F1 2006年 第7戦モナコGPを振り返る

 結果はアロンソのPole to Finish。しかし易々と手に入れた勝利ではなかったはずだ。特に50周目までは。私の期待通りライッコネンはアロンソに対して終始コンマ5秒以内で追撃、アロンソにミスがあればすかさずオーバーテイクの体制での50周であったがエンジントラブルで敢え無く戦線離脱。しかしレース後のアロンソは「ライッコネンに抜かれるとは思わなかった。タイヤを労りラップタイムをコントロールした」とコメント。若いとは言えまさに王者の風格である。

 <モナコGP決勝レースの結果>
 1位:フェルナンド・アロンソ / ルノー / Q1 / FL2 / Pit2 / MI
 2位:J-P・モントーヤ マクラーレン・メルセデス / Q4 / FL6 / Pit2 / MI
 3位:D・クルサード / レッドブル・フェラーリ / Q7 / FL19 / Pit1 / MI
 4位:ルーベンス・バリチェロ / ホンダ / Q5 / FL12 / Pit2 / MI
 5位:ミヒャエル・シューマッハ / フェラーリ / Q22 / FL1 / Pit1 / BS
 6位:ジャン-カルロ・フィジケラ / ルノー / Q9 / FL5 / Pit2 / MI
 7位:ニック・ハイドフェルド / BMW / Q15 / FL11 / Pit1 / MI
 8位:ラルフ・シューマッハ / トヨタ / Q10 / FL15 / Pit1 / BS

 Qnは予選順位、FLnはレース中のファステストラップ順位
 Pitnはピットストップ回数、BSはブリヂストン、MIはミシュラン。

 まず驚くのは、抜きどころのないモンテカルロのコースで最後尾から5位まで上がってきたミヒャエルである。中盤以降のウェバー、ライッコネン、トゥルーリの相次ぐ脱落に助けられた面もあるが、FLでもわかるとおり最も早く走ったことも確かではある。ピットスタート、1回給油で走りきるといったチームの戦略も効を奏したこともあるが、何よりもモナコの女神がマイスターを見捨てなかったというところか。

 次に驚くべきはクルサード。予選7位とまずまずの位置からの発進とは言え、ファステストラップタイム19位(後ろにはチーム名とのクリエンとSAの2台しかいない)のクルサードが3位表彰台。ミヒャエル同様ウェバー、ライッコネン、トゥルーリの脱落、更にはバリチェロのペナルティによる後退に助けられたとは言え、これこそがまさにベテランの妙味というところだろうか。これで来期のシートも確実か。

 スタート早々ライッコネンにパスされたとは言え3位を快走していたウェバーだったが、私の心配が見事に的中しリタイヤ。ロズベルクのエンジンは最後までもったようだが、果たしてその原因は如何に。

 バリチェロはピットレーンでの速度違反によるペナルティがなければ3位表彰台獲得の可能性もあったが、ファステストラップ順位は12番手と決して速かったわけではない。結果10位とまったく精彩を欠いたバトンのFLも10番手と、課題を残したホンダである。

 3位表彰台かと思われたトゥルーリだが、マシントラブルでリタイヤ、10番手スタートのラルフがなんとか8位に滑り込んだが、両者共に特に速かったわけではなく、ホンダ同様次戦までの宿題を抱えたトヨタであった。

 さて、次戦はモンテカルロ市街地コースとは打って変わって超高速バトルが繰り広げられるシルバーストンが舞台となる。ここに来て上り調子のマクラーレン・フェラーリはルノーに喰らい付いて行けるのか、ホンダ・トヨタは速さを手に入れることはできるのか。イギリスGPは2週間後、6月9日開幕である。

なるせの森の麦畑。収穫の時を迎えたが生憎の雨模様。
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