一昨日ですが、たまたま上の前歯付近の過剰歯が見つかった患者さんが続きましたので、今回のトピックにしたいと思います。
過剰歯は、歯の発生段階で余計に発生した歯で、形成時期や組織から永久歯の過剰と判断されるものが大多数です。
また、部位的には上の前歯の内側に発生する頻度が高いものです。
過剰歯は通常の歯と形態的にも異なりますが、方向的にも逆向きや横向きのものもあって、出て来ず埋まったままのものも珍しくありません。
正常な永久歯の付近にある場合、乳歯と永久歯との交換がスムーズにいかなかったり、永久歯前歯の歯並び噛み合わせに影響が出ることがあります。
そのような場合、過剰歯は抜歯適応となります。
5才前半の患者さん。上の前歯(乳歯)、向かって左側の詰め物が欠けたようだということで来院されました。
詰め物自体は外れていませんが、一部が欠けたチッピングかと思われました。また、前歯間のすぐ裏側に過剰歯の先が出て来ているのを認めました。
上の前歯付近の過剰歯は、このように尖った形態が典型です。
過剰歯の方向が下向きなので乳歯の根を早めに吸収して、まだグラグラはありませんが早めに乳歯が抜けてしまうことが予測されます。
また、過剰歯によって前歯間の隙間が出て来たため欠けたように見えたという事も考えられます。
保護者の方は審美的なことも結構気になるという事でしたので、詰め物をしている両側の前歯間に対照的に詰め物を追加して審美的に対処しました。
実際、4歳5歳くらいで乳歯が早めに抜けて変な形の歯が出て来ました、という相談がある場合、通常このような過剰歯です。
向かって左側の永久歯の位置には影響が見られますので、いずれ過剰歯の抜歯は必要になります。
乳歯と永久歯の間にあるわけですから、後から出てくる永久歯(7歳頃)に最も影響があるケースです。
保護者の方には、現状と今後の予測と処置の計画を説明して、まずは経過観察とします。
同日に来院された患者さんで同じく5歳半ば。
乳歯前歯の隙間が出て来たので、生え変わりでは?という相談がありましたが、年齢的に早すぎるので過剰歯疑いでX線撮影をしたところビンゴです。
年齢的にもX 線的にもほぼ同じですので、経過観察と処置のタイミング等は同じです。
このような例、保護者の方は驚かれますが、頻度的には30人に一人程というデータです。
全員X線撮影している訳ではありませんが、当院の患者さんの数から言えば、毎日ほぼ一人はいるといいうことになります。レアという訳ではありません。
ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam