Pentax joining MicroFourThirds?

 ペンタックスがマイクロフォーサーズ(以下、M4/3)に参入するのではないかと云う情報が流れている。郷秋<Gauche>がこの情報を最初に目にしたのは、時々チェックしている4/3 Rumorsであるが、他のカメラ情報サイトにも同内容の記事が掲載されているのを確認している。元ネタはスペイン語のサイトのようである。

 もっとも「ペンタックスがマイクロフォーサーズ参入を検討しているらしい」というだけで具体的な製品情報はないが、DSLRではキヤノン、ニコンに次ぐシェアを持つペンタックスもオリンパスに追い上げられ、コンパクトタイプでも劣勢を強いられていることを考えると、新たな戦略として伸び盛りEVIL(注:EVILはElectronic Viewfinder with Interchangeable Lensの省略形)への参入を考える際に、開発負担を少なくすることの出来るM4/3を検討対象とするのは当然のことと思われる。

 新たなマウントを導入するのはメーカーとしては大きな冒険であることは云うまでもない。しかしM4/3ならば既に策定された規格に基づいてボディ、レンズの設計をすれば良い訳で、まったく新規のマウントによる場合に比し開発の期間を大幅に短縮する事が出来るし、新規格導入のリスクも事実上無視する事が出来ることになる。

 新マウント導入となれば、当然のこととして最初のボディを発売するときに少なくても数本のレンズを用意しなければならないことも大きな負担となる。その点M4/3ならば、先行するオリンパスとパナソニックがひと揃え用意していてくれるから、自社では2本程度のレンズを用意すれば当面はお茶を濁す事が出来る。これもまたM4/3導入時に大きなメリットとなる。

 もっともペンタックスは時をおかずに自社製のレンズラインナップを拡充しなければならない。なぜなら、SLRメーカーにとってはボディよりも交換レンズの方の収益率が高いからである(レンズの収益率が高いのは、おそらくはボディ本体に比してライフスパンがはるかに長いことから相対的は開発費負担が少ないことに起因しているのではないかと郷秋<Gauche>は考えている)。

 もう一つの理由は、一度自社のボディを買ってもらえば、更に複数本数の自社製レンズを購入してもらえる可能性が高いからであるが、M4/3陣営の場合には他のメーカー製でもまったく問題なく利用できることから、レンズの性能と価格によっては他者に流れてしまう可能性もはらんでいるのも事実である。

 ペンタックスは自社の強みを生かし、ニッチマーケットとも云える中判645のデジタル化に活路を見出しているかに見えるが、645デジタルは話題にはなっても台数がはけるわけではないだろうから、果たして開発費の回収が出来るのかどうか、素人目にも心配になるほどである。

 ペンタックスにはKマウントと云うオープンンリソースがあるが、新たな活路としてこれとAPS-Cセンサーを使ったEVILは度々噂に上がっていた。ペンタックス自身以外にもリコーのKマウントEVILの噂があり郷秋<Gauche>もしばらく楽しませてもらったが、リコーから登場したカメラは更に斬新なものであったことは記憶に新しい。

 あれこれ考えると、ペンタックス(HOYA)規模のメーカーが生き残りをかけるとなれば、M4/3は確かに選択肢の一つとして大きな意味を持つことだろ。しかしだ、既に4/3及びM4/3規格に賛同し4/3陣営にその名を連ねている富士フイルムがいまだに4/3及び(あるいは)M4/3規格のカメラを出していないのに、ペンタックスからM4/3登場が噂されると云うのも、考えてみるとなかなか興味深いものがあるな。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、数ある野菜の花の中でも美しさでは五本の指に入るだろうと郷秋<Gauche>が思っているエンドウの花。
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