福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

成長期の顎関節症

2019-01-15 | 口の中の問題

日本歯科医師会に入会していると、毎月届く専門雑誌です。
当院は小児、青少年の患者さんが主ですが、このような雑誌のトピックは歯科界全般での問題や方向性が分かるので非常に有益と考えています。
専門性がある故、専門外の知識が不足するのは、一人の患者さんを包括的にさらに時間軸を考えて診ていくときには、不充分な時があります。





今回のトピックの一つが、顎関節症。
当院でも、思春期成長期で顎関節症の症状が出てくる患者さんは特別ではありません。
統計的には10%程で顎関節症の症状経験者がいるとのことで、小学生の頃までは問題医になる例はほとんどありません。
一方で対象患者さんのピークは20~30歳代なので、それ以降は自然治癒するとも考えられます。
通常、成人を対象にした記述や例なので、思春期成長期の顎関節症に特化した場合、まだまだ不明な部分も多いようです。
顎関節症自体が多因子なので、もともとこれをすれば治るというものではありません。




私の理解では、以前は、噛み合わせの調整やマウスピースなどの処置を行う例が多かったと思いますが、現在はセルフマネジメントが最初の選択です。
歯の接触癖(TCH)や日常習慣などを問診して、原因と考えられるものがあれば、修正していきます。
当院でも、まずは詳しい問診とカウンセリングをして経過観察をしています。
一部マウスピースを使用する患者さんもいますが、症状の経過に応じて使用時間を調整して、だんだんと短めにしていく方向で考えます。
顎関節症=小児歯科の専門外 と考えずに、対処していく中で難症例が見えて来て、その時にはより専門家にお願いするというスタンスです。
経過観察も含め、当院で引き受けるからには知識や技術も必要なのはもちろんで、矯正関係、障害児者関係でもこれは同じです。




ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam

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