富士の山と、立派に相対峙し、みじんもゆるがず、なんと言うか、金剛力草とでもいいたいくらい、けなげにすくっと立っていたあの月見草は、よかった。富士には、月見草がよく似合う。
(太宰 治著 「富嶽百景」より)

 太宰治も80年前に勘違いをした訳ですが、今でも多くの方がこの黄色の花を「月見草」だと思われていることと思います。この黄色の花は、待宵草(マツヨイグサ。正しくはメマツヨイグサか)。また、竹久夢二作詞、多忠亮作曲の歌曲の影響から「宵待草」(よいまちぐさ)と呼ばれることもあるようですが、本当の月見草は細くて低い華奢な体に不釣り合いな程の大きな白い花を咲かせます。

 本物の月見草については幾度か書いております。下のページにはそれらのリンクもご紹介いたしておりますのでご覧いただければ幸いです。
http://blog.goo.ne.jp/gauche7/e/4ac674621846a5393a16294b6b83f2f1

 「恩田の森Now」 http://blog.goo.ne.jp/ondanomori に、ただいまは 8月14日に撮影した写真を7点掲載いたしております。やけに雨の多い今年の夏の森の様子ご覧いただければ幸いです。

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