郷秋<Gauche>のお薦めアルバム その1

 郷秋<Gauche>はバッハ(J.S.)がお気に入りなのです(上のピアノの鍵盤の写真をクリックしてみてくだい)。彼の膨大な作品の中でも無伴奏チェロ組曲、平均律クラヴィア曲集、フーガの技法そしてゴルトベルク変奏曲あたりが特に好きな作品。

 今日はその中からゴルトベルク変奏曲(BWV988)をお薦めしたいと思います。この作品はロシア公使ヘルマン・カール・フォン・カイザーリンク伯爵のために書かれた作品で1742年に「クラヴィア練習曲第4部 さまざまな変奏をもつアリア」として出版されていますが、現在ではこの曲を伯爵のために演奏したバッハの弟子、ヨハン・テオフィール・ゴルトベルクの名前ちなんでゴルトベルク変奏曲と呼ばれています。

 本来チェンバロで演奏するために書かれたこの作品も後にはピアノで演奏され、さらには近年では鍵盤楽器以外の楽器で演奏されることも多くなっています。

 この「弦楽合奏版」もそんな中の一枚で、ヴァイオリン奏者でもあるドミトリ・シトコヴェツキーが編曲したものです。シトコヴェツキーはこの弦楽合奏版以前に弦楽三重奏への編曲を試み好評を得ていましたが、おそらくはより多くの可能性を信じてさらに弦楽合奏版の編曲を手がけたのでしょう。

 私はシトコヴェツキー自身のヴァイオリン、ジェラール・コセのヴィオラそしてミッシャ・マイスキーのチェロによる弦楽三重奏版のアルバムも聴いていますが、弦楽合奏版が出てからはこちらのほうを聞くことが多くなっています。

 グレン・グールドの録音が名盤の誉れ高く(1955年と1981年、新旧2録音)お聴きになられている方は多いかと思いますが、たまには気分を変えて、弦楽合奏によるゴルトベルク変奏曲はいかがでしょうか。

弦楽合奏版   : Sitkovetsky / New European Strings(写真)
            ワーナーミュージックジャパン / WPCS21209
弦楽三重奏版 : Sitkovetsky(Vn), Causse(Va), Maisky(Vc)
            Orfeo / ORFEO138851(輸入版)
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