福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

発展途上国の歯科その4

2006-09-08 | 国際交流

昨日、6月に続いて2回目の「JICA歯学教育コース」の講義に九州大学歯学部に行って来ました。
前回は発展途上国向けの予防的歯科治療「ART」(Atraumatic Restorative Treatment:非侵襲的修復治療)について話をしたのですが、今回は「予防をベースにした小児歯科治療」と「小児歯科の教育システム」という日本の現状を話しました。今年度は9か国10名が来日しており、5か月間のコースも今日で実質は終わり、最終レポートをまとめて来週末には帰国とのこと。
彼らは各国から選ばれた人たちですから、教育レベルは高く、歯科教育についても欧米の教科書などからの知識が結構あります。ただし、実際の現場では経済的に設備や器材不足があったり、患者さん側の知識や関心不足があって、そのような知識が実践できないのが現実です。また、いわゆる現代の歯科が行われていても、ごく一部の余裕ある歯科医と患者さんの間であるようです。このような環境で相対的に数多くを対象に実行できるのが予防です。予防といっても歯科医が患者さんひとりひとりに行えることは時間的にも限られますので、皆がオーラルケアに関心をもつような教育が多分優先でしょう。とは言ってもそれなりのマンパワーや費用が必要になります。ところが、特にアフリカなどではHIVやマラリアなどの風土病対策などが当然優先され、歯科どころではないという事情もあります。この辺に話が及ぶと、皆それぞれの国で似たような事情があって、「現時点では解決が難しいな~」ということになりますが、一方で「答えは出ないけど、結構悩みは共通なんだな~」という認識を持ちます。
ちなみに、今年の講義で「おっ!」と思ったのですが、講義中に半数位のメンバーがノートパソコンを使って講義のメモをインプットしています。当然、講義後はパワーポイントファイルをコピーして私のほうから渡すわけです。また、数年前位からメンバーの地域差というか国民性の差が小さくなっている印象を受けます。これもインターネット時代の影響かな~?とか感じます。コミュニケーションはとりやすい訳ですが、どうもアジア系とかアフリカ系とかラテン系とかいう、よい意味でのキャラが薄れており淋しいような気持ちです。

よく学び・・・

よく遊ぶ・・・。 これは研修旅行時の食事&カラオケです。右上はJICAからの研修監理員。右下が私。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする